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2022年08月

韓国メディア「通貨スワップ協定がすぐにでもほしい。でもアメリカにはアメリカの都合があって無理だろう」……あ、ついにそれ言っちゃうか

韓米通貨スワップしないのか、できないのか(週刊朝鮮・朝鮮語)
それでも韓米通貨スワップが必要だという意見も少なくない。ウォン価値がまだ大丈夫だとしても、その下落幅が急なためブレーキが必要だという理由からだ。心理的盾が必要なわけだ。実際に過去韓米通貨スワップが締結された後、外国為替市場は急速に落ち着いた。 (中略)

我々が通貨スワップを締結したいとして、必ずしも米国側で「オーケー」サインが出るわけではない。 いくつか前提条件が伴う。 ドル流動性が不足した際に締結することができるが、今はそうした状況ではない。 締結の鍵を握っている米連邦準備制度はドル流動性を通貨スワップを締結するかどうかの条件のひとつとみている。 現在、ドル流動性を示す指標は2008年や2020年と比較してかなり安定的だ。

さらに、韓国のように米国と臨時通貨スワップを締結しかねない国は韓国を含めて、オーストラリア、デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、ニュージーランド、ブラジル、メキシコ、シンガポールなど9カ国だ。 これらの中で韓国だけが通貨スワップを締結するというのが容易ではない。

バラク・オバマ元大統領のメンターと呼ばれたモリス・オプスフェルトUCバークレー教授も去る9月21日、企画財政部と韓国開発研究院( KDI )が共同開催した「2022 G20グローバル金融安定会議」基調演説で「FRBがグローバル金融市場を安定させるためにはもっと多くの国と通貨スワップを締結しなければならないと思うが、すぐに韓国だけのために追加締結しないだろう」と診断した。

FRBの金融政策と韓米通貨スワップが二律背反的であることも締結が容易ではない理由だ。相次いで基準金利を0.75%ポイント引き上げ、緊縮を押しているFRBが発券力を誇らなければならない通貨スワップをあえてするはずがないという指摘が出ている。他の国にドルを供給するのは緊縮と逆の方向性だからだ。
(引用ここまで)


 先日、韓銀総裁が「現状で通貨スワップ協定は必要ない」「痛くもない腹を探られることになるから」といった話をしていました。
 「いまはそこまで状況が差し迫っていないから」という話だったのですが。

 あとから考えるとありえない下手さですね、これ。
 というのも、彼が言を翻して「通貨スワップ協定が必要だ」と言い出したら、もうのっぴきならないところまできているというサインを世界中に発することになるわけですから。

 その状況下でもアメリカが動かなかったら「売り倒してやれや!」って投機筋が群がってきますよ。
 泰然と「通貨スワップ協定はいつだってあったほうがいい」くらいに構えておくのが最良じゃないですかね。
 まあ、そうも言ってられなくて口先介入だけでもしておきたいというのが実情なのでしょうけども。


 そんな中、朝鮮日報発行の週刊誌である週刊朝鮮から「通貨スワップ協定をしないのか、それともできないのか」という記事が出ていまして。
 「韓国にとっては不安感を払拭する盾になる」「実際にこれまでも何度か効いている」という話をしつつ。
 「ただ、韓国がしてほしいといったところで、アメリカは首を縦に振らないだろう」ともしています。

 通貨スワップ協定を締結することは言ってみれば「通貨供給を増やす」との宣言のようなもので。
 現状、引き締めに必死になっているFRBの方向性とは真逆である、と指摘しています。
 この指摘、韓国側からはなかなか出てこないものなのですが。
 ばしっとファクトをついてきてしまいましたね。

 ここ数ヶ月、韓国側からはアメリカとの接触の機会がある度に「今回こそ通貨スワップ協定が協議される」と色めき立ってきました。
 5月のバイデン大統領による韓国訪問。
 6月のNATO首脳会議へのユン大統領の出席。
 7月のイエレン財務長官の訪韓。
 そして今回の国連総会での米韓首脳会談。

 いずれも空振り。スリーストライクどころじゃないっていう。
 アメリカにそんなつもりはつゆほどもない、ということです。
 じゃあ、イギリスや日本、欧州との常設、かつ無期限・無制限の通貨スワップ協定はどうなるんだ……となるのでしょうが。
 それらの国々と韓国では重要度が違う、で終了ですね。

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大雨時には地獄と化す韓国の半地下住居、ソウル市は実数の把握すらできていない状況だった……

2013年以降ソウル新築半地下8千号… 「デタラメ発表・二番煎じ対策」(KBS・朝鮮語)
まずソウル市は8月、集中豪雨による半地下家具浸水直後、過去10年間に半地下家屋は4万戸増えたと発表しました。そして猶予期間を置いて半地下住宅を次第に取り除くとしました。
そして最近、チャン・ヘヨン国会記載委員(正義党)に提出した資料には、半地下住宅許可件数は5100余件だと訂正しました。
「最初の統計は住宅用だけでなく、ボイラー室など地下空間のある建物竣工を基準にすべてを計算した」という解明です。
とにかく建築許可・竣工件数だけ確認してみただけで、実際にどのていどの規模の半地下家屋を建てたのかもわからないということです。

KBSの2020年の人口住宅総調査の全数分析の結果、ソウルの地下住宅のうち建築年度2013年から2020年までの世帯数は​​8485戸(全体の4.2%)です。 (中略)

「まともな実態把握がないので、2012年住居用半地下を不許可できるようにする法を設けた時のように、今回も半地下をなくすという二番煎じの対策が出ている」 (中略)

半地下家屋が所有物件である場合、住宅の質が悪く災害に弱いとしても公共賃貸には申請できないなど住宅福祉死角地帯に置かれることになります。

先月の記録的大雨で発達障害のある家族3人が亡くなった「新林洞半地下の悲劇」の家もまさに所有物件で起きたものでした。 (中略)

資料を分析した結果、ソウル連立・多世代住宅20~40平方メートルの家の場合、地下から地上に上がるためには1億ウォン相当が必要であることが確認されました。

この分析は半地下住宅に住む脆弱な層が地上階のアパートに移動できる可能性よりも、コシウォンやチョクパンなど、より悪い「非住居」に押される実態を意味しています。
(引用ここまで)


 KBSのやっている半地下住宅レポートシリーズ。
 ソウル市は8月の大雨以降、半地下を新規住居としては認可しない方針を固めています。
 で、統計を出して「ここ10年で4万戸増えた」としていたのですが、その後に「やっぱ住居として使われているのは5000戸増えただけだた」とか言い出した、とのこと。
 地下にあるボイラー室もなんもかも含めたら4万戸、住居として届けられているものは5000戸だったという話なのですが。

 KBSが全数調査したら7年間で8000戸ほどだった……との数字。
 まあ、このあたりは「住居として届けられている場所以外にも人が住んでいる」という部分があるので、ソウル市も把握するには困難が伴うでしょうけどね。
 地下とか屋上に設置されているボイラー室の隙間に住んでいる人とかいるんですよ。

 ……いや、マジで。
 なんでボイラー室かというと住居登録されていないので、大家として無税の収入にできるからです。屋塔房(屋上に設置された小屋)なんかも同じ。


 ちょっと驚きだったのが、半地下住居を「所有」してかつ住んでいるという人がけっこういるということ。
 引用外なのですがソウル市では16.6%が、仁川市では41.2%が半地下住居を持ち家として居住している人がいるとのこと。
 あー、なるほど。まあ、「住宅」なので当然持ち主がいるのでしょうが。

 これ、たぶん立て替え時の権利所有狙いかなー。
 韓国ではマンションを一棟丸ごと建て替える際に、住民に住居権を補償するなんてやりかたがあるのですが。
 それ狙いなら半地下住居は安いし、将来的な価格上昇は見込めるしで悪くない気もする。こうして半地下住居が禁止になれば晴れて地上階ゲットもできるでしょうし。

 ただ、賃貸の場合は完全に脆弱層であって地上階に住むことはできずに、コシウォン(孝試院、6畳一間のワンルーム)やチョクパン(1部屋をベニヤで仕切った3畳間)等に引っ越さざるを得ないという状況。
 前回もちらっと書きましたが、半地下に住んでいる人たちのほとんどは住みたくているわけではないですからね。そこ以外に「家族で住める場所がない」というだけで。

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暗号資産に熱狂していた韓国人、ビットコインの暴落で市場規模が半減へ……

半減した暗号資産市場…韓国内の時価総額半年で55兆ウォンから23兆ウォンに(中央日報)
韓国国内で取引される暗号資産の時価総額は6月末基準で23兆ウォンと調査された。昨年末の時価総額55兆2000億ウォンの半分水準だ。上半期の1日平均取引額も5兆3000億ウォンで昨年下半期の11兆3000億ウォンの半分にも満たなかった。米連邦準備制度理事会(FRB)の緊縮などで市場の流動性が枯れているところに、ルナ・テラ暴落問題などによる信頼下落が影響を及ぼした。 (中略)

今年に入り暗号資産市場は大きく萎縮した。上半期の暗号資産取引所の取引額は951兆ウォンと集計された。昨年下半期の取引額2073兆ウォンの半分に満たない規模だ。1日平均取引額も昨年下半期の11兆3000億ウォンから今年上半期は5兆3000億ウォンに減った。FIUによると21日基準で取引額は2兆7000億ウォン水準にとどまる。 (中略)

暗号資産価格下落で保有者の資産も大幅に減った。全利用者のうち100万ウォン以下の資産を保有する割合は昨年末の56%から17ポイント増えた73%となった。1000万ウォン以上保有する人の割合は昨年末の15%から7%に減った。一方、韓国の取引所に上場された暗号資産は1371種類だった。取引所間で重複上場された暗号資産を除くと638種類だ。上半期だけで154件の新規上場と147件の上場廃止があった。
(引用ここまで)


 ビットコインをはじめとする暗号資産(仮想通貨・暗号通貨)の下落が激しいことになっていまして。
 去年の11月には7万ドルに届こうかという勢いで「ビットコインに投資しないヤツはバカ」くらいの話が出てましたが。
 手元の数字だと1万8500ドル前後ですね。
 まあ、水物に投資するものじゃない、ということがよく分かります。

 その一方で韓国は暗号資産投資大国として、一時期は他国よりも20%も高くビットコインが取引されていたことすらあります。
 2021年基準ではウォン建てでの暗号資産の取引は世界で3位の量があったほどです。
 韓国人の9人にひとりは暗号資産を所有していた、とされるほどでした。

 その原因はいくつかありまして。
 本来だったら不動産投資をしたかった層が、ムン・ジェイン政権の間にあまりにも不動産が高騰してしまったために代替として暗号資産へ投資したという側面もあります。


 また、韓国の若者は階層脱出のために攻撃的に暗号資産への投資を行っており、借金をしてまで暗号資産に投資しているという側面もありました。
 近年では値がさのビットコインではなく、雑コイン(ジャブコイン)と呼ばれる上場したばかりの仮想資産を狙うことでも知られていましたね。

 そして、ビットコインは最高値の1/4ほどになってしまい。
 崩壊したルナ・テラの共同創業者には逮捕状が発行され、かつその資産は凍結されています。
 一時期は「韓国の英雄」とされるほどの扱いだったのですが。

Terraの共同創業者らに韓国当局が逮捕状--資本市場法の違反容疑で(CNET Japan)
韓国当局、テラ共同創業者関連の100億円弱のビットコインを凍結へ(コインデスクジャパン)

 兵どもの夢の跡、といった感じ。
 資産という卵をひとつのかごに入れるな、という教訓は正しいのだなぁ……ということが理解できるのではないでしょうか。
 あとレバレッジを効かせるな、使うなら短期決戦にしろという感じかな。
 はー、怖い怖い。

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