ソウル市がマンホールのふたの下にネットや鉄製構造物などの「マンホール転落防止設備」を設置することを決めたと12日、明らかにした。8日の集中豪雨によりソウル市瑞草区でマンホールのふたが外れ、成人の姉と弟が転落し死亡するなどマンホール関連の事故が発生したことから、これを防ぐための措置を取ったものだ。
ソウル市は今年下半期からマンホール転落防止設備を低地帯など浸水脆弱(ぜいじゃく)地域や下水道逆流区間に優先導入し、設置を拡大していく計画だ。マンホールのふたの下に網や鉄製構造物を設置し、ふたが外れても人や物が落ちないようにするということだ。ソウル市内のマンホールは計27万カ所あるが、このうち約1万カ所に今年下半期中に転落防止設備を設置する予定だ。
ソウル市は既に浸水が多かったり、逆流が発生したりする区間にロック機能がある特殊なマンホールふたを設置している。しかし、今回は1時間に100ミリメートル以上の豪雨となり、水圧によりマンホールのふたが外れて事故が発生した。
8日午後、ソウル市瑞草区瑞草洞では水圧に耐えきれずにマンホールのふたが外れ、その穴に50代の姉と40代の弟が転落、2人とも遺体で発見された。
(引用ここまで)
今回の豪雨は総降雨量が500ミリオーバーという激しいもので死者14人、行方不明5人、負傷者18人。
都市近郊への豪雨災害で、堤防の決壊等による広域の床上浸水がなかったのでこのていどで済んだ、という理解でよいかな。
半地下の住人や、水圧で開いたマンホールに落ちたという人もいました。
で、その対策としてソウル市がマンホールが外れてもいいようにネットを設置する……と。
うん、まあ。
なんだ。
ないよりはマシ……なのかなぁ。
どうやら増水しやすい場所にはボルトで固定しているタイプのマンホールが使われているらしいのですが。
それよりもなによりも「豪雨の際は外に出ない」が一番なんよね。
で、半地下住居に対してもソウル市のオ・セフン市長は「新規許可はしない。これまでの住居も10年かけて潰す」と言い出しているのですが。
その一方で国土交通部長官(国交相に相当)が「半地下も人が住んでいる場所だ」と言い出しまして。
ウォン・ヒリョン「地下階人住む場所」vsオ・セフン「地下階住宅空間禁止」(MBN・朝鮮語)
「脆弱階層の現実を知らない机上の政策だ」と。
まあ、「半地下に住んでいるから弱者」ではなく、弱者だからこそ半地下以外に行くところがない人がほとんどなわけで。
あえて半地下を選んで余剰を貯蓄・投資に廻すというような人もいるようですけどね。
セウォル号の時にも散々言ったのですが、事故・事件はそれぞれの社会の映し鏡になるのですよ。
ただ、韓国の場合はそれが過剰な感じがするのもまた確かですかね。
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