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2022年07月

韓国メディア「ペロシパッシングで米韓関係は壊れない……けど、外交をまもとにできる人間がいないのでは」「同盟国と意思疎通できていないのでは」と韓国現政権の外交能力に疑問を投げかける

カテゴリ:米韓関係 コメント:(108)
【コラム】「天安門の城楼」と「ペロシ・パッシング」(朝鮮日報)
 今月4日に米国連邦議会のナンシー・ペロシ議長が来韓した際、韓国側から誰も出迎えなかったことが問題になると、韓国外交部(省に相当)は「立法府の外賓を迎える際には国会が対応する。行政府は関係がない」と説明した。この言葉は官僚主義的な責任逃れにしか聞こえない。儀典の指針は「従わなければ大変なことになる」といった絶対的な法則ではない。状況によって必要であれば柔軟性を持って対応できるものだ。ペロシ議長到着の際に台湾は外交部(省に相当)長官、日本は外務次官らが空港で出迎えた。台湾も日本も儀典について知らないからこんな対応をしたのではない。

 韓国の国会と大統領室は「米国側が空港での出迎えを遠慮した」「事前に了解を取り付けた」とも主張した。米国が韓国に対しては「出迎えは必要ない」といい、日本と台湾には「出迎えてほしい」と言うのはあり得ない。ところが韓国だけが誰も出迎えなかった。ある現職の官僚幹部は「プレゼントをもらう側が『そこまでしてもらうのは申し訳ない』と言ったので、韓国だけが『そうですか。ならあげません』と言ったような状況だ」と例えながら説明した。 (中略)

その後、大統領室はペロシ議長と会談しなかったことについて「国益を総体的に考慮した結果」と説明を変えたが、これは惨事レベルの失言だった。「休暇」という最初の理由とつじつまが合わないのはもちろん、戦略的に何か大きな考慮が行われたのであれば、「中国への配慮」以外にその理由が見当たらないからだ。大統領室は「中国に配慮したのではない」と後から弁解したが、今回の大統領室の対応を見て、誰もがかつて朴槿恵(パク・クンヘ)元大統領が自由主義陣営の首脳で唯一天安門の城楼に上ったことを思い起こしたはずだ。 (中略)

今回の件は「韓国の外交・安全保障のシステムはしっかりと機能しているのか」という懸念を呼び起こした。「コントロール・タワーが確固たる中心となり、これに従って現場の組織は一心不乱に動いているのか」「同盟国との意思疎通に問題はないのか」、さらには「韓国の外交に明確な方向性や原則はあるのか」などの懸念だ。ペロシ議長が韓国を後にした直後、中国は「礼儀正しい決定」と評価し、米国では官民双方からあまり良くない反応が相次いだ。これは本来意図した結果ではなかったはずだ。
(引用ここまで)


 いまだにペロシ議長を冷遇したことが、韓国メディアでは尾を引いてまして。
 まあ、あのあとに中国から褒めまくられたこともあってようやく自分たちのやったことに気がついた……という感じですかね。
 それらを総括するようなコラム、とでもいうべきかな。
 ペロシ議長を冷遇した韓国の現政権は、まるでにこにこと笑いながら習近平、プーチンと一緒に天安門に登ったパク・クネの姿と同じじゃ亡いか、と。

 おそらく、というレベルなのですが。
 ユン政権は自分たちの行動がアメリカへの裏切りであり、中国への圧倒的なおもねりであることに気がつかず動いていたと思われます。
 「直後に中韓外相会談があるから」と中国に配慮したのは間違いないところでしょうが。
 大統領継承順位で副大統領に次ぐ2位という地位にある下院議長を冷遇する、という意味を理解していないし。
 もはやそれを指摘できる人物は外交部にもいないし、大統領府にもいない。


 ペロシ議長が訪問した5つの国 ── シンガポール、マレーシア、台湾、韓国、日本のうち、政府関係者が空港にまで迎えに行かなかったのは韓国だけ。
 かつ、国の最高権力者に面会しなかったのも韓国だけ。

 シンガポールもマレーシアもアメリカ寄りの国かといったら必ずしもそういうわけではない。
 どちらかというと中国側に立つことも少なくない国ですが。
 それでも「アメリカの下院議長」を冷遇したりはしなかったわけですよ。

 韓国はアメリカと軍事条約を結んでいる国であるにも関わらず、こうして「国会議長なんて政府のカウンターパートではない」として扱ったわけで。
 いや、こうして書いてみるとわけわからんな。
 ムン・ジェイン政権がGSOMIA破棄宣言をしたくらいにわけがわからない。

 ……根本的に外交というものを理解していない、もしくは中国を過度に恐れすぎているという感じか。
 「中国の恐ろしさ」というものが、歴史的に肌感覚として刻みこまれているのですね。
 まあ、それにしてってここまで冷遇する意味ないけどね。

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韓国のユン大統領「日本が憂慮する主権問題の衝突なしに徴用工問題を解決したい」と語る……それでも懸念される事態とは?

 韓国の尹大統領「外交対立避け補償」 徴用工問題で(日経新聞)
韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は17日の記者会見で、日韓対立の原因になった元徴用工問題の具体的な解決案について言及した。「日本が憂慮する主権問題の衝突なしに原告が補償を受けられる方策を講じる」と話し、日本との外交対立を避けながら補償を推進する方針を示した。

日本企業の資産の現金化を避け、企業などが出資する基金や韓国政府が賠償を肩代わりする「代位弁済」を念頭に置いた発言とみられる。尹氏が記者会見でこうした具体案に言及するのは初めて。 (中略)

韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は17日の記者会見で、日韓対立の原因になった元徴用工問題の具体的な解決案について言及した。「日本が憂慮する主権問題の衝突なしに原告が補償を受けられる方策を講じる」と話し、日本との外交対立を避けながら補償を推進する方針を示した。 日本企業の資産の現金化を避け、企業などが出資する基金や韓国政府が賠償を肩代わりする「代位弁済」を念頭に置いた発言とみられる。尹氏が記者会見でこうした具体案に言及するのは初めて。
(引用ここまで)


 今回の発言で注目すべきは「主権問題の衝突なしに原告が補償を受けられる方策を講じる」という部分。
 日経はこれを「代位弁済を念頭に置いた発言」としています。
 実際の補償方法は不明ではあるものの、「韓国国内で完結させる」という意味合いの発言です。

 それに加えて19日ともされている大法院(最高裁に相当)の再抗告棄却を牽制している部分でもあるでしょうね。
 現在、方策を講じているのだから裁判所は黙っていろと。
 何度か書いているように、韓国の裁判所は原則として政権の言いなりなのでおそらくは再抗告に対して棄却ではなく審議続行を選択することでしょう。

 野党議員からも「いっスねそれー」くらいの軽い賛同が出てきてはいます。

韓国民主党の重鎮議員「尹大統領の強制徴用解決法、支持して助ける」(中央日報)

 以前に弁済案を提唱したイ・サンミン議員ですね。
 ただ、根本的な懸念がひとつありまして……。


 法的根拠をどうするのか、という部分です。
 ちょっと前に調べたかぎりでは大統領令ではどうにもできそうにない。
 かといって、野党から賛同を得られるかというと簡単ではない。

 イ・サンミン議員も「我が党の多数の議員は批判するだろう」と述べています。
 その一方で「私的に話せば弁済案に半数以上が共感する」とも言っているのですけどね。

 まあ、とりあえず大統領本人が「韓国国内で解決する」と言い出したことはよいことかな。
 イ・サンミン議員のインタビューを見るかぎりでは日本への求償権を握りつぶすつもりはないようですが。
 あ、それと「兄貴のような立場で日本の債務を代わりに返し……」って発言には苦笑。
 衛藤議員の発言、気にしているんですね(笑)。

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南大門復元事業で「伝統技法に則って復元」するはずがペンキと接着剤を使用……業者に10億ウォン以上の賠償金支払い命令

韓国国宝第1号の南大門、復元3カ月で明らかになったずさん工事…業者の賠償責任認める判決(中央日報)
16日の法曹界によると、ソウル中央地裁は10日、韓国政府がホン丹青匠と弟子のハンさんを相手取り起こした損害賠償請求訴訟で、原告に共同で9億4550万4000ウォン(約9610万円)と遅延損害金を支払うよう命じる判決を下した。

判決が確定すればホン丹青匠とハンさんは丹青工事が終わった2013年2月から年5%で計算した遅延損害金を加えた約14億ウォンを韓国政府に支払わなくてはならない。

国家無形文化財保有者だったホン丹青匠は2012年8月から2013年2月まで崇礼門の丹青復旧工事を担当し作業を進めた。

ホン丹青匠は伝統復元に自信があると文化財庁に明らかにしたが、伝統技法で丹青を修復した経験は1970年に師匠がする工事にしばらく参加したのがすべてだった。

ホン丹青匠は最初の1カ月ほどは天然顔料と伝統接着剤を使う伝統技法で作業を進めたが、色がうまく出ず、天気が冷え込むと伝統接着剤であるにかわがこびりついた。

そのためホン丹青匠とハンさんは工事期間を減らすために契約に反して化学接着剤(アクリルエマルジョン)と化学顔料を隠れて使った。彼らは監理を避けて主に明け方の時間帯に作業したとされる。

このように色が塗られた丹青は結局復旧して3カ月で剥げ落ちた。
(引用ここまで)


 韓国における国宝第1号である南大門が放火で焼失後、復元が試みられてきたのですが。
 その復元作業がとてつもなく拙いものであったというのは既報。
 どのくらいひどいか、楽韓Webでは現地レポートしてますのでそちらもごらんください→楽韓さん、韓国を行く:『伝統技法で再建された』南大門、想像以上の惨状だった

 んで放火で焼失した後、韓国政府は「伝統技法で再建する」との方針を固めたのですね。
 なので職人は作務衣風の「伝統着」を着て作業し、現地に炉を持ちこんで「伝統工具を再現する」とかいう真似事をさせる(実際にはなにも作ってない)。
 伝統瓦を使用する予定だったのだけども施工が面倒だという理由で普通の瓦を使用。
 監査委からそれを指摘されると「いまから窯を作って伝統瓦を作ります」とか言い出す。
 技法とか受け継がれていないっていう。


 現地レポートでばっきばきにひびが入っている柱等はロシア産の材木だったとの話
 要するになにもかもがダメだった、というのが結論です。

 なにもかもがこうなのだから、この職人ひとりに責を負わせるのも憐れな感じがしますけどね。
 ただまあ、この人も当初は「日本製の顔料を使ったから質が悪かったのだ」とか言い出してまして。
 実際には科学塗料でさっと塗装していただけというオチに終わったのですけども。

 南大門修復事業で分かったのは、韓国には伝統技法なんてなにも残っていないという悲惨な事実。
 からっぽなんですよ。

 監査の最終報告でも担当した公務員が大工長から賄賂を受け取って。
 賄賂代をまかなうために工事に使う予定だった金剛松を横流しして。
 材木はロシア産で充填。
 技術も未熟。政府からは「早く工事を終わらせろ」と圧力。
 放火そのものからこっち、すべてが「韓国」とでもいうべき事件でしたわ。

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