韓国銀行(中央銀行)の李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁は26日、国会企画財政委員会の全体会議で、米国と通貨交換(スワップ)協定の締結を推進しているのかについて、「米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が話しているように『情報交換』があるということはお伝えできる状況」と説明した。
李氏は「FRBには通貨スワップ(締結のための)内部基準がある。グローバルドル市場で流動性不足の問題がある時、それ(スワップ)を検討することになっている。2度の(韓米間の)通貨スワップも、わが国とだけ締結したのではなく、ドルの流動性が足りない時、9カ国と同時に締結した。FRBが(ドルの流動性など条件が合っているか)モニタリングしている」と述べた。 (中略)
また李氏は、現時点では通貨スワップは必要ない状況だが、不安な国民がスワップ協定締結を求めているとし、「FRBの(通貨スワップ締結の)前提条件に合っている時に協議するのは良いが、まるで韓国に何か問題があるかのように(条件に合っていない時期に)協定締結を求めれば、かえって副作用があり、低姿勢になりかねない」と強調した。
(引用ここまで)
韓国銀行の総裁が「米韓通貨スワップ協定は必要ない」「国民は不安だとして要求しているが、痛くもない腹を探られることになる」「FRBと情報交換はしている」と市場を牽制するような発言をしています。
正直、微妙なラインをついてきた発言ではあるのですよ。
ロイター通信はこの一連の発言について「通貨スワップがあるほうがよい」と報道しています。
韓国中銀総裁、FRBとの通貨スワップ「あるのは良いこと」(ロイター)
それくらい、どちらともとれるようなレベルでの発言だったということでしょう。
そして韓国銀行や韓国政府の中でも意見が割れているのでしょうね。
つい先日、「通貨スワップ協定が決定した!」というフェイクニュースがありました。
このニュースがあったのが9月21日。
即日、韓国銀行は否定声明を出して沈静化させたのですけどね。
その翌日にも「韓銀が通貨スワップ協定を推進することを決定した」というニュースが出ているほどです。
韓国銀行、3度目の韓米通貨スワップ進める方針…米国の立場は?(ハンギョレ)
「より積極的に韓国が締結を持ちかけている」のだそうで。
ちなみにこの記事はあの48秒の米韓首脳会談よりも前のもの。
記事中で「今度開催される米韓首脳会談の議題に通貨スワップ協定が加えられた」と堂々と語ってます(笑)。
韓国側が述べていた「通貨スワップ協定じゃないにしても為替への協力体制」ってどうなったんでしょうかね?
FRBとの「情報交換」がそれなんでしょうか。
だとしたら、それまで情報交換もできなかったってことになるからさすがにそれはないか。
個人的には年末から来年にかけて予想されている半導体不況が、韓国にけっこうなダメージを与えそうな感じがしているんですけどね。
さてはて。
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