韓国法務部の韓東勲(ハン・ドンフン)長官は14日、国会予算決算特別委員会の会議に出席し、一部のオンラインメディアがソウル・梨泰院の雑踏事故で死亡した人の氏名を公開したことに対し「遺族と被害者の意思に反する無断での公開は法的に大きな問題があると考える」と述べた。 (中略)
これに先立ち、最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表は9日、「遺族が反対しない限り氏名と写真を公開し、真摯(しんし)に哀悼しなければならない」との考えを示していた。
(引用ここまで)
これ、解説が必要な記事ですね。
野党の共に民主党の一部から、政府に向けて「犠牲者名簿を公開せよ」といった要求が出されていたのですよ。
それに乗っかる形で党代表のイ・ジェミョンも「名簿を公開せよ」って言い出していたのです。
さすがに共に民主党からも「いや、それはさすがにどうだろう」って声もあったのですけどね。
過去の惨事時の犠牲者名簿公開…ハロウィン惨事はしないのか? できないのか?(韓国日報・朝鮮語)
李在明共に民主党代表が9日、梨泰院(イテウォン)惨事犠牲者名・遺影公開に賛成の立場を見せた。前日まで「(関連議論は)全く行われたことがない」(オ・ヨンファン院内広報担当)として党次元では線を引いたが、1日でイ代表が「犠牲者公開論」に力を与え、犠牲者公開に反対する与党との論戦が予想される。
イ代表は同日、国会の最高委員会議で「世の中のどのような惨事で名前も顔もない場所に来た国民が焼香を行って哀悼の意をするのか、『私の息子の名前と顔を隠してはいけない』との嗚咽も聞こえる。遺族らが反対しない限り、名前と遺影を公開し、真摯な哀悼がいなければならない」と主張した。 特に政府が、犠牲者の名前と位牌、遺影写真なしに焼香所を始めたことを指摘しながら「真実は沈没しないという話を再びろうそくを持ってしなければならないのか。隠そうとしてはいけない。隠していると消えない」と強調した。
(引用ここまで)
一応、「遺族の反対がなければ」とはしているものの。
名簿、顔写真を公開せよ、という方針。
なんでかというと、「155人死亡」というよりも、ひとりひとりの名前と顔写真を出して「亡くなったこうした人々がいる」としたほうが情に訴えかけることができるから。
つまり、梨泰院の事故を政権攻撃の材料として使うためには、被害者の名簿と顔写真は必須なのですよ。
それであってこそユン政権打倒の道具として使えるようになる、と。
ただ、その一方で今回の事故については「人混みに遊びに行ったやつらの自業自得だ」というような声があるのも確かで。
そこに「慰霊碑を作るために使ってほしい」とか言い出して、オンラインメディアの「市民言論タンポポ」なるサイトが公開してしまったと。
もちろん、賛同あるないに関わらず。
これを大きく後押ししたのはイ・ジェミョンの要求でしょうね。
世論が逆転する可能性もあるかもしれません。
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