半地下を脱するのにいくらが必要か、何故去るのが大変なのかギェ・ヒョンウ記者が現場取材しました。 (中略)
68歳のイ・ブテク氏は、聴覚障害のある妻と一緒に20平方メートルの地下の家に住んでいます。 カビの臭いに苦しんでいて、家の外にあるトイレも大変ですが、去ることはできません。
チェヒョスン・イブテク(ソウル衿川区)「外のトイレに行って、何回か骨が折れたことがあります。倒れてしまって。(地上へ行きたいです。行けない理由は第一に、お金のために行けないのです)」
基礎生活受給費130万ウォンで、一ヶ月を生活するには、家賃15万ウォンのこの半地下の家の他に代案がありません。 同じ建物の地上階に行くためには、保証金は5倍、家賃は2倍を払わなければなりません。
近くの不動産/音声変調「(そこは)最下位なんです。地上階は(保証金)500万ウォンに(家賃)30万ウォンほど必要です」 (中略)
ソウルで半地下を脱するのに負担が最も大きな保証金はどれくらい必要か。
人口住宅総調査資料で確認してみました。
半地下の世帯と面積が似たような多世帯住宅の地上階のチョンセ保証金は1億7800マンウォン、地下層より1億ウォン以上高いです。
LHなど公共機関から最大1億2千万ウォンの支援を受けられるが、年2%台の利子は払わなければなりません。 さらに半地下の世帯の40%近くは本人や配偶者の所得がありません。
チェ・ウニョン/韓国都市研究所長「ソウルは賃貸料が高すぎるので、1億2,000万ウォンを借りたところで住める場所は地下であることが30%以上です」
半地下住宅は減っているが、脆弱階層は依然として半地下を探します。
(引用ここまで)
先日のソウルに起きた水害で半地下の家族らが犠牲になりました。
ソウル市は今後、半地下を住居として作らせることを禁止し、さらに10年という時間をかけてですが住居としての半地下そのものを禁止していく意向だ……との発表を行いました。
まあ、ソウル市の意向自体はよく理解できるものなのですが。
そこに住んでいる人たちはどうすればいいのか、という問題はあるのですよ。
彼らも「半地下という住環境に住みたくて住んでいる」わけではない。
それ以外に住める場所がないからそこに住んでいるというだけで。
同じくKBSの報道によると半地下、地下住居に住む人々は高齢者・一人暮らし・障害者の割合が高いそうです。
60万人が地下に住む… 「高齢・一人・障害者」の割合が高く(KBS・朝鮮語)
先の水害で亡くなられたのも障害者、高齢者を抱える家庭でしたね。
実際には全国で60万人近くが半地下・地下に住み、ソウルでは20万世帯で35万5000人。25人にひとりが地下に住んでいるっていう。
しかも、その多くが脆弱層。
地上階に住みたくても、とてもじゃないけども懐事情が許さない。
なんていうかこう、ディストピアだなぁ。
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