韓国の半導体素材や製造装置の国産化が足踏みしている。2019年7月に日本政府が韓国への輸出手続きを一部品目で厳格化して以降、韓国は関連品目の国産化を進めてきた。ただ、足元では日本からの輸入額が増加に転じるなど揺り戻しが見られる。日本の措置からまもなく3年になるが、日韓の半導体関連の供給網はなお命脈を保っている。 (中略)
韓国貿易協会の統計を見る限り、文政権が主張するほどに「脱日本」は進んでいない。日本が輸出手続きを厳格化した半導体関連素材3品目のうち、フッ化水素の対日輸入額は19年7月を境に急減し、20年は18年比で86%減となった。それでも21年は前年比で34%増と反発し、22年1~4月も前年同期比で30%増と回復傾向が続く。
残りの2品目でも、フォトレジストは前年比で2ケタの伸びが続き、フッ化ポリイミドは微減にとどまる。日系材料メーカーの関係者は「フッ化水素を除けば、特段の影響はなかった」と声をそろえる。
(引用ここまで)
日本が韓国に対して半導体材料輸出管理強化を施した3つの物質、フッ化水素、フォトレジスト、フッ化ポリイミドのうち、フッ化水素は「日本からの輸入」は半減以下になっているとのこと。
フォトレジストは年2桁の伸び、フッ化ポリイミドも微減。
フッ化水素については、これまで純度の低いものについても日本から輸入していたのを、輸出管理強化をきっかけに韓国国内で製造するようになったようですね。
かつて、韓国ではフッ化水素製造で5人が亡くなり、数千人規模の被害を出すというけっこうな規模の事故を起こしたことがありまして。
そこから「韓国国内でも作れるレベルのフッ化水素」は製造を再開した感じです。たぶん、液晶パネル製造レベルだったら作れるんじゃないかなぁ。
ただ、半導体製造に必要な超高純度フッ化水素はどうしても日本からの輸入に依存したまま、ということですね。
以前、半導体の製造現場で使われるこうした材料について「半導体メーカーにとっての秘伝のタレ」であると語ったことがあります。
それぞれのラインですでに使いかたが決まっていて、そう簡単に変更できるものでもないと。
材料を変更するのならラインを止める必要があるので、そうした行為をメーカーが嫌うということもありますし。
無理をして変更をした場合にはそのラインで製造された製品はしばらくの間、全廃棄になる可能性すらあるのですよ。最適化が必要になるので。
ムン・ジェインは嬉々として「日本を克服してやった!」と宣言していました。
退任時には「日本の横暴を制したのはいい思い出」みたいなことを言ってましたが、実際はそんなわけでもなかった……というオチですね。
フォトレジストについては「調達先をベルギーに変更したぞ!」と雄々しくアナウンスしていたのですが、日本企業であるJSRのベルギー工場から調達しただけだった、というオチがついてましたっけ。
引用外に「韓国でフッ化水素の国産化をアナウンスした企業の株価が急騰したが、現在では6年ぶりの安値圏に沈んでいる」なんて記述もありました。
そんな簡単に製造できるわけがないんですよね。
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