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2022年12月

韓国で進む少子化、それ以上に進む「小児科医の消滅」……司法リスクから小児科医の看板を下ろした医者は「変えて正解だった」

カテゴリ:少子高齢化 コメント:(91)
韓国の小児科、5年間で600カ所減少…母親たちの不当な圧力で閉院したケースも(朝鮮日報)
 大韓小児青少年科医師会のイム・ヒョンテク会長は「小児患者は成人に比べ検査や診断が難しく、経過が急激に悪化する特徴がある」とし「自分で症状を語ることができず、保護者を通して情報を得るが、不正確なケースが多い」と語った。大韓小児青少年科学会のハン・ミヨン法制医師は「(間違えた場合)訴訟になる可能性が高く、そのせいで医療陣が消極的な治療にとどめるようになる可能性もある」と語った。訴訟を恐れて、失敗する可能性もある治療をためらい、医療の質が低下しかねない-という意味だ。

 ママカフェなどの不当な圧力も、小児青少年科忌避の原因に挙げられる。ある小児青少年科医師は「一部地域のママカフェが、開業した小児青少年科に広告を要求しているが、これを拒絶したら病院・クリニックを中傷する異常な記事やコメントが付いたりする。これに耐えられず閉院する医師を何人も見た」とし、さらに「一部の保護者は非常に押しが強く、猛烈に怒るので、医師の立場からは侮蔑されたと感じる」「自分の周囲にも『小児青少年科』の看板を降ろして一般クリニックに変更した医師がいるが、みんな『変えてよかった』と言っている」と語った。過去5年間で廃業した小児科の数はおよそ600カ所に達する。 (中略)

 産婦人科も同様の問題を抱えている。「訴訟リスクが高いため分娩(ぶんべん)を嫌がる」という若い医師が多いという声も聞かれる。キム・ジェヨン大韓産婦人科医師会長は「年におよそ400人の新生児が分娩の過程で亡くなるが、紛争調停がなされるケースは10件ほどに過ぎず、ほとんどが訴訟になる
(引用ここまで)


 韓国における「貴重な子供様」であるが故に、小児科医の法的なリスクがぐんぐんと上昇している結果、小児科医になりたがる人材が絶無になりつつある……というニュース。
 過去5年で小児科が600ヶ所も減ったとありますが、今年8月時点で1件すら小児科も産婦人科もない自治体が16
 そうして小児科が減り続けることもあって、なおのこと1件1件の小児科医への負担が強くなり、なおのこと辞めていく……負のスパイラル。
 もちろん、少子化の影響というものも大きいでしょうけどね。

 どちらにせよ「小児科医」の未来はない。
 というわけで小児科専攻医の競争率は0.16倍になっているとのこと。

小児科専攻医が足りない韓国、入院診療やめた病院も…「低報酬で責任重大、誰も志望しない」(朝鮮日報)

 韓国でもこれら医師になんとかして国家的な支援を、との話は出ているのですが。
 いつものように話が出ているだけ。


 しかし、新生児の分娩過程で亡くなる件数が400件で、それがほぼそのまま医療訴訟になるとか恐ろしすぎる。
 日本の医療訴訟は年700〜800件くらい。
 韓国の場合、産婦人科だけで日本の総件数の半分になってるのか。ちなみに日本における産婦人科での訴訟件数はここ数年で40〜50件ほど。
 韓国はなかなかの訴訟頻発国家なのですが、これはすごい。

 最大の原因が「2017年の梨花大での新生児集団死亡事故」で、その状況を見た医学生らが小児科医を避けるようになった……とのこと。
 あ〜、あの事件か。
 看護師がろくに消毒もしていない手で大瓶から薬を分けて使っていたためにコンタミが起きた、というひどい事件。

 まあ……小児科になることになんらかのインセンティブを与えるしかないんじゃないですかね。しかも相当に多額の。

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韓国のスポーツ選手に大規模な「違法兵役忌避」事件か……「私に任せれば兵役免除間違いなし」を自称するブローカーが暗躍

カテゴリ:軍事 コメント:(51)
タグ: 軍事 兵役
兵役判定書を見てみると… 2年ぶりに「現役3級→5級免除」(SBS・朝鮮語)
私たちが単独報道した兵役不正の速報続きます。 兵役ブローカーが「払い戻しをする」とまで自信を示し、兵役免除を斡旋したという録音内容、昨日(29日)おつたえしました。 私の取材陣が実際にブローカーを通じて兵役を免除を受けた人の兵役判定書を入手しました。

この6月「兵役ブローカー」具某氏を通じて兵役免除を受けたA氏が兵務庁から発給された兵役判定を通知書です。
A氏は2015年に現役入営対象の3級判定を受けたが、2020年の再身体検査対象となった後、翌年てんかんで4級服務要員判定を受けました。
ブローカー具氏に会って2000万ウォンを渡した後、偽のてんかんの診断手法を伝えて聞いた後、等級が変わったのです。
1年が経ったこの6月にはてんかんで5級免除最終判定を受けました。 (中略)

兵役処分変更員を出せば疾病の経過によって、追加で身体検査を受けられるがてんかんの診断に1年以上追跡検査が必要な点を狙って長期間にわたって身体等級を操作したものです。
検察は最近、A氏を被疑者身分で召喚調査し、A氏は容疑のほとんどを認めたことに伝えられました。
検察は、ブローカーの具氏が、オンラインでブログなどを通じ、兵役逃れに成功したと主張する数百件あまりの事実かどうかを全部見ています。
(引用ここまで)


 なるほど、当然存在するだろうとは思っていましたが「私に依頼すれば兵役免除が入手できる」というブローカーが存在するというニュース。
 この記事で書かれているA氏はバレーボールのチョ・ジェソンという選手。
 「兵役免除できなければ返金します」とまで書いてあるブローカーを頼りにしたところ、再身体検査が行われて「てんかん症状がある」という本人の主張が認定されて現役兵としてではなく後方支援を行う社会服務要員判定を受けたとのこと。

 当然、そうしたノウハウを持った「もっとうまいブローカー」が存在するだろうということは想像に難くない。
 なにしろ一般人の兵役免除率は6%台であるにも関わらず、財閥とされるグループの免除率は33%と5倍にもなるとされていました。
 さらにサムスングループ一族の場合では73%に達していたそうです。
 いや、財閥には病弱な子供が多いんですねーってそんなわけもなく。


 サムスングループの総帥であるイ・ジェヨン副会長は椎間板ヘルニアで。彼の父親や叔父(サムスン創業者の子供たち)も一切兵役をしていません。長男であるイ・メンヒは「日本に密航して兵役を免れた」と自伝で書いているそうで。
 こうした部分からも「我々は特別な人間だ」という意識が生まれるのでしょうね。
 ナッツリターン事件をはじめとして2世、3世の起こすめちゃくちゃな事件はそうした自意識の反映ではないかと感じられます。

 閑話休題。
 で、件のバレーボール選手は「確かに私は兵役免除を依頼した」として謝罪しています。

プロバレーボールチョ・ジェソン「私は兵役不正加担者、罰を受ける」(オーマイニュース・朝鮮語)

 さらにこのブローカーが多くのスポーツ選手の兵役免除に関わっているのではないかとされています。
 年末からスポーツ界隈はこの話題で大騒ぎされてまして。
 「病気が理由で兵役免除」とされている選手への疑惑が膨らみ続けているといった状況。
 すでにサッカー選手が弁護士を伴って出頭しているとの話。
 スポーツ選手にとっての全盛期にあたる20代での1年半(ムン・ジェイン政権下で短縮済み)はなんとも厳しいのも間違いないのですけどね……。

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楽韓さん、本日の動向 - あけましておめでとうございます

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 あけましておめでとうございます。
 今年もこれまでと同じように活動していきますのでよろしくお願いします。
 まあ、多少は変わるかもしれんけど基本はブログ。

 KADOKAWAの日本人のための第一次世界大戦史が65%オフ。
 第一次世界大戦はなぜ起きたのか、日本人視点の解説書。
 この本も夢遊病者たちとかも読んだのだけども、深掘りすればするほどよく分からない。
 ひとつひとつのエピソードの解像度を上げても「なんでこれが大戦勃発につながるのか分からん」ってなってくる。もうちょっと前からの歴史のつながり、地政学的問題なんだろうなぁ……とはおぼろげに見えてきたんだけど。
 でもま、読んで面白い本ではありました。



 あとTwitterでの名前がひとつところに座らない小泉先生のウクライナ戦争の200日が50%ポイント還元。
 軍事屋兼ロシア屋である氏の活躍はとんでもないことになってますね。新刊のウクライナ戦争もおすすめ。



 コミックでは鍛冶屋ではじめる異世界スローライフが1巻半額、2、3巻は30%オフ。
 とにかくコミカライズ担当の絵がうまい。



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