韓国大統領室は3日、「ナンシー・ペロシ米下院議長の韓国訪問を歓迎する」とし、「韓米両国の国会議長間協議で多くの成果があることを願う」という立場を示した。
大統領室の関係者は同日午前、ソウル龍山(ヨンサン)大統領室庁舎で記者団に対し、「ペロシ議員の訪韓日程が尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の休暇と重なり、尹大統領と会うスケジュールは組まなかった。代わりに国会を訪問し、金振杓(キム・ジンピョ)国会議長と会談・午餐の日程を推進する」と述べた。
米中対立の中心に置かれたペロシ議長の台湾訪問について大統領室はどのように見ているかという質問に対し、この関係者は「韓国政府は対話協力による域内平和と安定が重要だという基調の下、域内当事国と緊密な疎通を維持していくという立場」と述べた。
(引用ここまで)
韓国大統領府曰く──
ユン・ソンニョル大統領は前もってアナウンスされた休暇日程中なので、ナンシー・ペロシ下院議長とは会談できません。
韓国の国会議長との会談をよろしくお願いします。
アジア歴訪が予定通り完了することを願う。
……だそうです。
今回のペロシ議長によるアジア歴訪は物議を醸しているのは間違いないところで。
台湾訪問は世界中が注目したといっても過言ではないですし。
中国は台湾、アメリカに対して圧力をかけ続けました。
軍事的緊張も高まってますね。一時期、金価格が高騰したなんてことすら起きてます。
この後に予定されている訪日では岸田総理との会談が当然のようにスケジュールされていますし。
台湾では蔡総統と会談、ランチミーティングと行っています。
ちなみに今回、先にアナウンスされていたペロシ議長の訪問先はシンガポール、マレーシア、韓国、日本。
マレーシア訪問後に台湾に向かい、その後に韓国に向かっているわけです。
さて、すでにマレーシアではハリマ・ヤコブ大統領、シンガポールではリー・シェンロン首相とは面会済み。
そして台湾の蔡総統、日本の岸田総理と面会予定。
韓国だけが国のトップと面会しない、ということです。
ちなみに大統領府はサプライズでの面会もない、と断言しています。
大統領室、ユン・ペロシ「サプライズ接見」の可能性否認… 「調整もない」(聯合ニュース・朝鮮語)
米中間の緊張が高まっている中で無理をしたくない、というのが韓国の意向なのでしょう。
おそらくはまたぞろ「中立」を気取っているのでしょうが。
まさにこれこそがマキャベリがいうところの「決断力のない君主が当面の危機を回避しようとして中立を選ぶ。そして滅ぶのだ」というアレ。
「中立は勝者にとっては敵となり、敗者にとっては助けてくれなかったとして敵視される」もマキャベリの言葉でしたね。
中国におもねるのであれば訪問そのものを辞退するべきでしたし。
訪韓してもらうのであれば大統領が面会して旗色を明かにすべきでした。
政権が変わってもどっちつかずのまま、なんとなく米中の間をさまようコウモリのような存在となっている……ということがよく分かる事態ですね。
個人的にこのテレ東BIZの解説面白かったのでおすすめしておきます。
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