大韓小児青少年科医師会のイム・ヒョンテク会長は「小児患者は成人に比べ検査や診断が難しく、経過が急激に悪化する特徴がある」とし「自分で症状を語ることができず、保護者を通して情報を得るが、不正確なケースが多い」と語った。大韓小児青少年科学会のハン・ミヨン法制医師は「(間違えた場合)訴訟になる可能性が高く、そのせいで医療陣が消極的な治療にとどめるようになる可能性もある」と語った。訴訟を恐れて、失敗する可能性もある治療をためらい、医療の質が低下しかねない-という意味だ。
ママカフェなどの不当な圧力も、小児青少年科忌避の原因に挙げられる。ある小児青少年科医師は「一部地域のママカフェが、開業した小児青少年科に広告を要求しているが、これを拒絶したら病院・クリニックを中傷する異常な記事やコメントが付いたりする。これに耐えられず閉院する医師を何人も見た」とし、さらに「一部の保護者は非常に押しが強く、猛烈に怒るので、医師の立場からは侮蔑されたと感じる」「自分の周囲にも『小児青少年科』の看板を降ろして一般クリニックに変更した医師がいるが、みんな『変えてよかった』と言っている」と語った。過去5年間で廃業した小児科の数はおよそ600カ所に達する。 (中略)
産婦人科も同様の問題を抱えている。「訴訟リスクが高いため分娩(ぶんべん)を嫌がる」という若い医師が多いという声も聞かれる。キム・ジェヨン大韓産婦人科医師会長は「年におよそ400人の新生児が分娩の過程で亡くなるが、紛争調停がなされるケースは10件ほどに過ぎず、ほとんどが訴訟になる
(引用ここまで)
韓国における「貴重な子供様」であるが故に、小児科医の法的なリスクがぐんぐんと上昇している結果、小児科医になりたがる人材が絶無になりつつある……というニュース。
過去5年で小児科が600ヶ所も減ったとありますが、今年8月時点で1件すら小児科も産婦人科もない自治体が16。
そうして小児科が減り続けることもあって、なおのこと1件1件の小児科医への負担が強くなり、なおのこと辞めていく……負のスパイラル。
もちろん、少子化の影響というものも大きいでしょうけどね。
どちらにせよ「小児科医」の未来はない。
というわけで小児科専攻医の競争率は0.16倍になっているとのこと。
小児科専攻医が足りない韓国、入院診療やめた病院も…「低報酬で責任重大、誰も志望しない」(朝鮮日報)
韓国でもこれら医師になんとかして国家的な支援を、との話は出ているのですが。
いつものように話が出ているだけ。
しかし、新生児の分娩過程で亡くなる件数が400件で、それがほぼそのまま医療訴訟になるとか恐ろしすぎる。
日本の医療訴訟は年700〜800件くらい。
韓国の場合、産婦人科だけで日本の総件数の半分になってるのか。ちなみに日本における産婦人科での訴訟件数はここ数年で40〜50件ほど。
韓国はなかなかの訴訟頻発国家なのですが、これはすごい。
最大の原因が「2017年の梨花大での新生児集団死亡事故」で、その状況を見た医学生らが小児科医を避けるようになった……とのこと。
あ〜、あの事件か。
看護師がろくに消毒もしていない手で大瓶から薬を分けて使っていたためにコンタミが起きた、というひどい事件。
まあ……小児科になることになんらかのインセンティブを与えるしかないんじゃないですかね。しかも相当に多額の。
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