いまから数週間前のことだ。ノースロンドンにあるメキシコ料理店で、無名だが非常に目の肥えたひと握りの暗号資産(暗号通貨、仮想通貨)の投資家が、「テラ(Terra)」と「ルナ(LUNA)」の暴落を予見していた。
そのうち数人は、現金や担保によらずアルゴリズムとゲーム理論によってドルとの等価性が確保されたステーブルコイン「TerraUSD(UST)」の存在自体と、それが長期的にペッグ(連動)を維持するとの見方をあざ笑っていたのである。
この投資家たちによると、このプロジェクトの「ポンジノミクス」(新規のユーザーとマネーの流入を前提としたトークンエコノミー)は、あまりにリスクが高すぎるのだという。 (中略)
投資家たちは、肩をすくめながらも万策尽きたと諦観していた。「これまでのところ、こういう話はいつも最高にユーモラスな歴史をたどってきたからね」と、彼は言う。 (中略)
カルガリー大学でビジネス法規制の助教を務めるライアン・クレメンツは昨年、「Built to Fail(失敗という宿命)」と題したアルゴリズム型ステーブルコインに関する論文のなかで、この手法の問題性を指摘していた。論文でクレメンツは、このようなステーブルコインの大きな問題のひとつは、需要があるうちしか機能しないことだと説明している。そうでなければ、せっかくのインセンティブも意味をなさないからだ。
「USTはそもそも安定しておらず、担保も十分に確保されていませんでした」と、クレメンツは語る。「テラのエコシステムにおけるUSTのさまざまな使用例について、十分な(そして継続的な)関心があるという前提に常時依存する必要があったのです」 (中略)
「USTの大きな需要は、テラのブロックチェーン上に『アンカー』という貯蓄プロトコルがあり、それが年率20%の利回りを約束していたからです」と、CoinGeckoのオングは説明する。人々はUSTを購入し、アンカーというソフトにコインを貯め込み、金のなる魔法の木のように育てていくことを楽しみにしていたのだ。
(引用ここまで)
暴落したキムチコインことテラ(ルナ)の続報……続報というべきか、からくりの解説というべきか。
目端の利く投資家は「テラ・ルナは成長できるわけがない」という認識でほぼ一致していたとのこと。
サブプライムローン(正確に言うとそれを債権化してそこら中に潜ませていた行為)が危険極まりないことである、という認識が詳細を知る層にはあったわけですし。
まあ、後付けで仕組みを知ると「こんなんが『ステーブル(安定的な)コイン』を名乗ること自体がおかしいだろ」ってなりますけどね。
存在自体は知っていましたが、詳細は知らなかったので手を出さなくてよかったと胸をなで下ろしている次第。
ま、というか暗号通貨全体でも6桁くらいしか投資していない、かつ現物のみなので大損のしようがないというか。
記事を読むとちゃんとした目利きには分かっていたけども、なんか暗号通貨っていうだけで盛り上がってしまったのだろう……という感じ。
特に韓国人にとっては「誇らしい韓国の有名暗号通貨」みたいな扱いになっていたっぽいです。
テラは1ドルにペッグされており、さらにアンカーというソフトにテラを入れておくと年20%の利回り(ルナで)が約束されていた。
それでテラを売らずにいてくれるだろう……という目論見だったそうですが。
……根本が暗号通貨を利用したネズミ講じゃん。
この高利率をユーザーを引きつけてテラを買わせてきたけども、大企業が数十億ドル分のテラを売り浴びせた結果、ペッグを保てなくなって一気に崩壊のスパイラルに乗っかった……と。
さっきチャートをチェックしたらテラは0.15ドル……15セントか。
ペッグとは(笑)。
ルナは0.00003ドルくらい。いくらだ、これ。
ルナ・テラの開発者である韓国人は「テラの生態系を蘇らせる」とか言っているようです。
クォン・ドヒョン「私はルナを売っていない。苦しんで心が痛い…テラ生態系は蘇らなければ」(ニュース1・朝鮮語)
なにか手を加えるとか言い出してますが。
暗号通貨全体に波及はありそうですが、まあそこまででもないのかな。全体的に下落基調なのはアメリカの長期金利がじわっと高くなってきたからでしょう。
個人的にはようやくRTX3070あたりに手が出せそうになってきたかな、というところです。
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エントリ中のサブプライムローンの爆弾に気づいた人たちのストーリーはこちら。面白い。