21日、ソウル外国為替市場でウォン・ドル為替レートは前日より4.7ウォン上がった1,394.2ウォンに締め切った。為替レートは米国の緊縮が加速するという懸念にドルが強勢を見せて6月1,300ウォンを突破した後約3か月ぶりに100ウォン近く走った。最近、外国為替当局もドルを売却する実介入に乗り出すなど、1,400ウォン阻止のための総力戦に突入したが上昇カーブを破ることはできなかった。
これに韓米通貨スワップ締結が緊急だという指摘が大きくなっている。 (中略)
韓米通貨スワップの実効性に対する懐疑的な視点も存在する。米国と常設通貨スワップを結んだイギリスやユーロ圏、日本などでもドルが強勢を見せているため、通貨スワップが万病薬にはならないとのことだ。イ・チャンヨン韓国銀行総裁も「韓国の通貨価値だけが下落する状況ではない」とし「韓米通貨スワップが強ドルの勢いを防ぐことができるというのは誤解」と話した。
(引用ここまで)
FRBが政策金利を予想通りに0.75ポイント引き上げて、現在のアメリカの政策金利は3.0〜3.25%となりました。
現在の韓国の政策金利は2.5%で最低でも0.5%の差をつけられた状況。
先日も語りましたが、韓国は「家計債務がGDPを超えている」かつ、「不動産ローンの7割以上が変動金利を選択している」という事情からこれ以上の金利上昇は厳しいところがあります。
投資ファンドはそのあたりの韓国における独自事情を理解して「もう利上げは厳しい」と判断して攻勢をかけている、といった話もすでに出てますね。
で、これ以上のウォン安を防衛するための最後の盾として通貨スワップ協定が期待されているわけです。
「48秒の米韓首脳会談で通貨スワップ協定をお願いした」なんて話をするほどに求めているのですよ。
ただ、韓国国内からは「通貨スワップ協定が締結できたとしても効果はないのではないのだろうか」との声もぽちぽち上がってきています。
まあ、アメリカと常設スワップ協定を結んでいる日本、イギリス、ユーロ圏、スイスなんかも対ドルでがんがん安くなっているのでそう思うのでしょうけども。
実際問題、あるとないとじゃ大違いですからね?
利上げをミリほどもしない日本の円がウォンとさほど変わらないくらいしか下がっていないのも「いざとなったら日本は襲いかかってくる」くらいに認識されているからでしょうしね。
日本が締結しているドル円スワップは無期限、無制限ですから。
まあ、それでもそれを原資に介入するなんてことはできはしませんが。
先日、韓国の聯合ニュースが「今週中にもアメリカとの通貨スワップ協定が締結される」というデマを流して、韓国銀行がそれを即座に否定するなんて茶番劇があったのですが。
韓国中銀、米FRBとの新たな通貨スワップ協定巡る報道否定(ロイター)
こうした幻を見るほどに通貨スワップ協定を欲しているのだなぁ……というわけです。
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