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2022年11月

オランダ、日本はアメリカの対中半導体輸出規制に同調……韓国は?

カテゴリ:米韓関係 コメント:(43)
日本、半導体製造装置の対中輸出規制で米国と協調へ-関係者(ブルームバーグ)
 日本とオランダは、先端半導体製造装置を対象とした米国の対中輸出規制への参加に基本合意した。事情に詳しい複数の関係者が明らかにしたもので、中国の技術推進の野心に大きな打撃を与える可能性がある。

 米国は先端半導体製造装置の対中輸出規制を10月に開始。公に話す権限がないとして匿名を条件に語った同関係者によれば、日本とオランダは少なくとも一部に同調する見通しで、数週間以内に発表する公算が大きい。バイデン政権はこの輸出規制措置について、中国軍が先端半導体を入手できないようにすることが目的だと説明している。

 日米とオランダの3カ国が協調すれば、先端半導体の製造に必要な装置を中国が入手することはほぼ完全に阻止される。米国の規制はアプライド・マテリアルズとラムリサーチ、KLAによる供給を制限しているが、制裁を効果的なものにするには東京エレクトロンとオランダのASMLホールディングの参加を必要としていた。

 「中国が先端産業を独自に構築できる方法はない。全く見込めない」とサンフォード・バーンスタインのアナリスト、ステイシー・ラスゴン氏は指摘した。

 中国商務省は12日、米国の対中輸出規制を巡り世界貿易機関(WTO)に提訴したと発表した。米国の規制は世界のサプライチェーンの安定を脅かすもので、これを正当化するために掲げている国家安全保障上の理由は疑わしいと主張した。 (中略)

 日蘭両政府は、回路線幅14ナノ(ナノは10億分の1)メートルかそれよりさらに高度な半導体を製造できる装置の対中輸出を禁止することを計画している。米政府が10月に導入した規制の一部と歩調を合わせるものになる。

 14ナノ技術は、現在実用化されている最も先端の技術よりも少なくとも3世代遅れているが、中国の半導体メーカー、中芯国際集成電路製造(SMIC)が保有している技術では既に2番目に高度なものだ。
(引用ここまで)


 日本、およびオランダが半導体製造装置の対中輸出について同意した、とのニュースが出まして。
 一時期、オランダからは「こんなんやられたら無理」って反発する話も出てたのですが。アメリカから「アメリカ企業の持つ知的財産使ったら制裁すんぞ」まで言われたら白旗揚げるしかない。

 オランダのASMLは微細化最先端の露光装置を作っている企業。
 ここが輸出を禁じたらもう終わりのレベル。
 さらに露光装置では出遅れたものの、日本のキヤノン、ニコンの露光装置も対中輸出禁じられる模様で。
 もう14ナノ以下の先端プロセスで中国が半導体を作ることはできないレベル。


 これでCHIP4として半導体協力体制を目論んだアメリカは自国、日本、台湾に加えてオランダも自陣に取り込むことに成功したわけです。
 いや、オランダはCHIP4ではなかったんですが。

 そんな中、韓国は中国と外相会談して「アメリカのインフレ防止法は横暴だ」と言い出した模様。

米の半導体・インフレ関連法、各国の権利と国益損なう=中国外相(ロイター)

 9月には中国から韓国に対して「我々を加えてCHIP5にすべきだ」なんて話もしてましたね。

ヤン・ヒャンジャにまた訪れた中国大使「韓国、CHIP4必ずしなければならないか…中国を含むCHIP5にはできないのか」(朝鮮日報・朝鮮語)

 中国はなんとかして韓国だけでもこちら側に引き込めないかと考えているっぽいかな。
 韓国は製造装置や素材に関してはなんもカードがないので意味なかったりします。
 中国を無視することはできないという韓国の方向性が見えてきてますね。

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韓国メディア「TSMCのライバルとしてサムスン電子を認めろ!」と叫ぶものの……そのシェア差は3.6倍に

Appleの選択はまたTSMC‥企業の力学関係も理由(アジア経済・朝鮮語)
半導体委託生産、すなわちファウンドリ事業拡大競争が激しい。ファウンドリの勝者を判定するのは、大型の顧客を確保できるかどうかにかかっている。機先を制したのは今回も業界1位TSMCだった。最近開かれたTSMCの米国アリゾナ工場装備搬入式に参加したチームクックアップル最高経営者( CEO )が米国TSMC工場で生産された半導体を使用すると宣言したのが始発点だ。ファウンドリ企業にアップルを顧客として確保するということは、事業の成否を左右できる事案だ。iPhone、iPad、MacBook、AirPodなど、Apple製品に使用されるチップを生産すれば、莫大な売上を保障できるからだ。NVIDIA、AMD、Qualcommもファウンドリ事業を支えることができる大型顧客会社だ。

これら企業がTSMCに製品生産を任せるのはなぜだろうか。TSMCが絶対的な技術的優位にあるのだろうか。企業間の力学関係も排除できない。代表的な例は、過去のAppleがサムスン電子の代わりにTSMCに協業を変更したことだ。AppleはiPhoneの初期のサムスン電子にiPhoneの心臓となるAシリーズチップの生産を任せた。しかし、AppleとSamsungのスマートフォンの競争が激しくなり、特許攻防まで行われ、AppleはTSMCへと協力企業を変更してしまった。情報流出の可能性があるだけに、競合他社に核心半導体生産を任せることができないためだった。

TSMCが独自のファブを持っていないファブレス半導体会社の大部分を顧客として確保したのは、「顧客と競争しない」という経営方針の結果かもしれない。このため一部ではサムスンがファウンドリ事業部を独立させなければならないという主張も提起している。利害衝突の可能性を排除すれば、より多くの顧客を確保できるという理由からだ。(中略)

Intelの状況はさらに悪い。IntelもAppleと特許攻防を行っているが、通信用チップ事業をまったくAppleに売却したことがある。AppleはMacコンピュータに使用していたIntelのコンピュータ用CPUを独自開発したMシリーズに変更した。AppleがIntelの事業領域を本格的に浸透する状況でIntelにファウンドリを任せる場合、自社の技術力と今後の方向性をそっくり露出する可能性が濃厚だ。このため、アップルが自国内でファウンドリラインを立てているインテルの代わりに既存の協力線であるTSMCの手を握ったものと見られる。AMD何十年も競争してきたIntelにCPU生産を任せると予想するのは容易ではない。 (中略)

サムスンに有利な条件もある。ほとんどの半導体企業は複数のベンダーを望んでいます。ある企業に100%依存することについて否定的です。TSMCのほかに第2の協力企業を設けるなら、新たに事業に飛び込んだインテルと既存ファウンドリ業界2位のサムスンの中から選択をしなければならない。最近、クアルコムがサムスンを排除した戦略を覆し、「スナップドラゴン8世代ジェネレーション2」 APの生産をTSMCとサムスンに同時に任せるという報道が出ている。これはサムスン電子が来年に発売する戦略スマートフォン「ギャラクシーS23」に自己開発APであるエキシノースの代わりにクアルコムのAPを全量使うという予想とも触れているという評価だ。

ホワイトハウス国家経済委員会(NEC)によると、TSMCは米国だけで年間60万枚のウェーハを処理する予定だ。これは米国内の需要をすべてカバーできるレベルであることが分かった。TSMCだけでも米国内の需要を充当できるほどなら、サムスン電子とインテルは激しい受注競争を繰り広げなければならないという意味だ。
(引用ここまで)


 韓国メディアが「TSMCとサムスン電子は半導体ファウンドリ事業でライバルである」みたいな話をやたらにしているのですけどね。
 今年第3四半期のファウンドリ事業におけるシェアはこんな感じ。

1位 TSMC 56.1%
2位 サムスン電子 15.5%
3位 UMC 6.9%
4位 グローバルファウンドリーズ 5.8%
5位 SMIC 5.3%
(ソース:Trend Force

 上位5社で90%近い状況。
 ……サムスン電子は2位ではあるんですが。
 その差は3倍以上。3.61倍。これをライバルとするのはちょっと難しくない?

 NANDフラッシュではサムスン電子は30%ほどで1位、キオクシアは20%ほどで2位。これであればまだライバルっていえるかもしれませんが。


 TSMCはどことも利益が反しないっていうのが大きい。
 サムスンは記事中にあるように、世界最大の半導体ユーザーであるアップルとスマートフォン市場でぶつかっている。
 もはやアップルはサムスンのファウンドリに主要チップの製造を委託することはないでしょう。
 もうそれだけでえらいハンディを背負っている状態。

 韓国メディアはTSMCが憎々しくてしょうがない模様で。
 最近になってTSMCから「日本に第2工場も」ってコメントがありまして。

日本を取ったTSMC、日本に半導体工場を追加建設検討(韓国経済TV・朝鮮語)

 第2工場が建つとなるとEUV対応のそこそこ微細化されたファブになるのかなー。
 で、それに対して韓国メディアが「シリコンシールドなくなるよ、いいの?」とか言い出しているっていう。

台湾、TSMCの海外投資も「シリコンシールド」を失うかどうか(ファイナンシャルニュース・朝鮮語)

 ただまあ、最新の微細化プロセスを採用したファブは台湾本土に建設されるでしょうし。
 台湾事態になったら世界経済がとんでもないことになるのは間違いない。
 中国はアメリカの最新半導体製造から切り離そうとする方向から、逆にそうした市場情勢を気にしなくなるかもしれないなぁ……とも、ちらっと思われるのですが。

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すっかり「ゴールポストを動かす国」と認識されることになった韓国

カテゴリ:日韓関係 コメント:(119)
タグ: 日韓関係
日韓外交、ゴールポストはまた動くのか【政界Web】(時事通信)
 日韓関係を語る上で頻繁に使われる「ゴールポストを動かす」との表現は、「一方的な条件変更」という意味で英語の慣用表現だ。(中略)国会会議録で調べると、2021年5月に茂木敏充外相(当時)が慰安婦問題を巡り、「韓国によってせっかくのゴールポストが常に動かされる状況がある」と発言している。

 この答弁が指し示すのは、15年12月に日韓外相が発表した「慰安婦合意」のいきさつだ。旧日本軍の従軍慰安婦問題に関し、「最終的かつ不可逆的な解決」を両国で確認したものだが、事実上ほごにされてしまった。 (中略)

 同年12月に公表された作業部会の報告書は慰安婦合意について、「被害者の意見を集約せずにまとめた」と疑問視。外交慣例に反し、非公開の高官協議のやりとりも暴露した。韓国政府は「この合意で問題は解決できない」(文大統領声明)として、日本の拠出額と同じ10億円を財団に充当して日本の支援を「無効化」。改めて謝罪などの対応を要求した。
 日本側は「国と国との約束を守るべきだ」と反発。関係が冷え込む中、21年には韓国最高裁で日本政府に元慰安婦への損害賠償支払いを命じる判決が確定した。ある外務省関係者は「あれ以来、日本の世論は『韓国は信用できない』という雰囲気が根強い」とため息交じりに語る。

 目下最大の懸案となっている元徴用工問題も、ゴールポストが動かされた例だろう。 (中略)

 日本政府は、元徴用工問題は「韓国の国内問題」と位置付け、韓国側で解決するよう求めている。日韓関係改善に意欲的な尹大統領が就任したといっても、これまでの経緯に照らせば前のめりは禁物だ。政府・与党ともに「韓国側が解決策を示すまで首脳会談を受けるわけにはいかない」(政府関係者)という認識が大勢だった。
 11月の首脳会談は、この点で日本側が「原則をやや曲げた」(政府関係者)格好だ。外務省幹部は、会談に踏み切った背景について、北朝鮮による軍事的挑発の激化や、尹政権の「真剣さ」を挙げた上で、「日本の国内世論が少し和らいできたと判断した」と説明した。 (中略)

日韓間にはこれ以外にも、在韓国日本大使館や釜山総領事館前に設置された慰安婦像問題や、韓国海軍軍艦による海上自衛隊機へのレーダー照射、日本の対韓輸出管理強化など懸案が山積だ。このため現金化が回避されても、「尹大統領が求める首脳往来なんてまだまだ」(同)との声は少なくない。正常化への道のりは遠そうだ。
(引用ここまで)


 もはや日本にとって「ゴールポストが動く」ことが韓国関連では基本として扱われている、とのコラム。
 時事通信にこんなコラムが載る時代になったかぁ。
 それが現実だからこそ、でしょうね。
 2015年の日韓合意はそれを踏まえた上での合意でした。

 楽韓Webが指摘してきた「韓国が合意を守ってもいいし、合意を破棄してもいい」という毒入りの合意。
 ああした交渉ができるようになったのは日本の外交の練度が上がってきた証拠ともいえるでしょうけども。
 最後通牒だったともいえるわけですね。「これを守れなかったらもう知らないよ?」っていう。


 で、案の定ムン・ジェイン政権は「合意? そんなもん知らんわ」って態度に出て日韓関係は過去最悪の状態に。
 韓国的にはそれで問題ない判断だったのでしょうが、国際的にも認められていた合意にそれやっちゃったこともあってアメリカからわき腹をこづかれたのでしょう。
 最終的には「あの合意は日韓間で結ばれた公式なものです……ハイ」とか言い出すようになった、と。

 そんなムン政権はともかく、ユン政権でも状況はほぼ変わっていない。
 現金化等の懸案事項を解決できていないからですね。
 NATO会議、G20と日韓首脳が出会うシーンがありましたが。こうした多国間会議の場であったからこそ会談、懇談があったというだけ。
 それぞれの国への首脳の往来なんてまだ無理なのが実情です。

 ただまあ……それらの懸案が解決できたとしても。
 韓国への「ゴールポストを動かす国」との日本からの認識は、もはや覆すことができない基本ステータスとしてこれからも扱われることでしょう。

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楽韓さん、本日の動向 - NISAの制度が大きく変わるんですって

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 NISA制度が整備されてつみたてでも年間120万円、上限1800万円(つみたて分は1500万円?)になるそうで。
 上限が微妙かなぁ……。あと現状のつみたてNISAからの移行がどうなるか気になるところ。一旦売却せよとかになったらたまらん。
 最初の10年は80〜100万円ずつ、次の5年では年40〜60万円、次の5年は年20万円とかでもいいし。
 若い人なら30年とか40年を均等に考えてでもいいし。
 いろいろと使い勝手がいい制度になる感じだな。売却後の枠の復活とかも気になるところ。
 とにかく現状の年40万円は動きが取りづらかったので助かるわ。

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