政府の相次ぐ市場介入発言にもウォンドルレートの上昇基調は歯止めがかからない。 さらに、ユン・ソクヨル大統領まで為替安定を直接言及したが、市場にはこのような「口先介入」が全く効かない姿だ。 専門家たちの間ではもう一度通貨スワップの必要性が取り上げられている。 (中略)
今年になってから外国為替当局が出した公式的な口頭介入だけ5回にもなる。
問題は政府の警告が、市場にまったく受け入れられていないという点だ。 これは金融当局が為替レートの防御よりは外貨保有高の安定的運営をより重視するためでもある。 さらに、貿易収支までの累積赤字を積んでいくのため、ウォン・ドル為替相場を反転させることがカードが不足した状況だ。 (中略)
政府の口先介入が市場に受け入れられない理由は、ドル高が、投機勢力によるものではなく、米国の強力な緊縮政策が原因だからだ。
ペク・ソクヒョン、新韓銀行研究員は「当局の口頭介入にもかかわらず、ウォン・ドルレートが高止まりしたままなのは、投機勢力のためというよりは米国緊縮影響が最も大きいと言える」、「ウォンのドル相場がウォン元やウォンユーロ、ウォン円など他の通話と同様に下落しただけに、投機勢力がウォンだけを攻撃したと見ることはできない」と分析した。
(引用ここまで)
何度か書いていますが、韓国にとってはウォン安だけであればそれほど怖い要因ではないのですよ。
むしろこれまであったように、ウォンが独歩安であれば一気に輸出競争力を増強することができる。
リーマンショックでは対ドルレートでウォンの価値はほぼ半分になりました。
1ドルが900ウォンを割りこもうとしていたところが、一気に1600ウォンにまでなったのですよ。
さすがに想定外だったなぁ……あれで一気に韓国企業が息を吹き返しましたね。
ただ、今回はそうした独歩安ではない。
対ドルですべての通貨が下げている。
それだけならばまあ、取り立てて困ることもいいこともない。
ただ問題はアメリカの利上げに追随しないとキャピタルフライトを起こすこと。
通貨としてのウォンに魅力が薄れてしまうと、大挙してドルに資本が逃避してしまう。
なので韓国はアメリカの利上げに追随しなければならない。
ただ、利上げをしてしまうと不動産爆弾が炸裂してしまう。
……というか、もうだいぶ危険。
墜落する住宅価格に買収心理も凍りつく… ソウルのマンション購入心理3年2ヶ月ぶり最低(毎日経済・朝鮮語)
ソウルのマンションはついに江南まで価格下落が及んでいるとの話。
「江南圏なのに7億下げても売れない?」購買意欲の回復はしばらく難しい模様(世界日報・朝鮮語)
26億ウォンで取引されていた江南のマンションが20億ウォンになった、と。
84平米のマンションが26億ウォンもすごいけど、それが20億ウォンでもろくに売れないっていうのも……。
まあ、そういうわけで最終的には「米韓、日韓通貨スワップ協定を結ぶのだ」といういつものオチにつながるのですが。
ここまでやってもらえなかったものが、どうしたら締結してもらえるんでしょうかね……。
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