5日、軍によると、陸軍が運用中のM系列戦車はM48A3K戦車(200台余り)、M48A5K戦車(400台余り)だ。 しかし、M48系列電車は渡河能力がなく、機動中に射撃が不可能だ。 また、アクティブアーマー装置や爆発反応装甲などがない。7個師団で運用中のM系列戦車は老朽化が激しく、機動力が時速50kmだったものが20~30kmに落ちている。
これに陸軍はK2戦車の導入を急いだ。2014年から実戦配置が始まり、1次量産100輛、2次量産106輛を経て現在は3次量産物量54輛を生産中だ。3次量産物量は昨年10輛、今年18輛、2024年4輛などに分け、京畿道・江原などに配置する計画だった。しかし、ポーランドにK2戦車が輸出され、これらを陸軍に納入せずに海外に送ることにした。
問題はこのような状況でも今年の4次量産予算がないという点だ。軍は第4次量産を通じて約150台以上を戦力化しなければならないと見ている。しかし戦車は追加生産されず、むしろ生産物量が輸出物量に転換してみると戦力が弱くなるしかない。 (中略)
軍はパワーパックを国産化しようとしたが、開発に続いて失敗してきた。K2戦車国産パワーパックの変速機開発事業は2005年から2014年まで485億ウォンが投入され、SNT重工業が引き受けた。しかし、2016年からK2戦車の2次量産を始めたが、パワーパックに装着する国産変速機が耐久度テストに合格できなかった。以後、防事庁は2018年、国産エンジンとドイツ産変速機を組み合わせた「混合パワーパック」を搭載することに決めた。 (中略)
一部では技術料、国産化などの理由で4次量産では、国産パワーパックを装着しなければならないという主張も出ている。 国防部と防衛事業庁は国産パワーパックの開発の相次ぐ失敗で国防規格まで改正した。
(引用ここまで)
韓国のK2戦車がポーランドに輸出され、去年の12月にはすでに納入されたそうです。
で、そのポーランドに輸出するK-2戦車のエンジンが韓国の純国産になったもの、とされる記事が出ているのでどうも誤解があるっぽい。
現代斗山インフラコア、ポーランド輸出K2戦車用のエンジン供給(亜洲経済)
この「国産エンジン」というのは、エンジン部分だけのこと。これまでいろいろと知財をライセンスしていたものだったのが純国産で作られるようになったと。
んで、変速機はまだドイツ製のままです。
少なくとも冒頭の記事を読むかぎりでは。
ただ、このドイツ製の変速機にも問題がある、とのことで。
実際に第1次生産のドイツ製パワーパック、第2次〜第3次生産の韓国製エンジン+ドイツ製パワーパックでもクラックが出るなどの支障が出ているとのこと。
K-2ドイツ産変速機でも異物(チャンネルA/YouTube・朝鮮語)
というか、ドイツのパワーパック、韓独のハイブリッドパワーパック、韓国製のパワーパックのどれでもで変速機に異常が出ているんだったらサスペンションかなんかに不具合があるって考えたほうがいいのでは。知らんけど。
最初の記事でのSNT重工業=S&T重工業なので、これまで失敗し続けてきてきたあそこ。
なんだったら「こんなハードルを課した政府のほうがおかしい、訴えてやる!」まで言ってましたからね。
なんでもドイツ製パワーパックを納入することでリベートを受けている官僚がいるのではないか、とも。
その一方で「国産変速機には充分な競争力がある」ともされていまして。
トルコのアルタイ向けに純国産パワーパックをテスト段階として供給しています。
理由は「ドイツ製の変速機を使っているとトルコ国内に人権問題が出た時に供給されなくなるから」とのことで。
この心配がなければ中東への供給もできるのではないか、とされています。
でもまあ、「重要な問題が出なければ合格」にまで国産変速機のハードルが下がったらしいので、今度こそ行けるんじゃないですかね。
とりあえずポーランドに輸出した分はまだドイツ製のままということを確認したかったので。
というわけでK-2を扱う時にいつもやっているアレを更新しておきますか。
陸軍「K2戦車は純国産の名品戦車(自分で言っちゃう)、600輛製造! 輸出もばんばんしていくぞ!」
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韓国の技術力ではパワーパックの製造ができないことが判明。初期生産の半数はドイツ製に?
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韓国メディア「パワーパックの製造に成功したのはドイツだけだから韓国で失敗してもしかたない」とか嘘をつく。
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K-2の量産予定を600輛→200輛に減数。第1期生産分100輛はすべてドイツ製パワーパックを採用。
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追加生産分約100輛については国産パワーパック採用が決定。
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ついで3次生産分約100輛の追加生産が決定。全生産数は約300輛(予定)に。
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ただし開発チームはすでに解散済。
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S&T重工業の生産する変速機が9600km走破の耐久テストに合格できないことが判明。
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6回目のテストを行ってもどうしても合格できない。
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S&T重工業、業を煮やして封印してドイツに送って原因究明するべき部品の封印を勝手に破ってしまう。
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S&T重工業「耐久テストのハードルが高すぎる。訴えてやる!」と韓国政府を提訴。
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S&T重工業、軍から第7回耐久テストを依頼されても試作変速機を提出するつもりなし。
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ヒュンダイロテム、1日4500万円相当の天文学的遅延賠償金支払い義務(上限なし)に頭を抱える。
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国産変速機の採用を断念。
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ドイツ製変速機の採用が決定。
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ポーランドへの輸出を試みるものの失敗。
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ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、一転ポーランドで大量採用決定。ただし、変速機はドイツのまま。
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