国内製薬会社が開発に参加した新しいコロナ19経口治療剤「ゾコーバ」が緊急使用承認のしきい値を超えなかった。
中央防疫対策本部(防対本)は、コロナ19を経口治療剤のゾコーバの食品医薬品安全処緊急使用承認要求・国内導入について議論した結果、「必要性が低いと決定した」と28日明らかにした。
防対本は「これまで関係省庁、感染病診療医師ネットワーク、感染病管理委員会など3回にわたってゾコーバの臨床効果と安全性、薬品情報(服用対象、服用時点、併用禁忌薬物など)、海外緊急使用承認および購入国内の緊急導入及び活用性などを多角的に議論した」と説明した。続いて「感染病管理委員会審議・議決により、ゾコーバの食薬処緊急使用承認要求及び政府購入の必要性が低いと決定した」と明らかにした。ただし、防対本は海外での緊急使用承認・後続の臨床結果、購入及び活用状況などを継続的にモニタリングすると付け加えた。
ゾコーバは日東製薬と日本の塩野義製薬が共同開発した新しいコロナ19経口治療剤だ。コロナ19ウイルスのタンパク質分解酵素を選択的に抑制する方法で体内ウイルス増殖を防ぐ薬物である。臨床3相における症状の発現後72時間内患者を対象にコロナ主要5症状(咳、喉痛、鼻水・鼻づまり、発熱、疲労感)の改善効果を観察したところ、ジョコバ投与群が症状改善にかかった時間は約7日で、プラセボ群(約8日)より早く良くなった。日本では先月22日、緊急使用承認を決定し、米国とヨーロッパでは緊急使用承認の検討段階だ。 (中略)
防疫当局の関係者は「ゾコーバが数ヶ月ほど早く出たら良かったのに残念だ」と話した。同関係者は「緊急使用承認は、福祉部や疾病庁が公衆衛生危機状況で事態の緊急性を考慮して食薬処に要請することで、薬のリスク(危険)より効果が大きく、代替材がないか在庫が不足しなければならない」と話した。 彼は「現在流行の増加傾向だが、確定者が10万人以下に安定して維持されており、すでにファイザーのパックスロビッドやMSDのラゲブリオなど代替材があり、在庫も少なくない状況」と説明した。
(引用ここまで)
韓国で「共同開発」ということになっているらしい、塩野義のゾコーバについて緊急使用承認が得られずに医療現場では使用不可に。
ちなみにゾコーバで「共同開発」となっているのは韓国側リリースだけで、塩野義のリリースには日東製薬の名前は見当たりません。
塩野義のサイト全体を検索してもこんな感じ。
ちなみに医療関係者向けサイトのshionogi.co.jpでも同様の結果でした。
これらの結果から見ても「そういうこと」なのでしょう。
さて、そのゾコーバですが日本では緊急使用承認が得られたものの、12月18日までで使用されたのは4640人だったとのこと。
「ゾコーバ」、18日までの推定使用患者数は4640人 塩野義(日刊薬業)
まあ、どうなんでしょうかね?
塩野義のプレスリリースでは中国に輸出が決まったとの報告がありますが。
そもそも軽症・中等者の症状が消えるまでの時間を8日から7日へと1日短縮するだけの力しかないものですから。
その1日で救われる人も……まあ、いないわけではないでしょうけどね。機序からして全体の症状自体も軽くできるかもしれませんし。知らんけど。
この後も日東製薬は正式承認に向けて治験を続けるとのことでしたが。
うーん、日本では「海外からの輸入薬ではない」ということで、一定の需要があるのもまあ理解できないことではない部分もなくはない。
ただ、韓国にとってはパクスロビドやラゲブリオとなんら変わらない薬なんじゃないでしょうかね。
まあここまで「共同開発した」って言い張っているのであれば、もしかしたら国内で製造できるような契約になっているのかもしれませんが。
管理人注:当初、「一同製薬」としていたものを「日東製薬」に修正しました。
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