今月4日に米国連邦議会のナンシー・ペロシ議長が来韓した際、韓国側から誰も出迎えなかったことが問題になると、韓国外交部(省に相当)は「立法府の外賓を迎える際には国会が対応する。行政府は関係がない」と説明した。この言葉は官僚主義的な責任逃れにしか聞こえない。儀典の指針は「従わなければ大変なことになる」といった絶対的な法則ではない。状況によって必要であれば柔軟性を持って対応できるものだ。ペロシ議長到着の際に台湾は外交部(省に相当)長官、日本は外務次官らが空港で出迎えた。台湾も日本も儀典について知らないからこんな対応をしたのではない。
韓国の国会と大統領室は「米国側が空港での出迎えを遠慮した」「事前に了解を取り付けた」とも主張した。米国が韓国に対しては「出迎えは必要ない」といい、日本と台湾には「出迎えてほしい」と言うのはあり得ない。ところが韓国だけが誰も出迎えなかった。ある現職の官僚幹部は「プレゼントをもらう側が『そこまでしてもらうのは申し訳ない』と言ったので、韓国だけが『そうですか。ならあげません』と言ったような状況だ」と例えながら説明した。 (中略)
その後、大統領室はペロシ議長と会談しなかったことについて「国益を総体的に考慮した結果」と説明を変えたが、これは惨事レベルの失言だった。「休暇」という最初の理由とつじつまが合わないのはもちろん、戦略的に何か大きな考慮が行われたのであれば、「中国への配慮」以外にその理由が見当たらないからだ。大統領室は「中国に配慮したのではない」と後から弁解したが、今回の大統領室の対応を見て、誰もがかつて朴槿恵(パク・クンヘ)元大統領が自由主義陣営の首脳で唯一天安門の城楼に上ったことを思い起こしたはずだ。 (中略)
今回の件は「韓国の外交・安全保障のシステムはしっかりと機能しているのか」という懸念を呼び起こした。「コントロール・タワーが確固たる中心となり、これに従って現場の組織は一心不乱に動いているのか」「同盟国との意思疎通に問題はないのか」、さらには「韓国の外交に明確な方向性や原則はあるのか」などの懸念だ。ペロシ議長が韓国を後にした直後、中国は「礼儀正しい決定」と評価し、米国では官民双方からあまり良くない反応が相次いだ。これは本来意図した結果ではなかったはずだ。
(引用ここまで)
いまだにペロシ議長を冷遇したことが、韓国メディアでは尾を引いてまして。
まあ、あのあとに中国から褒めまくられたこともあってようやく自分たちのやったことに気がついた……という感じですかね。
それらを総括するようなコラム、とでもいうべきかな。
ペロシ議長を冷遇した韓国の現政権は、まるでにこにこと笑いながら習近平、プーチンと一緒に天安門に登ったパク・クネの姿と同じじゃ亡いか、と。
おそらく、というレベルなのですが。
ユン政権は自分たちの行動がアメリカへの裏切りであり、中国への圧倒的なおもねりであることに気がつかず動いていたと思われます。
「直後に中韓外相会談があるから」と中国に配慮したのは間違いないところでしょうが。
大統領継承順位で副大統領に次ぐ2位という地位にある下院議長を冷遇する、という意味を理解していないし。
もはやそれを指摘できる人物は外交部にもいないし、大統領府にもいない。
ペロシ議長が訪問した5つの国 ── シンガポール、マレーシア、台湾、韓国、日本のうち、政府関係者が空港にまで迎えに行かなかったのは韓国だけ。
かつ、国の最高権力者に面会しなかったのも韓国だけ。
シンガポールもマレーシアもアメリカ寄りの国かといったら必ずしもそういうわけではない。
どちらかというと中国側に立つことも少なくない国ですが。
それでも「アメリカの下院議長」を冷遇したりはしなかったわけですよ。
韓国はアメリカと軍事条約を結んでいる国であるにも関わらず、こうして「国会議長なんて政府のカウンターパートではない」として扱ったわけで。
いや、こうして書いてみるとわけわからんな。
ムン・ジェイン政権がGSOMIA破棄宣言をしたくらいにわけがわからない。
……根本的に外交というものを理解していない、もしくは中国を過度に恐れすぎているという感じか。
「中国の恐ろしさ」というものが、歴史的に肌感覚として刻みこまれているのですね。
まあ、それにしてってここまで冷遇する意味ないけどね。
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