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2022年11月

韓国メディア「大学入試一発ですべての人生が決まるような制度は果たして正しいのだろうか」……正しくはなくてもそれをやめる手段がなくない?

カテゴリ:韓国社会 コメント:(78)
[コラム]多数を失敗者にする韓国教育、これが最善なのか(ハンギョレ)
 地下鉄に乗って通勤していると、大学名が大きく記されたジャンパーを着た学生たちをよく見かける。中学生たちもスラスラ暗唱するという「大学序列ピラミッド」でいえば、真ん中以上にはなる大学が多かったと思う。2人の子を育てる父親のおせっかいだろうか。そのジャンパーを見ると、たまにこんな風に思うことがある。もしかして地下鉄の同じ車両に「名もない」大学の在学生がいるのではないか。「誇らしく」見せびらかしている自分の大学より序列が上の大学の学生が乗っていたら、委縮してしまうのではないか。

 大学ジャンパーは、単なるファッションとは考えがたい。韓国社会の根強い序列主義が投影された「区別付け」文化の一つと解釈した方が、より現実に合っているように思える。絶えず並ばせ、区別をつける社会では、優越感よりも挫折を感じる人の方がはるかに多くならざるを得ない。下に行くほど広くなるのがピラミッドの属性だ。

 もちろん、学生たちの「承認欲求」が全く理解できないわけではない。熾烈(しれつ)な競争を勝ち抜いた人たちにのみそのジャンパーを着る資格が与えられるわけだから、「私、この大学に通っているんです」と自慢したい気持ちがないはずがない。その「看板」を手に入れるためにどれほど苦労したかを考えると、気の毒な気さえする。もしかしたら、彼らは幼い頃から競争を内面化するよう強要してきた社会システムの被害者かもしれない。最近の若い世代の寒々とした能力主義と公正さに対する強迫観念を非難する声が多いが、それもまた競争中毒社会の悲しい自画像ではないかとも思う。 (中略)

 今年の修能をちょうど1週間後に控えた先月10日、「大学入試の相対評価は違憲」だという違憲訴訟が起こされた。修能と高校の内申の相対評価は「殺人的な競争」を誘発するため、憲法の保障する幸福追求権、健康権、教育権などを侵害するとの趣旨だ。教育運動団体「私教育の心配のない世の中」が主導したこの違憲訴訟に対しては、96人の弁護士が「違憲宣言文」を通じて支持を表明している。「誰かを踏みにじって収めた勝利の強要、たった1%を選び出すための評価は、その目的が正当でないだけでなく、自己破壊的で非教育的で反人間的だ」。熾烈な競争を勝ち抜いて、相対評価体制において「勝者」となった弁護士たちが、100人近く支持宣言をしたということに驚く。

 保守陣営は相変わらずもっと多くの競争が必要だと叫んでいるが、韓国は競争が足りないからではなく、多すぎるからこそ数多くの病弊を生みだしているのだ。光州科学技術院のキム・ヒサム教授が2017年に韓国、中国、日本、米国の4カ国の大学生に、自国の高等学校がどんなイメージに最も近いと考えるかを調査したところ、韓国の大学生の81%が「死活をかけた戦場」と答えた。中国(42%)、米国(40%)、日本(13.8%)に比べて圧倒的に高い。
(引用ここまで)


 韓国の教育制度はこのままでよいのか、とする左派紙ハンギョレのコラム。
 ソウル大学、高麗大学、延世大学をはじめとするピラミッドが形成されており、その次にはソウルにあるか否か(KAISTなどの特化した大学はまた別)、4年制かどうかで選別されます。
 そうしたヒエラルキー、階梯化が韓国社会には蔓延しているし、学閥も跋扈している。
 誇らしげに大学名の入ったジャンパーを着ているが、それ以下の大学に入った学生は萎縮しているのではないか、韓国社会はこれでよいのか……と。

 ……といったところで、修能試験(日本の共通テスト、旧センター試験に相当)でそれ以降の人生がほとんど決まってしまう韓国のやりようを変えられるというわけでもなし。
 これこそが元駐韓日本大使であった武藤正敏が「韓国人に生まれなくてよかった」って言うほどの競争社会のなれの果てなのですよ。

 小学生の時点で「おまえは進学組じゃない」ってやられたらそれ以降の人生が決まってしまうドイツに比べたら幾分かマシかもしれんけど。
 公務員試験が年齢制限なしで受けられますからね。


 ただ、韓国の社会構造がおかしいとは誰もが思っているのでしょうよ。
 大企業に就職できた数少ない人々、あるいは医者や弁護士だけが成功し、それ以外は脱落した扱いになる。
 成功まで言わないまでも、それなりに暮らせるようにならないか……と。
 半地下や屋塔房やテントハウス、あるいはコシウォンではなくて普通のアパートに住めるようにならないかと。

 まあ、ならないんですけどね。
 大企業と中小企業のそれぞれ正社員と非正規の賃金格差は4倍。
 小学生の将来の夢は「不動産賃貸業で不労所得」となる社会ですから。
 というか、このコラムを書いているハンギョレの記者自身も「たった1%を選び出すための評価」を勝ち抜いてきた人物でしょうし。

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韓国の自営業者、ついに負債が1000兆ウォンを超える……コロナ禍の支援策がわずか2年半で300兆ウォンの増加を招く……

カテゴリ:経済 コメント:(43)
借金で持ちこたえる韓国の自営業者、貸付残高は過去最高1000兆ウォン超(朝鮮日報)
韓国では自営業者に対する融資が1000兆ウォンの大台を超えた。韓国銀行が22日発表した金融安定報告書によると、9月末時点で自営業者向けの貸出残高は1014兆2000億ウォン(約104兆円)だった。

 自営業者向けの融資はコロナ流行初期の2020年第1四半期までは700兆ウォン前後だったが、超低金利でコロナによる影響を乗り越える過程で20年末には803兆5000億ウォン、21年末には909兆2000億ウォンに急増し、最終的に1000兆ウォンを突破した。自営業者向け融資の増加率は年14.3%で、同じ期間の家計向け融資の増加率(0.7%)を大幅に上回った。

 自営業者向け融資の延滞率は9月末時点で0.19%にとどまり、依然低水準だが、コロナによる影響で自営業者を対象にした返済期限の延長、返済猶予など金融支援措置が実施されているためだ。韓国銀行は「金融支援が終了すれば、金融ぜい弱層の債務者を中心に不良債権リスク率が大幅に高まりかねない」と懸念した。
(引用ここまで)


 韓国の自営業における貸付残高が1000兆ウォンを超えた、とのニュース。
 以前から「現状のペースでは1000兆ウォンを今年中に達成してしまうだろう」とされていたのですが。
 予想通りであった、というべきか。

 現状、延滞率は0.19%と良好に見えるのですが、コロナ禍の返済期限延長、返済猶予があるからでしかない。
 自営業者の大半がチキン店などの飲食業。一応、弁護士や税理士といったサムライ業、医者なども自営業者扱いではありますけどね。
 当然、このコロナ禍でアホほど市場が縮小してしまって目も当てられない状況でした。


 韓国の自営業者の割合は20〜25%ていど(統計によって異なる)。
 これが一気に潰れたらえらいことになるわけで。
 ムン・ジェイン政権は積極財政で支援を続けました。ただ、本来だったら潰れていた者に対しての支援で、いまだに元には戻らない状況下。

 2020年初頭から2022年9月末までで増えた300兆ウォンの大半は不良債権化待ったなし。
 以前も「新しい雷管になりつつある」という話をしましたが。
 貸出先がどこであれ、不良債権化が進むと全体で貸し渋り、貸し剥がしが進むのです。
 銀行も慈善事業じゃないんで。

 いまのところ、「国の支援策」なのでまだなんとか表面張力でがんばっている……といったところですが。
 次の一滴でどうなることやら。
 それが次の金利上げになるのか、返済猶予終了になるのかは分かりませんが。
 まあ……厳しい話ではあると思います。

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共に民主党党内からも見放されつつあるイ・ジェミョン党代表、贈収賄疑惑で検察から事情聴取要請で「党内の親ミョン派は20人もいなくなった」

韓国野党代表 検察の出頭要請に「野党の破壊、不公正で非常識な尹政権」(聯合ニュース)
韓国革新系最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表は22日、自身が京畿道城南市の市長だった当時にオーナーを務めていたプロサッカークラブ、城南FCへの寄付金を巡る疑惑に絡み、水原地検城南支部から事情聴取のための出頭要請があったことについて、「李在明を(政治的に)殺しても、その無能さと不公正さは隠せない」とし、「最も不公正で常識のない政権が尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権だ」と強く反発した。南東部の慶尚北道・安東で行った街頭演説で述べた。

 検察から前日連絡を受けたという李氏は、嫌疑なしの結論が出た同疑惑を理由に出頭要請があったとし、今は「野党破壊」に注力する場合ではないと非難した。

 李氏は検察が指定した28日には出頭に応じないものとみられる。
(引用ここまで)


 テジャンドン不動産開発疑惑、FC城南贈収賄疑惑について本丸であるイ・ジェミョンに捜査の手が届きそうだ、というニュース。
 すでに最側近とされるふたり、チョン・ジンサンとキム・ヨンについては収賄罪での起訴済み。

最大野党代表の捜査本格化へ 側近を収賄罪で起訴=韓国検察(聯合ニュース)

 今回は地元サッカークラブであるFC城南への寄付金が実質的には贈賄だったのではないか、との疑惑についての事情聴取。
 こちらもかなりの額があるのではないかとされています。
 企業から寄付金として160億ウォンを集め、その見返りとして社屋の建築認可などを出したのではないかとの疑惑。

 こうした「司法リスク」が最大化していることもあって、イ・ジェミョンの党内求心力が失われているのではないか、ともされています。
 現状、共に民主党の国会議員は168人。それ以外にも離党したもののそれなりに近しい位置にいる無所属議員(ユン・ミヒャン等)が10人ほどいます。


 しかし、その中で親ミョン派(イ・ジェミョン派)は20人もいないのではないか、と報道されています。

「イ・ジェミョン周辺に20人も残っていない」という噂に… 「親ミョン」キム・ナムグクの解明は?(朝鮮日報・朝鮮語)

 記事中では親ミョン派議員が「そんなことはない」と必死に擁護しているのですが、こうした報道が出る時点で半ば終わってるんだよね……。
 イ・ジェミョン自身も「これから長くて深い冬がはじまる」と意味深なメッセージを発したとのこと。

韓国野党代表「長くて深い冬始まる」…ファンコミュニティに意味深長なメッセージ(中央日報)

 この「冬」が司法リスクの暗喩ではないか、との話題。
 党内からも「このままイ・ジェミョンが党代表では総選挙を戦えないのでは」との声が出ています。

薛勲共に民主党議員「李在明代表は潔白なら今からでも党代表を降りなければ」=韓国(Wow! Korea)

 ムン・ジェイン政権時代はなんだかんだでムン派は党内最大派閥として君臨できていましたが、イ・ジェミョンはそうではない……といったところ。
 器というか信頼度の違い、ですかね。
 そもそも大統領選挙の党内予備選でも最終的には圧勝できていたわけでもなし。
 まあ、当然といえば当然の扱いに収まりつつある、のでしょう。

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