韓国の出生児数が昨年26万人台まで落ちた。前年度より減少幅はやや鈍化したが、持続的な下落傾向に反騰はなかった。
10年の間、なんと23万人近く減ったことで、合計出産率も0.8人台(0.81人)を近くに維持したが、歴代最低値を1年ぶりにまた変えた。経済協力開発機構(OECD)加盟国の平均である1.59人の半分水準に過ぎない圧倒的な最下位だ。 (中略)
1970年100万人(100万7000人)を超えた年間出生児数は、登落を重ねながらも継続的に下落し、2001年には50万人(56万人)台に減った。
以後、2002年から2016年までの15年間で40万人台を維持したが、2017年に30万人台に落ちた後、わずか3年ぶりの2020年には20万人台に落ち着いた。今のような下落傾向であれば、2~3年内に20万人台すら維持できない可能性が高い。
(引用ここまで)
楽韓Webで何度か書いていますが、人口動態というのは未来予測の中でもっとも確度の高いものとして知られています。
誕生と死亡、そして移民の流入・流出と扱うべきパラメーターが少ないからなのですが。
韓国はそうした「確度の高い未来予測」ですらぶち破るほどに出産数が落ちています。
日本は1970年に高齢化社会、1994年に高齢社会になり、2007年には超高齢社会になりました。
高齢化社会、高齢社会と超高齢社会はそれぞれ65歳以上の高齢者割合が7パーセント、14パーセント、21パーセントを超えた場合に呼ばれるようになります。
当時、日本は「高齢化社会から超高齢社会までを36年で駆け抜けた」として話題になったのですが。
韓国はわずか24年で駆け抜けようとしています。
「超高齢社会」25年に到来 最速ペースで、経済の土台揺らぐ(NNA)
2025年には人口の21%が65歳以上になろうとしているのですね。
要するに「高齢者はなかなか死なず、新生児は生まれない」という構造が固定したことによって一気に駆け抜けたと。
先進国では合計特殊出生率は1.3〜1.6くらいになることが普通です。
あれだけ移民の多いアメリカですら下落傾向で、去年は1.66とどうにか微増したていど。
OECDの平均は1.59。
ところが韓国の合計特殊出生率は0.81で今年、0.8すら割りこむのではないかとされています。
というかすでに今年の第2四半期は0.75でした。
韓国の出生数の傾向は年末に行くにしたがって低くなるのでまず間違いなく0.8を割ってくるでしょうね。
ちなみになぜ年末が低いかというと、学年の区切りが1月だから。
子供に勉強や体育で少しでも有利にさせてやりたいという気分から1月生まれが多くなるのだそうですよ。
OECDの平均とここまで乖離している理由は経済問題がきついから、でしょうね。
引用外ですが特にソウルが低く(0.63)、全体を押し下げていることが分かります。ついで大邱、仁川、釜山も低いそうです。
つまり、仕事が多いはずの都市部では子育ては無理だと韓国人の多くが判断しているのでしょうね。
ちなみにもっとも合計特殊出生率が高いのは世宗市の1.28人。
世宗市は公務員が多いことから経済的に安定しているため……という理由が見えてきます。
なんというか……きつい社会だわ。
本当に「韓国人に生まれなくてよかった」ってヤツですね。
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