韓国教育部(省に相当)が昨年、中学3年生と高校2年生の一部を対象に行った「学業成就度評価」の結果が14日に公表された。学校でしっかりと学習していれば当然習得するはずの「普通の学力」以上と評価された生徒の割合は、過去最低だった前々年度とほぼ同じレベルだった。文在寅(ムン・ジェイン)政権の5年間に「普通の学力」の生徒の割合は全科目で10%ほど低下し、昨年は中3の数学で普通学力以上の割合はほぼ半分の55%にとどまった。学習すべき内容をしっかりと学んだ割合がわずか半分だったという意味だ。2017年は68.4%だった。
さらに深刻な問題は「基礎学力」にも満たない生徒の割合が大きく増えたことだ。「基礎学力」とは例えば中学3年生が国語で日常会話を行い、簡単な作品の一部を鑑賞でき、数学では簡単な多項式のプラスマイナスの計算ができるレベルだ。この「基礎学力」に満たない場合は次の学年に上がっても授業についていけない。このような「数学放棄者」「国語放棄者」を文在寅政権はわずか5年で2-3倍に増やした。 (中略)
文在寅政権時代の教育部は、「児童生徒たちを成績順に並べてストレスを与えている」とする全教組の主張をそのまま受け入れ、評価を廃止した。以前は教育部が国全体の学業成就度評価を地方教育庁の評価に連携させ、地域ごとの成績を公表していたが、そのやり方にマイナスの側面があったのは事実だ。だとすればそのようなマイナス面をなくす他の代案を準備すべきだ。
(引用ここまで・太字引用者)
あー、これ分かる気がします。
10年ほど前、PIAACという調査が行われたことがあります。
OECDでの「成人力調査」というもので、16〜65歳の持っている能力を測るというものでした。
それまで「韓国人の読解力は高い」とされていたのですが、実はそれほどでもないという結果に終わったのですね。
韓国では初級、中級の読解力までは高いのですが、高度な読解力になるとぐっと人口における割合が減少します。
「教師になれるようなレベル」での読解力は日本人が1位で人口の22.6%。
韓国人は8.1%でした。
あれほどまでに詰め込み教育をしているのに、中級レベルまでしか読解力が育たない。
そのあたりについての言及については、上のPIAACの結果についてのエントリをご覧ください。
韓国ではあるていど、強制性をもって教育をしないと中ていどまでの読解力を得ることも難しいのではないだろうか……という感触をPIAACの結果からは得た感じです。
この記事でいうところの「普通の学力を得ているのは全体の半分ちょっと」という話にも通底するのではないでしょうか。
左派政権は基本的に「平等」をはき違えて、こうして教育における順番を大きく前に打ち出さないようになります。
「優しい教育」になりがちなのですね。
ですが、それでは競争力が育たない。
韓国ではこれまで学力による序列を重要視してきたのに、ムン・ジェイン政権の5年間でそれが一気に緩みまくったわけです。
今年から来年にかけて第2回のPIAACが行われるのですが。
その結果がムン・ジェイン政権の教育面における成績表として出てきそうですね。
確かに上位の韓国人は呆れるほど勉強しますし詰めこみをするのですよ。
暗記カードをどこでもめくっている、というような印象です。
ですが、全体の理解力・読解力はこれまでもそれほどでなかった。
さて、5年間のムン・ジェイン政権で「序列」を緩めまくった結果がどうなるか。
個人的にはわりと楽しみです。
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