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2022年07月

韓国政府、最大15億ウォンまで自営業者の借金を棒引きへ……まーた徳政令、と思いきや実はこの動きは……

カテゴリ:経済 コメント:(77)
韓国、「1人最大15億ウォン」自営業者40万人の債務を一部免除(ハンギョレ)
 負債を抱える332万人の自営業者の12%に当たる最大40万人の債務者の債務を調整する新たな出発基金が、韓国で10月にスタートする。低信用者、長・短期延滞者などの脆弱な債務者に1人当たり15億ウォン(約1億5400万円)を限度として利子の引き下げ、長期分割返済、元金の減額などを行う。60~90%の元金の減額は、全体の3%(約11万人)の「信用不良者(借金が返せなくなった人)」にのみ5億ウォン(約5120万円)を限度として限定的に行われる。保守政権で借金の減免が行われるのは異例のことだ。それだけ新型コロナウイルス禍にともなう自営業の負債が韓国経済の大きな雷管になっているということだ。 (中略)

 不良債務者は90日以上の長期にわたって延滞している信用不良者で、60~90%の元金減額が行われる。ただし財産を超過する過剰な純負債(負債-財産)のみ減額が可能で、無担保信用融資のみが対象になるため、限度は5億ウォン以内に制限される。そのため、不良債務者であるにもかかわらず元金減額基準に適合しなければ、利子引き下げと長期分割返済だけが実施される。
(引用ここまで)


 はいはい、徳政令徳政令。
 とか言えないレベルの減免ですね。
 最大15億ウォン。ひとりあたり。
 それを最大40万人。

 不動産でやばげな動きがすでに出ていることを先日お知らせしましたが。
 それと同じ文脈の話ですね、これ。
 韓国政府がもっとも恐れているのは家計債務の崩壊、不良債権です。
 それでなくとも韓国の家計債務は世界一のレベル。GDPを超える債務を持つ唯一の国です。
 よく日本の国債に対して「国の借金がひとりあたり○○万円に!」みたいな話をしますが、あれは虚偽であることはよく知られています。
 実際には国債は国民の持つ債権ですからね。

 ですが、家計債務はガチの「国民の借金」でしかない。
 もちろん、それで設備投資をする等であればよいですが。
 コロナ禍で自営業が苦しいのはどこも同じ。


 というわけで、自営業者保護に見えますがこれは実際には金融機関の保護なのです。
 不良債権となるであろう自営業者の借金を棒引くことで、あらかじめ危険性を減じておく。
 「韓国の金融機関は健全ですよ」「いざとなったら韓国政府がケツを持ちますよ」というアピールなのですね。

 逆にいえばそこまでしないと危険だという水域に達しているということでもあります。
 保守政権ではあまりこうした徳政令的な動きは出ないのがこれまでの韓国の伝統だったのです。まったくないというわけではないですが、任期中に1回とかそういうレベル。
 逆にノ・ムヒョン政権、ムン・ジェイン政権ではスナック感覚で出ていたのですけどね。

 さて、そうした環境に慣れた人々がどうなるかというと「どうせ減免されるから好き勝手に借金してやれや!」ってモラルハザード。
 あと「あいつは減免対象になったのになんで俺はならないんだ」っていうクレーマー爆誕。
 どっちもモラルハザードだけど。
 まあ、韓国名物としてしまえばいいんじゃないでしょうかね。え、もうなってるんですか?

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韓国大学教授「韓国の外貨準備高の水準が低すぎてヤバイ」「解決策は米韓、日韓の通貨スワップ協定を結ぶことだ」……めげないねぇ

「為替レート1350ウォン、外国為替危機信号…韓米通貨スワップ締結時給」…世宗大キム・デジョン教授論文(ニューシス・朝鮮語)
世宗大学のキム・デジョン経営学部教授が去る10日オーストリア、ウィーンで開催された国際学術大会で「米国ドル返還と新興国外為保有高研究」に関する論文を発表した。キム教授は論文を通じて「為替レート1350ウォンの急騰と外国為替危機の再発防止のため、ユン・ソクヨル政府の韓米・韓日通貨スワップ締結が最も緊急だ」と主張した。
彼は「29日の為替レート1350ウォン上昇が外国為替危機の信号だ。政府が急いで備えなければ、来年は1500ウォンまで上昇するだろう」と話した。

金教授は「外国為替危機は繰り返し起こり、韓国が国家不渡りを再度当てれば企業70%が破産する困難を経験するため、政府がしなければならない最も重要な業務は国家不渡りを防ぐことだ。米国はインフレ2%目標で基準金利を5%まで上げる。新興国の30%が破産する。政府は2008年のように韓米と韓日通貨スワップを締結して2つの防御幕を準備せよ」と提言した。 (中略)

キム・デジョン教授は「2022年7月末に外国為替保有/ GDP比率では、韓国は27%と最も低い。スイス129%、香港129%、台湾91%、サウジ61%だ。97年の外国為替危機の時、台湾は十分な外国為替保有高で国家部も危機がなかった。スイス、香港、台湾、サウジ、ロシアはGDPが韓国より小さいが、外国為替保有額が多い。外国為替保有高は経済規模が大きくなると当然毎月増加する。絶対額基準ではなく、GDP対比率で見るのが合理的だ」と指摘した。
彼は「2008年金融危機の時、為替相場が1600ウォンまで上昇しており、当時政府の強力な要請で韓米通貨スワップが締結された。その時は、韓日通貨スワップ700億ドルもあった」、「ユン・ソクヨル政府の最も重要な政策は、通貨危機再発を防ぐことだ。代案は、韓米・韓日通貨スワップ締結、外国為替準備高を二倍に拡大にすること」と主張した。 (中略)

「政府は、韓米関係が修復されたため、韓米通貨スワップを強く要請しなければならない。韓米・韓日通貨スワップの再開に金融危機を克服すべきだ」と提言した。
(引用ここまで・太字引用者)


 韓国の世宗大学教授が「韓国の外貨準備高は充分だというが、GDP比で見ると低調だ」という真実をついてしまう指摘をした……とのニュース。
 あ、ついにここに気がついてしまう人が出てきたか。
 外貨準備高というのはなんらかの形でショックに見舞われた際の最後の砦、セーフハウスのはずなのですが。
 国の大きさに対して韓国の「砦の大きさ」が小さすぎる、という指摘ですね。

 以前から真水はどのくらいあるのだ、という話はさんざんされてきたのですよ。
 特にアメリカ国債の少なさはあまりにも特徴的で、最新の数字でも日本の1/10以下、台湾の半分ちょい
 かなり前から「フレディマック、ファニーメイに突っこんで塩漬けにして動けなくなっているのではないか」ともされていました。
 相対的に額が少なすぎ、かつその内容も貧弱ではないのか……と。


 で、その解決策として米韓、日韓の通貨スワップ協定を結ぶべきだ……と。
 うーん、この。

 5月のバイデン大統領の訪韓、7月のイエレン財務長官の訪韓。
 どちらも「米韓通貨スワップ協定が大きな議題になる」とされていましたね。

 たとえばバイデン大統領の訪韓時には「日本よりも先に訪韓だ。韓国の大きさが通じたのだ。これで日本のような常設の通貨スワップ協定が決められる」と大騒ぎ。
 実際にはネズミ1匹も出てこないような成果でした。というか大山鳴動すらしなかったっていう。
 その直後に「後回しにされた」はずの訪日でIPEFの発表と、日本の国連安保理事国入りへの賛同と大きなニュース連発でしょぼくれてましたね。

 2ヶ月後のイエレン財務長官の訪韓でも「IPEFに参加したのだからその代価を得るべきだ」とかいう言い分で通貨スワップ協定が結ばれるべきだとの話が無数に韓国メディアから出ていましたが。
 「為替についてはお互いに注視しましょうね」という毒にも薬にもならない言葉をかけられておしまい。

 くじけないなぁ……というか。
 現在の国際情勢、正直なにが起きても不思議じゃありません。そのきな臭さを敏感な人たちは嗅ぎ取っているのでしょうね。
 現状の韓国では外貨準備高しか盾がない。
 通貨スワップ協定はいくつかあっても中国やカナダが相手ではほぼ意味がない。
 そうしたことを理解できている人たちから見れば、「本当に頼む!」くらいの気分なんでしょう。

 あ、日韓通貨スワップ協定は無理筋です。
 なにをどうすれば日本側からそんな言葉が出てくるのかすらも不明。
 ま、韓国は韓国で。日本は日本で。
 それぞれがんばりましょう。それぞれ。

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韓国裁判所の「三菱重工の資産現金化」への判断、今週が山場との見方も……韓国政府にできることは?

日本企業の韓国内資産現金化、運命の1週間…韓国外交部、裁判所決定後への備え(中央日報)
強制動員被害賠償を拒否してきた日本戦犯企業に対する韓国最高裁の決定が迫っている。

法的手続き速度が最も速い三菱重工業強○動員被害者の商標権・特許権特別現金化命令事件を審理している最高裁3部主審の金哉衡(キム・ジェヒョン)最高裁判事が来月4日に退任する予定だ。19日までだった「審理不続行」決定期限を越えて正式決定することになったが、長時間審理した事件であるだけに金最高裁判事の退任前に決定が出る可能性が高いとする見方が多い。最高裁判所2部〔主審=李東遠(イ・ドンウォン)最高裁判事〕に係留中の事件も争点が同じであるため、同時期に結論が出る可能性も言及されている。

最高裁が原告の三菱重工業の再抗告を棄却すれば、韓国内の資産売却による現金化手続きが開始される。日本の激しい反発を鑑み、両国関係は破局に突き進む可能性もある。 (中略)

政府は先月から3度にわたり官民協議会を開き、被害者側の関係者や学界、法曹界などの関係者の意見を集めた。その後は、一部の被害者側の関係者らが協議会を拒否し、協議は開かれていない。外交部当局者は「意見収集・傾聴と説得・説明する努力が続くだろう」と述べた。同時に、政府は日本側に官民協議会の意見収集など政府の努力を説明し、韓日外相会談などでは日本側の「誠意ある対応」を求めてきた。
(引用ここまで・伏せ字引用者)


 中央日報は「現金化の審理について、大法官(最高裁裁判官に相当)が退任を迎える4日までには決着するだろう」との見方。
 そうではなく、すでに審理が続行されるという選択が取られた以上は大法官の任期に関係なく引き継がれることだろうとの見方も多数あります。

 どちらにせよ、現金化を阻止するのは難しいだろうとは思われます。
 というのは、すでに「三菱重工は賠償せよ」との判決は確定してしまっている。
 いわば、「賠償金を受け取るのは原告の権利」なのですね。
 いまやっているのはその手段をどうするか、でしかない。

 大元が奇妙奇天烈な判決であったとしても、もはや裁判所にはそれを覆す手段がないのです。


 高裁に差し戻すことも難しいし、現金化は無理との判断もできないでしょう。
 最大に引き延ばすことができても数ヶ月単位。
 場合によっては9月の早いうちに判断が出てもおかしくはない。
 とはいえ、日本は「一貫した立場」を崩すわけにもいかない。
 ここで外交的な原則を崩したら「日本からはいちゃもんをつけていくらでもむしっていい」という話になるわけで。
 「戦後秩序の堅持」を標榜する日本がそれを是認することはない。

 つまり、現金化が現実のものとなれば間違いなく日本における韓国政府の資産に手をつけざるを得ない。
 すでに日本政府による韓国政府資産のリストアップすら終わっている可能性がある。  報復の応酬なんてこともあり得ます。

 最近になってようやく韓国側にボールがあることを認識させることには成功しましたが。
 とはいえ韓国政府ができることはなにか、と問われると。
 基金案は原告側が参加しなければ意味がない。
 代位弁済も原告の参加を強制することは法的に難しい。
 手詰まりなんだよなぁ。

 これらの案を認めなければ国際司法裁判所等の国際法廷に案件を持っていく、というやりかたくらいか。
 国内からの非難、特に左派からの非難を受けてもこうするくらいしか残された手はないように見えますが。

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