ブルームバーグなどのメディアは、外為取引者らの発言を引用し、最近、ウォン-ドルレートが急騰するのは韓国経済の悲観論にその背景があると報道した。
悲観論は海外依存度が高い経済構造に由来する。 2020年GDP対比輸出と輸入は69%に達する。 同年主要国のうち、米国(23%)、日本(31%)、中国(35%)などは、そのほとんどが我々より低い。 連準の攻撃的な緊縮の通貨政策によるグローバル経済の低迷可能性がウォンの価値を落としているという意味だ。 さらに、輸出市場で競争する通貨の円と人民元の価値下落は、ウォンを引き降ろすもうひとつの要因だ。
一般的に経済が成熟するに従って貿易依存の割合は減少する。 しかし、韓国の場合は貿易の割合が依然として高いのは消費の割合が低くなる傾向と無縁ではない。 韓国のGDP比での家計や家計に奉仕する非営利団体消費支出は2002年の56%を頂点にして2014年50%未満に落ちた後、2021年には46%に下落した。 このような現象は、消費が安定的である米国(70%)、日本(55%)など他の先進国とは全く違う様子だ。 成長動力として消費の役割が日増しに萎縮していることを意味する。
消費の割合が低くなる傾向は増えている家計負債と密接な関連がある。 2002年LGカード事態をきっかけに、家計負債(GDP比60%)は韓国経済を論じる際には無視できない存在になった。 国際決済銀行によると2022年1月期の韓国の家計負債はGDP比105%を超過し、世界で最も高い水準を記録した。 日本(69%)、中国(61%)、米国(77%)よりはるかに高い。
金融が発展すれば消費者金融が活性化され、内需を促進して成長に寄与する。 家計負債と経済成長の関係を究明した国際通貨基金(IMF)の資料によると、家計負債が経済成長に寄与する臨界区間はGDP比35〜70%水準だ。 家計の借金が臨界区間を超えれば、負債償還圧力が高まっており、成長を促進する効果は半減され、最終的に成長を疎外するオーバーハングが起きる。
家計負債と住宅価格が経済活動に及ぼす波及効果を分析したIMFの別の研究は、所得比家計負債の割合が高い時に住宅価格の下落は、単に住宅価格だけ下落した場合よりも4倍消費が萎縮し、さらに成長と失業に及ぼす否定的な波及効果が少なくとも5年が持続されると報告した。
(引用ここまで)
かなり長い韓国経済についてのコラムなんですが、内需と貿易依存率についてだけピックアップしてみました。
なんとなーく「こういうイメージだよなぁ」と韓国の経済構造に関して感じていたものをびしっと指摘していますね。
「内需が少なく、貿易依存率が高いので外からの衝撃に弱いし、内側からの衝撃にも弱い」と。
で、その結果として現在のようなことになっている、と。
韓国経済の持つ脆弱さというのは資源国でもないのに貿易依存率が高いことに起因していることが大きいのですね。
自称G8なので他のG7各国の貿易依存率でも見てみましょうか。
アメリカ 19.97%
イギリス 34.41%
イタリア 52.89%
カナダ 50.84%
ドイツ 71.13%
日本 29.96%
フランス 44.80%
韓国 68.05%
メキシコ 78.31%
ギリシャ 58.04%
スペイン 55.21%
オーストラリア 35.16%
オーストラリアが意外と低いのは輸出はしていても輸入には頼っていないからですかね。
ドイツは本当にひどい……。
あと金融国は大きくなりがち。
ひとりあたりのGDPが日本を超えた云々言っていても、なんとも脆弱さが漂うのはこういう部分が大きいからなのですね。
そしてIMFが指摘する「家計負債が国内経済の稼働エンジンとして通用するのは35〜70%」という指摘もひどい。いや、事実なんでしょうけど。
じゃあ、世界で唯一GDP越えを果たしている韓国はどうなるんだっていう。
いやまあ、単純に可処分所得が減少して国内消費がさらに小さくなるだけなんですけども。
その次の「家計負債が高い場合に不動産価格が下落した場合の消費への影響は、単に不動産価格が下落しただけの場合に比べて4倍も消費へのダメージが大きい」「その影響は経済成長と雇用に少なくとも5年は持続する」っていうのもきつい。
韓国の場合、すべてがあてはまっているんですよね。
先日の「毎月、不動産ローンを返した後にはインスタントラーメンしか食べられない」って30代のインタビューを紹介しましたが。
まあ、ここ10年以上というもの不動産開発とその周辺ばかりを伸ばすための政策しか打ち出してこなかったのだからそうなるよなぁ……。
よくもまあ、ここまで延命できたというべきかもしれません。
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