米投資ファンドのローンスターが韓国外換銀行(現ハナ銀行)の売却を巡り2012年に韓国政府を相手取って損害賠償を求めた仲裁申し立てで、世界銀行グループの投資紛争解決国際センター(ICSID)は韓国政府に2億1650万ドル(約300億円)の賠償を命じる裁定を出した。ローンスターが当時請求した46億7950万ドルの約4.6%に当たる。韓国法務部が31日、明らかにした。
ICSIDは併せて、11年12月3日から賠償金の支払いが完了する日までの利息の支払いも命じた。1000億ウォン(約103億円)程度になると推計される。 (中略)
ローンスターは03年にベルギーの子会社を通じて韓国外換銀行の株式を1兆3834億ウォンで取得した。複数の企業と売却交渉をした末、12年に韓国・ハナ金融持ち株に3兆9157億ウォンで売却した。
これに関しローンスターは、韓国政府が韓国外換銀行の売却に不当に介入したことで46億7950万ドルの損害が発生したとして12年11月、投資家対国家の紛争解決(ISDS)条項に基づきICSIDに仲裁を申し立てた。ISDSは、海外の投資家が投資先の国の法令や政策によって被害を受けた場合に国際仲裁を通じて損害賠償を受けられるようにする仕組み。
ローンスターは韓国政府の介入により高値で売却する機会を失い、むしろ値下げを余儀なくされたと主張した。 (中略)
ICSIDの裁定は請求額の4.6%の賠償だったことから、ローンスターの主張の大部分を退けたとの見方ができる。
(引用ここまで)
ローンスター事件についてのISD訴訟の判定が出されまして。
原告にあたるローンスター側は46億8000万ドルの損害賠償を請求し、韓国政府はそれを事実無根としていたものですが。
判定は「2億1650万ドルをローンスター側に支払え」というものでした。
韓国メディアの多くは「韓国の言い分がほとんど認められた」としています。
まあ、請求額の5%未満しか認められなかったということでそう感じるのは間違いないでしょうが。
実際には「韓国政府の行った違法行為があった」と認められたので負けているのですけどね。
以前、ロンドンオリンピックのサッカー3位決定戦の日韓戦で「独島は我が領土」ってプラカードを掲げた選手がいましたが。
それについてのFIFAは「2試合の出場停止と韓国サッカー協会への注意」という処分、IOCからは「韓国五輪委に対して警告」を出されたのですよ。
ただ、銅メダルは与えられたので「無罪だ!」みたいに報じられていたのですが。 その後、IOCがくどいほどに「独島の表記」を禁じるようになったのは、あれが大いに関係していると感じます。
今回も同じように悪事は記録されるし、記憶されるんだよなぁ……と。
ちなみに韓国政府は世界銀行国際投資紛争解決センターの判定に対してキャンセル申請を行う、と表明しています。
政府「ISDS ローンスター賠償判断受け入れ難い」… キャンセル申請行く(聯合ニュース・朝鮮語)
キャンセル申請はまた別の部署で行われ、認められればゼロになるというチャンス。
ただ、同様にローンスター側からも「賠償額が少ない」とキャンセル申請をすることも可能。
で、長くなったらまた利息が増える、という話でもあるのですけどね。
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