半導体メーカーのエヌビディアが新しいグラフィック処理装置(GPU)の製造をファウンドリー(半導体受託生産)世界最大手である台湾積体電路製造(TSMC)に発注した。GPUはコンピューターグラフィックや人工知能(AI)の演算に欠かせない半導体だ。前世代の製品はサムスン電子に製造を発注したが、新製品は発注先をTSMCに戻したのだ。 (中略)
米クアルコムは11月に発売するスマートフォン向けシステムオンチップ(SoC)である「スナップドラゴン8」第2世代(Gen 2)の製造をTSMCに任せた。クアルコムは昨年末、同第1世代(Gen 1)の製造をサムスン電子に発注したが、今年5月にTSMCに乗り換え、次のモデルでもTSMCを選んだ格好だ。半導体業界ではサムスン電子製のチップが発熱と性能低下の問題に直面したため、クアルコムがTSMCを選んだとの分析が聞かれる。 (中略)
顧客獲得戦で押され、サムスン電子とTSMCのファウンドリー市場におけるシェアの差はますます拡大している。台湾の市場調査会社トレンドフォースによると、今年第1四半期のTSMCのシェアは53.6%、サムスン電子は16.3%だった。サムスン電子がファウンドリー事業に本格参入した19年第1四半期には両社の差が29ポイントだったが、現在は37.3ポイントに広がった。 (中略)
顧客獲得戦で押され、サムスン電子とTSMCのファウンドリー市場におけるシェアの差はますます拡大している。台湾の市場調査会社トレンドフォースによると、今年第1四半期のTSMCのシェアは53.6%、サムスン電子は16.3%だった。サムスン電子がファウンドリー事業に本格参入した19年第1四半期には両社の差が29ポイントだったが、現在は37.3ポイントに広がった。
(引用ここまで)
エヌビディアの次期グラフィックチップであるRTX4000シリーズはTSMC製造とアナウンスされています。
さらにクアルコムのSnapdragon 8シリーズともにTSMCが製造することになりました。
どちらもサムスン電子のファウンドリから逃げてきた陣営となります。
さらにAMDのZEN4アーキテクチャとなるRyzen 7000シリーズもTSMC。
AppleのiPhone、Macに搭載されているチップもすべてTSMC。
インテルもTSMCに一部製造を委託するのではないか、とまでされている状況です。
韓国メディアからは「なぜこれほどまでに差がついているのか、といった記事が朝鮮日報にかぎらずぽつぽつ出ています。
まあ、簡単にいえばTSMCのほうがはるかにいい仕事をしてくるから、なのですね。
クアルコムがサムスンに委託したスマートフォンの心臓部であるSnapdragon 8 Gen1というハイエンドチップは発熱、バッテリー消費共に問題外の代物でした。
歩留まりも上がらなかったためにクアルコムは同業他社のMediaTekの追随を許してしまい、ついには今年になってSoCのシェアで逆転されたと報道されています。
結果、クアルコムはTSMCに製造委託するしかなくなった(そして発熱と歩留まりについてはかなり解決された模様)。
いま、大手でサムスンに委託しているのはGoogleくらいですかね?
GoogleのPIXEL6シリーズはそこそこにいい出来ですが、ボリュームがあるかといったらそういうわけでもなく。いいところ出荷台数で500万〜1000万台ていど。
ちなみにAppleのiPhone製造台数は1年で2億台以上。
桁が違いますね。
しっかり製造してくれるのであれば、委託側はTSMCだろうがサムスンだろうがかまわないのですよ。
とはいえ、スマホで競合しているAppleがサムスンに委託することはもはやないでしょうけども。
サムスンは「新しいプロセスでTSMCをリードした」としていますが。
業界からは眉唾で見られてます。
まあ……これまでの実績が実績なのでしかたないですね。
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