韓国のある中小企業が、130兆ウォン(約13兆7000億円)の価値があるボリビアのリチウム租鉱権(他人の鉱区で鉱物を採掘できる権利)を取得したと発表した。リチウムは二次電池の製造に用いられる重要な鉱物で、電気自動車(EV)の生産増加によって、ここ2~3年間で価格が急騰している。一部メディアが先を争ってこの内容を報道し、会社の株価は急騰した。
ボリビア側はこれに対しすぐに強く否定した。事件はハプニングで終わると思われた。ところが、同企業は租鉱権の獲得は事実だと述べ、釈明を公示した。ボリビアのリチウム採堀権を保有し、この中小企業と租鉱権の取引を行ったという米国のエネルギー企業の会長の韓国メディアのインタビューまで加えた。投資家の間では、真実をめぐる攻防が繰り広げられた。その渦中に、同中小企業の大株主である代表は、資本市場法(資本市場および金融投資業に関する法律)違反の疑いで拘束された。
130兆ウォンのリチウムの真実を最もよく知っている当事者が拘束され、この企業の電話はすべてつながらない状況だ。ボリビアの立場は現時点でも確固としている。安易に租鉱権獲得を報道したメディアは気まずい思いをしている。この1カ月ほどの間に市場で広がった「130兆ウォンのボリビアのリチウムミステリー」の真実は、一体何なのだろうか。
(引用ここまで)
去年の11月終わり頃に韓国の中小企業が「ボリビアのウユニ塩湖のリチウム租鉱権を取得した、と発表したことがありまして。
韓国のメディアは「充電池の核心素材であるリチウムを大量に確保した!」と大騒ぎで報道していました。
インドン先端素材、ボリビア122万トンリチウム租鉱権取得(韓国経済新聞TV・朝鮮語)
以前にポスコがアルゼンチンの塩湖での採掘権を確保したことがあって、それに次ぐ異形として報じられたのですね。
当然のように株価が急上昇するなどけっこうなニュースになっていました。
で、それがすべて嘘であるということが判明した、と。
韓国ではよくあることです。
以前にも「カメルーンのダイヤモンド鉱山を確保した」と発表されたことがあるのです。イ・ミョンバクの資源外交の大きな成果としてこれも大きく報道されました。
結果、ただのインサイダー取引のための材料になっただけのものだったことが判明しています。
すべてが嘘。
そもそもカメルーンにダイヤモンド鉱山なんて存在していなかったレベルで嘘。
あるいは韓国政府が「エリクソンが韓国にR&Dセンターを設立する」「15億ドルレベルの投資になるだろう」と発表したことがあります。
これもすべて嘘。
エリクソンのヴェストバークと大統領府高官が「R&Dセンターを設立するとしたら投資額はどのくらいになるでしょうかね?」「15〜20億ドルといったところですかね」と世間話を交わしたら、その翌日に「エリクソンが韓国に投資する」という話としてプレスリリースが発表されていたっていう。
ね、よくあることでしょ?
あと「地上波で『大企業もできなかった電気自動車を中小企業が作り上げた』って番組を放映」したことがあるのですが、件の中小企業の代表が番組製作プロダクションの社長の弟だったってオチなんてこともありましたっけ。
よくあることなんですよ。
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