韓国の外交部は22日、日本側と東京電力福島第1原子力発電所の処理済み汚染水の取り扱い関する局長級協議をテレビ会議形式で行ったと発表した。日本の外務省は「処理水の取り扱いに関する韓国政府向け説明会」としている。
協議には韓国から外交部の尹鉉洙(ユン・ヒョンス)気候環境科学外交局長をはじめ、国務調整室や原子力安全委員会、海洋水産部などの関係者が出席。日本からは外務省の海部篤軍縮不拡散・科学部長のほか、経済産業省資源エネルギー庁や原子力規制庁、東京電力などの関係者が参加した。
韓国側は汚染水の取り扱いに関する日本側の最近の措置と今後の計画、安全性などの情報について説明を受け、今後の協力事項を協議した。また、汚染水が客観的・科学的な観点から安全で国際法と国際基準に合致する方式で処理されるよう日本側の責任ある対応を促した。汚染水の取り扱い計画などの情報を適時かつ透明に、そして十分に提供することも求めた。
双方は今後も協議を続けていくことで一致した。
(引用ここまで)
日本政府が韓国政府に対して福島第1原発の処理水放出について「説明会」を開催。
いつものヤツ、ですね。
あくまでも協議ではなく、説明会。
韓国メディアは「局長級協議」としていますが、韓国外交部(外務省に相当)も「局長テレビ会議」としています。
福島原発汚染水関連日韓局長級テレビ会議開催(外交部・朝鮮語)
一応、最後の〆の言葉で「両者のコミニケーション・協議を緊密に続けていく」として「実際には協議なんだ」と言いたい感じが出てますけどね。
外務省のリリースはこちら。
東京電力福島第一原子力発電所のALPS処理水の取扱いに関する韓国政府向けテレビ会議説明会の開催(外務省)
あくまでも説明であって、相手の言い分を受け入れる部分のある協議ではないという立場。
以前の「半導体材料輸出管理強化の説明会」と同様に、ですね。
先日、ユン大統領がIAEAのグロシ事務総長に面会した際に「徹底した検証」を要請してましたが、さほど処理水放出に対して厳しい態度ではありませんでした。
検証する、ということは放出が前提になっているわけで。
そうした弱腰を野党である共に民主党側は叩こうとしています。
民主「日本福島原発水放出、国際海洋法裁判所提訴すべき」(ファイナンシャルニュース・朝鮮語)
国際海洋法裁判所への提訴をすべきだと提案。
もともと、ムン・ジェイン大統領(当時)が去年の4月に言い出したことでした。
ただ、周囲から「どう見ても勝ち目はないのでやめましょう」と言われて尻すぼみ。
ただ、その後も何度か提訴の話題は出てますがなにも進んでいないのが現状。
共に民主党からしてみたら「我々の提案で提訴させたが、与党が脆弱だったので負けた」くらいまで考えてるかな。
どう考えてもIAEAの認める方向性でやっている日本を止める術にはなりそうにないのですが。
ま、がんばってみたらよいんじゃないかな。
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