韓日両国が正式首脳会談を開催しなかったが、1泊2日間会談場の内外で出会う機会を活用して、首脳間接点を広げながら共感帯を形成したためだ。
30日、大統領室によると、ユン・ソクヨル大統領と岸田文夫日本首相は28~29日(現地時間)2日間で歓迎会晩餐、韓国・日本・オーストラリア・ニュージーランド(AP4)首脳会談、韓米日首脳会談、NATO同盟国・会員国首脳会議を通じて4回対面した。
韓日首脳はAP4およびNATO事務総長記念撮影も一緒にした。全部で5回、出会ったわけだ。
両国首脳が2回の少数国間会談を含め、「プルアサイド」会談形式で何度も会いながら両国関係改善の必要性を再確認したという評価が出ている。 (中略)
大統領室の関係者は記者たちと会って「ボトムアップ(上向き)ではなくトップダウン(下向き)の雰囲気だ。韓日首脳同士は(問題を解決)する準備ができたということだ」とし「残された課題は参謀と各省庁がどれほど心を開き、率直な対話を発展させるか」と説明した。
(引用ここまで)
「日韓首脳がNATO首脳会議を通じて4回の会談をし、延べで5回も会った。トップダウンでの関係改善いけるで!」と韓国メディアからの発信。
韓国メディア……というか、それを語っているのが大統領府だということに苦笑するしかない状況なのですが。
ムン・ジェイン政権の頃から「トップダウンで解決しよう」みたいな呼びかけはされていましたね。
特に東京オリンピックで訪日するしないという話になった際には「すべての懸案を一気にテーブルに乗せて解決してしまおう」とか言い出してましたっけ。
現在のユン・ソンニョル政権はその姿勢を継承している感じですね。
実際、ユン大統領がまたぞろ「日韓は歴史と未来を一緒のテーブルで解決しよう」と言い出したとのニュースもあります。
尹大統領「韓日、歴史・未来問題をひとつのテーブルで解決しなければ」(中央日報)
で、その手段がトップダウンでの解決と。
……いやね。
こういう部分でも対話は必要なのですよ。
もちろん、その対話は首脳会談ではなく局長級会議とかですが。
韓国側の話を聞いて「はいはい、それじゃダメだからね」って言う機会は必要なのです。
これは外交ですからね。
で、外交というのは二国間だけでやっているものではないので。
具体例をひとつ出しておくか。
対馬から盗み出された仏像を韓国政府が返却していないことを理由として、フランスは韓国への文化財貸し出しを拒絶したということがありました。
この事実だけでも「二国間の関係」で成り立っていないことが理解できると思いますが。
閑話休題。
韓国からは「ここまで関係改善のお膳立てをしているのにいまだに日本は『韓国が解決案を持ってくるべき』と言っている」と不満を持っている模様です。
韓日首脳、初対面したが…日本「韓国が解決策を提示すべき」(ハンギョレ)
カン・チャンイル「NATO韓日首脳発表違う、自尊心云々……日本は『韓国が解決策持って来て』ということ」(MBC・朝鮮語)
韓国側は「こんなにトップダウン方式での解決を望んでいるのに!」という意識があるのは間違いない模様。
日韓での問題に対する意識が違いすぎててどうにもならないのが現状。
あとハンギョレの記事によると4日から例の「官民協議体」が発足するそうですわ。
民間側の知日派なり、国際法に詳しい人物がどこまで関与できますかね。
まあ、「ボールは韓国にある」ことを認識しているだけ、ムン政権と比べれば進歩しているとはいえるか……。
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