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2022年12月

アメリカの対中半導体規制があまりにもエグい。中国の半導体産業は終了、韓国企業も大きな巻き添えを食らい、さらに台湾有事が早まる可能性も

なぜTSMCが米日欧に工場を建設するのか ~米国の半導体政策とその影響(EETimes)
  2020年になってコロナの感染が拡大し、爆発的にリモートワーク、オンライン学習、ネットショッピングが普及したため、2021年に世界的に半導体が不足する事態となった。加えて、「半導体を制する者が世界を制する」というブームが到来し、世界中で半導体工場の建設ラッシュとなった。 (中略)

 本稿では、米国の半導体政策に焦点を当て、それが世界にどのような影響を及ぼしてきたか、または及ぼすと予測されるかについて論じる。

 結論を先取りすると以下のようになる。2022年10月7日に米国が発表した対中規制(以下、「2022・10・7」規制と呼ぶ)は異次元の厳しい措置であり、中国半導体産業に甚大なダメージを与えることになる。しかし、その報復措置として中国が台湾に軍事侵攻する、いわゆる「台湾有事」を誘発するかもしれない。そして、そのような時の保険として、TSMCが生産能力を分散するために米日独にファウンドリーを建設することにしたのではないか、と推測した。
(引用ここまで)


 Twitterで「これ読んで!」って先の数時間ほど騒ぎ続けていた記事。
 明日の本日の動向でピックアップするか、Twitterで完結させるか悩んでいたのですが。
 まあ、韓国についても言及があるので本編でも取り上げようかなということで。

 以前から楽韓Webでは「今回のアメリカによる対中国半導体輸出規制はすごい」「すごいうというかやばい」「これなんで日本のメディアは取り上げないの」と言い続けてきました。
 その内容を網羅して書き記すことすら一苦労なので羅列はしてきませんでしたが。
 本記事を見てもらえればそのやばさが一目瞭然であると思います。

 そもそも2020年5月にTSMCがHuaweiへの半導体出荷を取りやめた時点で「え、これを理由として中国の台湾侵攻くらいありえるぞ?」って思っていたのですが。
 これはまだ序章だったのですね。

 去年8月のCHIP法への署名が行われ、ついで10月に課されたCHIP法で補助金を受け取った企業は中国への工場投資一切を禁じるという発表がありました。
 もう、本当に微に入り細に入り。
 中国の半導体工場は息をすることも禁じるっていうレベルでの規制。

 これによって韓国企業のサムスン電子、SKハイニックスは中国に大規模投資したNANDフラッシュメモリとDRAM工場の競争力を奪われました。
TSMCにおける中国南京工場の割合は同社の10%にも満たないが、Samsungの西安工場で生産する3次元NANDは同社の約40%を占める。また、SK hynixの大連工場で生産する3次元NANDは同社の約30%、無錫工場で生産するDRAMは同社の約50%を占める。
(引用ここまで)

 半導体製造、特にメモリー製造においては最新プロセスを採用してなんぼの代物なので、アメリカの規制でこれらの工場は細々と古いプロセスでの製造をするしかなくなったのですね。


 一応、工場への納入は「許可制」ではありますが、基本的に拒絶されるものとなっています(ただし、1年間の猶予あり)。

 韓国メディアが「SKハイニックスはインテルの中国工場をつかまされた。だまし討ちだ」と言うのもまあ多少の理があるのではないかって感じられるほどのもの。
 まあ、もっと正直な話をすればアメリカ政府の方向性を見ていたらなんであんな投資したんだって話ですけどね。

 さらにアメリカは12月に長江メモリ(YMTC)を「中国人民解放軍と関係性が高い」として貿易禁止リストに入れる意向を示しました。

中国YMTCなど30社超を禁輸リスト 米商務省が発表(日経新聞)

 YMTCは積層NANDフラッシュメモリの開発に成功して、アップルが「安いならサプライメーカーに入れるかも」くらいに言っていたメーカー(でした)。

アップル、中国半導体の調達保留(日経新聞)

 この時の衝撃度はちょっと筆舌に尽くしがたいというか……「そこまでやるんだ」って感じでしたね。
 YMTCはもう廃業するしか手がないです。いや、本気で。

 「実を言うと中国の半導体産業はもうだめです。突然こんなこと言ってごめんね。
 でも本当です。2、3日後にものすごく黒いリストにYMTCが掲載されます。
 それが終わりの合図です。程なく大きめの反発が来るので気をつけて。
 それがやんだら、少しだけ間をおいて終わりがきます」

 石油禁輸どころじゃない。
 中国国内では28nmプロセスが作れるかどうか、主力は40nmプロセス以上っていう状況で5世代以上先を行っているTSMCと競わなければいけないとかね。
 その結果として冒頭記事の筆者は「台湾有事が早まったのではないか、そのリスク対策としてTSMCは工場を分散させたのではないか」と推測するのですが。
 まあ、その結論の是非はともかく。

 記事中のアメリカの本気度を読んでみてください。
 楽韓さんがこれまで「これやばいよ」と言い続けてきた理由が分かってもらえるかと思います。
 メンテすらできないんじゃ終わったも同然。

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「世界最悪の労組」とされる韓国の民主労総幹部、北朝鮮工作員と東南アジアで接触して地下組織結成のための工作資金を受け取っていた……ユン政権成立後に諜報機関が復活したために立件へ

民主労総幹部、カンボジアやベトナムで北の工作員から工作資金受領か(朝鮮日報)
 民主労総の局長級幹部A氏をはじめとする4人は、いずれも国家保安法違反の疑いが持たれています。

 捜索令状にはA氏が2017年にカンボジア、19年にベトナムで北朝鮮文化交流局の工作員に会い、工作資金を受け取ったこと、地下組織結成などに関する指令を受けたことが記載されていたもようです。国家情報院はA氏が韓国に戻り、保健医療労組、光州市の起亜自動車に所属する労組員を抱き込んで下部組織をつくり、反政府活動に始めたと判断しています。 (中略)

 当局は民主労総による反政府活動の一部が北朝鮮の指令に従ったものとみています。
(引用ここまで)


 2017年、2019年とベトナム、カンボジアで北朝鮮工作員と民主労総の幹部が面会していた、というニュース。
 この件について民主労総は国家情報院(旧CIA)による家宅捜索を受け、大騒ぎになっています。



 北朝鮮工作員との接触は昨今はよく東南アジアが使われています。
 国交があり、北朝鮮の在外公館が存在していることから工作員の送り出しがしやすいのでしょうね。
 韓国からも観光パスポートで渡れて、比較的安価に行けるという部分も大きいと思われます。

 今回の事件以外にも正義連の元理事長であったユン・ミヒャンの議員補佐官がベトナムで工作員と接触していたとのニュースがありました。
 常套手段というわけです。


 さて、この接触が行われたのは2017年、2019年だったのですが。
 ここまで明らかになっていなかった。
 なぜかというと、前政権であるムン・ジェイン政権下では国情院の対北朝鮮捜査権限に圧力が加えられていたから。

民主労総幹部と北工作員の接触、文政権時代の国家情報院が捜査を握りつぶしていた(朝鮮日報)

 ムン・ジェイン政権では北朝鮮へ5億ドルを送金した主犯とされているパク・チウォンを国情院長官として送り込み、対北朝鮮スパイへの捜査権限を弱体化させようと圧力を加えていました。
 就任からの4年間で北朝鮮のスパイ、工作活動に対して摘発がゼロだったことが報じられていましたね。
 その一方で国情院側も「ムン政権の5年は耐えよう」と認識していたのでしょう。

 ムン・ジェイン政権が終わったと同時に活動を再開させた、といったところです。
 そうして、ユン・ミヒャンの議員補佐官の件や、今回の民主労総の件が立件されようとしている、と。
 時として「韓国の政権交代は易姓革命だ」として揶揄されますが。
 易姓革命なら少なくとも王朝が滅びるまでは持つのですが、韓国では5年ごとになにもかもが変わってしまうわけで。

 こんな国を相手に約束をするという空しさよ。

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韓国経済:野村證券「今年の韓国はマイナス成長になる」と予測……不動産の下落がトリガーか

野村証券「今年の韓国経済は0.6%マイナス成長…5月に基準金利引き下げへ」(ハンギョレ)
 野村証券による今年の韓国の国内総生産(GDP)成長展望値は-0.6%。韓国銀行(1.7%)や韓国企画財政部(1.6%)の見通しより悲観的だ。野村証券は、グローバル投資銀行の中で最も悲観的な国内外の経済見通しを出す傾向を見せてきた。

 シュバラマン博士は「対外的には、リオープニングにともなう中国経済の回復は今年下半期になってようやく可視化されるだろう」とし「先進国はすでに景気低迷を体験しており、今年第1四半期のみならず第2四半期までは需要の空白が避けられない。対内的には、高金利発の住宅景気悪化、非金融圏の民間信用リスク増大が今年の韓国経済の主な難関になるだろう」と見通した。

 彼は「過去の経験上、信用悪化に触発された不動産市場の好況が瓦解する時、経済全般に及ぼす影響はさらに大きい」として「マイナス成長のリスクと期待インフレの下落の中で、韓銀の基準金利引き上げは今月(年3.50%)で終わった」と診断した。

 シュバラマン博士は、今年5月に韓銀が基準金利の引き下げを開始し、主要国中央銀行の中で初めて基準金利を引き下げることになり、韓米基準金利逆転の解消は来年後半になって可能になると予想した。
(引用ここまで)


 野村證券が今年の韓国の経済成長率をマイナス0.6%になると予測。
 まあ、あり得ない数字じゃないなぁ……と実感。
 特に不動産がどうなるかによって充分にマイナス成長の可能性があります。

 とはいえ、記事中にもあるように野村證券はかつてから韓国経済に厳しい予想を立ててきたのは実際なのです。
 2015年の経済成長率について野村證券がいち早く2.5%という予想を出していたことがありまして。
 その際の韓国政府による予想値は4.2%でした。
 結果、2.81%でどちらかといえば野村證券の予想が正しかったという結果になったのですね。


 同様にムン・ジェインの「所得主導成長」が失敗しかけていた(というか最初から失敗は約束されていたけど)2019年の経済成長率を1.8%と予想したことがあります。
 韓国政府の予想値は2.5-2.6%。
 この時は望外の不動産好況が続いたこともあって、2.24%を記録しました。

 ただ、今回は頼みの綱の不動産がじわじわとした右肩下がりを続けていて、どこまで下がるのか見えてこない状況。
 そして最大の問題は中国経済が新型コロナの影響で伸びていないこと。
 去年の経済成長率は3.0%でした。

中国経済、昨年は3%成長 ゼロコロナ政策で打撃(BBC)

 市場予想は上回ったものの、感染拡大に伴う混乱は続くと予想されています。

 中国が咳をすると寝込むのが韓国経済。
 尿素大乱を見ても分かるように、韓国経済は中国への依存が高すぎるのです。
 正直、希望になりえるものが見えていないんですよね。
 ムン・ジェイン政権の5年間の成果が「屋台でフナ焼きを売る若者たち」になったわけで、ユン政権の問題ともいえないのですけども。

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楽韓さん、本日の動向 - 麻雀で伸び悩んでいるならオバカミーコを読むべし

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 Mac miniはどうせ16GBメモリにするならM2PRO搭載の最低スペックにする、って手もあるなぁ。
 んで、このサードのドッキングステーションにSSDいれてワークスペースにする。



 まあ、こうして悩んでいる時が一番楽しい。自作PC組む時もどれを選ぶか悩んでいる時が楽しいですしね。

 百合マンガのcitrusが1、2巻9円、3巻以降はポイントが50%だったり40%だったり。
 あと続編というか補完編のcitrus+が1巻9円。

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 こないだ紹介した図解 古代・中世の超技術38 「神殿の自動ドア」から「聖水の自動販売機」までのセールは今日まで。
 買ってちょっとだけ読みましたが面白いです。異世界転生もののネタ本とかにもできそう。らせんポンプとか特に。



 あとオバカミーコが1〜3巻まで109円、以降も半額になっています。麻雀の戦術教科書。雀魂で伸び悩んでいる人は読んで実践できれば相当に強くなれるはず。雀傑くらいには行けるんじゃないかな。
 ちなみに楽韓さんは雀傑3で伸び悩んでいます(笑)。どうも抜けきらんのだよなぁ……。



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