韓国大統領室が20日、「日本側が4カ国首脳会談を提案し、現在国家安保室で検討中」と明らかにした。
大統領室関係者はこの日、記者団に会って「日本政府が北大西洋条約機構(NATO)首脳会議を契機に韓国・日本・オーストラリア・ニュージーランドの4カ国首脳会談開催を検討している」という読売新聞の報道に関連してこのように説明した。
(引用ここまで)
日本から日豪新韓の4カ国首脳会談をしないか、と働きかけているとの報道がありました。
日韓豪NZ首脳会談を提案 政府、対中国で協力念頭(日経新聞)
要するにNATO域外から招待された4カ国でも首脳会談をやっておこう、という話です。
ただ、これちょっと面白いことになりそうかな、という感じ。
この件について記者会見で問われた磯崎官房副長官は「なにも決まったことはない」とのいつもの回答。
関連した「アジア周辺国との連携は?」という質問に対しては──
「アメリカ、豪州、インド、ASEAN、欧州などの同盟国、同趣国との連携をしながら日米豪印等の取り組み等も活用しながら自由で開かれたインド太平洋実現に向けて、安保分野をはじめとしてさまざまな分野での取り組み、勢力的に推進をしていくことで地域と平和と繁栄に貢献していきたい」
……との回答。
意地でも「韓国」という単語を出さないつもりですね、これは。
この日豪新韓会談、ちょっと面白いと思います。
オーストラリアは政権交代しましたが、対中政策は明らかに継承している。それは政権交代直後にも関わらず、アルバニージー首相クアッド首脳会談へ参加したことからも伺えます。
ニュージーランドも同様に対中国で警戒を続けている国のひとつ。
北朝鮮の瀬取り取り締まりを名目とした哨戒活動にニュージーランドも参加していましたね。
日本、オーストラリア、ニュージーランドという太平洋諸国の対中政策の方向性はほぼ同じ。強さは異なるかもしれませんが。
さて、そこに韓国を混ぜたらどうなるのか、というところ。
ユン・ソンニョル政権は対中政策で大統領選挙中から対決姿勢を打ち出していました。
THAAD問題ひとつをとっても「ムン・ジェイン政権は電波測定の結果を隠匿していた」とリークしてしまうていどではあります。
ただ、それが対ムン・ジェイン政権に過ぎないのではないか、という疑問は少なからずあるわけですね。
ムン・ジェイン政権では三不の誓いをはじめとして、明らかに中国におもねってきたわけで。
それを糾弾するためだけなのではないか、とも受け取れるわけです。
実際、米韓首脳会談では「自由で開かれたインド太平洋」について最低限の言及しかありませんでした。
シャングリラ会合での日米韓防衛相会談は、日米豪防衛相会談と比べると明らかに熱量が低いものでした。
NATO首脳会議での日豪新韓での4カ国会談、個人的にはなかなか面白い結果が出そうだなと感じますが。
アメリカかイギリスがここに入ってもさらに面白そうですね。
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