文在寅政権の「非正規職ゼロ政策」、非正規職を大幅に増やす結果に(朝鮮日報)
企業が正社員ではない派遣社員や委託社員など非正規雇用や短期間の契約労働者を大きく増やしていたことが調査によって明らかになった。安定した仕事が減り、不安定な仕事ばかりが増えたということだ。調査の開始時期が今年3月末だったため、前政権の「非正規職ゼロ政策」や「最低賃金引き上げ」などいわゆる「所得主導成長」の効果は事実上ほぼなく、雇用市場にマイナスの影響を及ぼしただけで終わったことが分かる。
韓国雇用労働部(省に相当)が25日に発表した「2022年度雇用形態公示結果」によると、従業員300人以上の企業におけるいわゆる「所属外労働者」の割合は今年3月末時点で17.9%だった。これは昨年の同じ調査に比べて0.5ポイント高く、実際に増加した人の数は7万1000人に達した。雇用労働部は2014年から関連する統計調査を開始したが、0.5ポイントの増加幅はこれまでで最も大きい。「所属外労働者」とはその企業内で働く派遣社員、委託社員、社内下請けなどの形態で働く人のことで、一般的に言う「非正規雇用」「間接雇用」を意味する。
これ以外にも企業に所属はしているが、同じく非正規雇用となる期間工や期間従業員(契約職・臨時職)の割合も2019年には18.2%にまで下がったが、その後は継続して増加し今年は20.1%を記録した。これも調査が始まって以来最大の上げ幅だ。さらに同じ非正規雇用の短時間労働者(パートタイマーなど労働時間が週40時間未満)の割合も全体で5.6%とこれも過去最大を記録した。企業の規模が大きいほどこの傾向は顕著で、一般的に大企業と呼ばれる従業員1000人以上の企業では所属外労働者(派遣、委託、下請けなど)の割合が20.3%だった。これは従業員300人以上の企業全体における割合(17.9%)よりも高かった。
今回の調査で労働者数全体は2014年以来増加を続けていることも分かった。ただし正規雇用よりも非正規雇用と呼ばれる仕事の増加幅がはるかに高いことが問題だ。前政権は「非正規職ゼロ」と呼ばれる構想を掲げ、公共分野の雇用構造を変えてこれを民間に広げようとしたが、結果的に失敗に終わったわけだ。
(引用ここまで)
ムン・ジェイン政権の成績表とでも呼ぶべき数字が続々と明らかにされていますね。
今回は非正規雇用についての話。
ムン・ジェイン本人が「非正規雇用ゼロを目指す!」としていたのはよく知られています。
ムン・ジェインの大統領としての現場視察の一発目は「非正規雇用の温床」とまでされた仁川国際空港でした。
その後、仁川国際空港の非正規雇用はゼロになったのですが、そのカラクリは後ほど。
一応、従業員300人以上の企業では2017年の19.5%から2019年には18.2%と非正規雇用の割合は減少したのですが。
今年3月の時点では20.1%と却って増加。
まあ、コロナ禍もあるので一概にムン・ジェイン政権の責任とはいえないように見えるのですが……。
そもそも下落した理由がこちらでして。
文在寅政権下の公共機関で行われた「形だけの正社員化」(朝鮮日報)
非正規雇用ゼロ政策は文前大統領による「1号指示」だった。文前大統領は就任3日目の2017年5月12日に仁川国際空港を訪れ「公共部門の非正規雇用ゼロ時代を切り開く」と宣言した。その後は中央部処(省庁)や地方自治体、公共機関、公企業、教育機関など公共部門853カ所に所属する非正規雇用41万5600人のうち、正規雇用とほぼ変わらない常時型・持続型業務を担当する20万3000人を正規雇用に転換する計画を発表し、実際に19万8000人(97.4%)が昨年末までに正規雇用となった。正規雇用への転換を強く推し進めた結果、公共機関の定員も大幅に増え、2016年末に32万8000人だった定員は昨年末には44万3000人と35%の大幅増を記録した。
しかし正規雇用への実質的な転換効果は低く、数字を増やすことだけに集中したとの指摘も相次いでいる。例えば空港のセキュリティーや保安検査などの場合、協力会社の社員を無理に正規雇用とするため子会社を立ち上げて採用するか、本社に採用する場合でも多くを無期契約雇用の形にした。これは単なる見せかけに過ぎなかったということだ。
(引用ここまで)
「非正規雇用にしました」というだけのための会社を設立し、これまでの非正規と変わらない賃金、扱いでの正社員としたのでした。
これだけで約20万人が「正規雇用」になったのでした。あるいは無期契約雇用。
韓国の賃金労働者はだいたい2000万人とされています。
つまり、非正規雇用は1.3%減っていたのですが、そのうち公企業だけで1%ほどの数字を引き下げることができていた……というわけですね。
最低賃金上昇でのアルバイト減少と同様、どこであろうともない袖は振れないのです。
ムン・ジェイン政権のやってきたことって基本的に数字のつじつま合わせくらいなんですよね。
雇用情勢も「
高齢者を一気に雇えばマイナスになりそうな前年同月比の雇用者数をごまかすことができる!」くらいのものでした。
「
去年、コロナ禍であっても雇用者数は増えた」と誇らしげに発表したのですが、そのうち90%は高齢者雇用だったというオチとかもありましたね。
さらにコロナ禍では高齢者雇用を
「休職」扱いにして給料は払わないけども失業率を上げさせないなんてことまでやってました。
ちらと聞いた話では日本人の奥さんが「パートでも探そうか」として日本でいうところのハローワークにあたる雇用センターに相談に行ったら、「いや、なにも職はない」と追い返されたというものがありまして。
これ、相談を受けてしまうと「就職の意思があるけども、就職できなかった」として失業率を上昇させてしまうので追い返しているのではないかと思われます。
いやしかし、ムン・ジェイン政権は笑ってしまうほどに経済オンチでしたね。
「おまえ、いったいなんだったらできるんだ?」って言いたくなるような政権でしたわ。
ムン・ジェインは
自称「雇用大統領」で、大統領執務室にはリアルタイムで雇用情勢を見ることができるパネルが設置されていたとのことですが。
そのパネル、どこに行ったんでしょうね……。
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