韓国経済新聞の取材を総合すれば、2日現在、韓国ガス公社のLNG備蓄量は総貯蔵容量(557万トン)の25%に過ぎない137万トンまで落ちた。2020年7月と2021年8月の総貯蔵容量対比備蓄量がそれぞれ79%と53%に達したことと比べても非常に低い水準だ。あるガス公社関係者は「LNG在庫は事実上、底を打った状態」として「今冬LNG不足による大災害が来る恐れがある」と話した。
こうした事態に直面しているのは、需要増加と供給不足が同時に重なった結果だ。 まず、今年の気温変動が予想より±1度大きくなり、国内電力需要が増加した。西側が、ウクライナに侵攻したロシアを制裁し、ロシアがこれに反発して欧州に対するガス供給を減らした点もガス公社のLNG導入難を加重させた。 (中略)
世界的なLNG供給難に韓国内電力需要の増加まで重なったのも一因だ。 ガス公社は今冬、ブラックアウト(大停電)を避けるため、大規模LNGの追加購入に乗り出す計画だ。 しかし、LNG価格がこの2年間で20倍以上、暴騰したうえ、従来ロシアからパイプラインを通じてガス供給を受けていた欧州まで、新しいLNG供給先に目を向けた。価格が高くなっても、韓国が望むだけLNGを確保できるかどうかは不透明だ。ロシアが欧州に向かうガスバルブを閉めたことで高まる今年の冬、世界的なLNG大乱の恐怖から韓国も自由ではないのだ。
(引用ここまで)
ムン・ジェイン政権は就任1ヶ月の2017年6月時点で「石炭火力と原子力発電を縮小し、それぞれ天然ガス、再生可能エネルギーで代替する」という方針を発表しました。
原発の発電シェアを30%台から少なくとも24%にする、と。
実際、現在の原発による発電シェアは27%ほどになっています。
そして最低賃金の急激な上昇も予告されていましたね。
どちらもあからさまに韓国企業の競争力を削ぎにきた政策で、中小企業からも「もう韓国で工場を操業するのは無理」と海外脱出を予告する声が出ていましたものです。
実際に韓国最古の企業であった京紡は不動産事業だけを韓国に残して、すべての工場施設をベトナムに運び出しています。
そうした方向性を持っていたムン・ジェイン政権は建設途中だった石炭火力まで「天然ガス火力に改装しろ」とかいって建設を邪魔してきたのです。
原発に関しては建設計画を遅滞させ、さらには「まだ経済性は充分にあります」との報告書を出した担当者に対して「おまえ死にたいのか」と大臣が叱責するなんてことも。
最終的には虚偽の報告書を作らせて月城原発1号機を廃炉に追いこんだことが知られています。
ムン・ジェイン政権のレガシーとして象徴化したかったのでしょうね。
……やっぱりろくなことやっちゃねえな。
で、そうして天然ガス火力を増やした結果、ウクライナ戦争による天然ガスの高騰もあって、もはや備蓄が冬季の10日分になってしまった。
冬になればブラックアウトの危機も充分にある……と。
日本は災害があったりなんだりで発電所にダメージが行ってブラックアウトも覚悟するシーンがこの春、夏とありましたが。
さぞかし韓国も発電所にダメージが行くような事態になったのでしょうね。
え、ないの?
ほら、こないだ水害があったじゃないですか。
それで発電所にダメージが……え、ないんだ。
単純に天然ガスの需要を見誤っただけ?
ああ、そうか。
じゃあ、しょうがないな。
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