チュ・ギョンホ経済副首相兼企画財政部長官は4日、「米国と通貨スワップについて多くの対話を交わした」と話した。
チュ副首相はこの日、国会企画財政委員会の企財部国政監査で韓米通貨スワップ議論に関連したコ・ヨンジと共に民主党議員の質疑にこのように明らかにした。
チュ副首相は「結論は詳細に言えない」とし、『私が通貨スワップをすると言えばなぜするのか、しないと言えばなぜしないのか』など、様々な話が出て市場に混乱を与えてしまい、是々非々もあり、言葉を多く出せない」と強調した。 (中略)
コ議員が「通貨スワップを稼動するほどの危機的状況ではないと判断するのか」と尋ねると、チュ副首相は「さまざまな対話の経過と内容に関して公開的に詳しく言うのは難しい」と答えた。
(引用ここまで)
韓国ウォッチャーが大好きな国会監査がはじまっていまして。
さまざまな話題が出てますが、通貨スワップ協定についても野党側から言及がありまして。
企画財政部長官(財務相に相当)が「常に対話はしているが、多くを語ることはできない」「やると言ってもやらないと言っても問題になるだろう」というわけで、大臣としての言及はほぼゼロ。
まあ、やるやらないどっちにしても角が立つので「常に対話はしている」くらいのことしか言えないのでしょう。
財務相の立場としては。
さて、その一方で韓国でも通貨スワップ協定についての理解、解像度が上がってきてしまいまして。
以前もちらっとFRBの「ドル回収」という現状の意向としてはやらないだろう、という報道もありました。
今回は「FEDの危機基準に合わないので通貨スワップ協定は結ばれない」という報道が出てきています。
「韓・米通貨スワップ、Fed危機基準に合わない」(韓国経済新聞・朝鮮語)
ドルの流動性が減じた際にはアメリカは積極的に通貨スワップ協定に応じる。
最近ではコロナ禍でオーストラリア、ブラジル、韓国、メキシコ、シンガポール、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、ニュージーランドの各国と通貨スワップ協定を締結しています。
2009年のリーマンショック、グレートリセッションでもこれらの9カ国と通貨スワップ協定を結んでいるので、明確に「ドルの流動性が一定以下になったら一定の国々と通貨スワップ協定が発動する」という方針が分かると思います。
現状のドルの流動性はいうほど損なわれていない。
通貨危機を起こしてIMF管理下に置かれたというトラウマを持つ韓国としては本当に「どこかからドルを持ってこなくちゃ!」という意識になっているのでしょうが。
アメリカからのメッセージは非常に明確で「新規の通貨スワップ協定はない」「インフレ抑制したいんだったら利上げすれば?」で終了です。
米韓首脳会談でも出ていた「為替市場に対応する」というのは、おおよそ「流動性が減じれば対応する」というような意味でしかなかったと。
連邦銀行の持つ基準に達すれば、と。
韓国が求めてくるからわざわざ通貨スワップ協定を結ぶようなことはないよ、という話なのです。最初から最後まで。
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