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2022年12月

韓国ソウルの不動産価格動向を決めるとされていた大規模再開発計画、成約率を秘匿してしまう……「公表できないほどに悪いのか」と駆け巡る噂、その間にも不動産価格は右肩下がりで……

遁村住公契約率'秘密'…「悪影響与えるほどなのか」飛び交ううわさ(韓国経済新聞・朝鮮語)
ソウル江東区「遁村住公再建築(オリンピックパークフォレオン)」組合や施工事業団が1・2順位の当選者の最終契約率を公開せず、市場で様々な推測が飛び交っている。 契約率が50%を下回るという主張も出た。

28日整備業界によると、遁村住公再建築施工事業団と組合は、政党契約最終契約率を公開していない。施工事業団の関係者は「無順位成約が終わる3月まで契約率を公表しないだろう」と話した。 現行法上規制地域で民間マンションは、契約率と残りの世帯数などを公開しなくて済む。 江東区は1・3対策で規制地域から解除された。

オリンピックパークフォレオンは地下3階〜地上35階、85棟、1万2032世帯規模団地が造成される。このうち3695世帯が一般分譲に供給され、今後分譲市場の尺度となると関心を受けた。分譲受け付けを控えて「10万成約説」まで流れたが、実際の競争率は平均5.45対1で市場の期待値より低かった。

以後、正当契約を受け付けた施工事業団と組合は契約率を非公開することにした。 施工事業団は「予想よりもよく行われた。概ね肯定的」とし、占有59.84平米は70%以上という曖昧な数値を流した。 (中略)

しかし、関連業界では契約率が低迷しているために公開を憚っていると解釈する。 ある大手建設会社の関係者は「契約率の公開が義務ではないとしたが、市場の期待に応えたり、それに準ずる水準になれば公開する」とし、「知られることが分譲に悪影響を与えるほど契約率が低迷しているからではないか」と話した。 (中略)

不動産コミュニティでは、予備順番倍数を逆算して遁村住公契約率は48%台に過ぎないという主張も出た。 これについて、施工事業団は「市場に出回っている契約率は根拠がない」、「3月まで契約率非公開の方針を維持する」と話した。
(引用ここまで)


 以前から「遁村住公がどうなるかで韓国の不動産爆弾の威力が決まる」といった話をしています。
 遁村住公は1980年に立てられた公共住宅で、6000世帯ほどが入っていた「団地」でした。
 「5階建ての団地」だったものを高層マンションとして再開発して、1万2000世帯規模のものにアップグレードして再入居した世帯以外を分譲するという計画でした。だいたい5000世帯規模が新規募集されたものですね。

 で、なんでこの「遁村住公」がそこまで注目されているのかというと──

・ソウルの中心地に近い
・江南そのものではないけども高級住宅地である江南地区にほど近い
・ここまでの大規模分譲は久々

 そして、なにより成約率が70%にならないとPF(プロジェクトファイナンス。分譲計画自体を担保とする実質無担保融資)の借り換えが破綻するともされていたのです。
 「不動産爆弾の威力を決める」、というのも理解してもらえるのではないでしょうか。


 さて、ソウルの不動産は去年だけで平均20%ほど下落したとされています。
 ユン政権が矢継ぎ早に不動産投資規制緩和を出したのですが、それは遁村住公のためではないか……とされていたほど。
 ソウルの不動産の命運を握っていたわけです。

 そんな中、この大規模分譲の成約率がどうなったかというと……よく分からない。
 事業団は「予想よりもよかった」「占有59.84平米の世帯は70%成約した」とかいう曖昧な物言いしかせず、一般的には公表される全体の成約率を発表しませんでした。

 結果、こうして「想定よりも成約率が悪かったのではないか」との噂が駆け巡っているわけです。
 疑惑を払拭するには領収書出せばいいだけ……おっと間違った、成約率を出せばいいだけなのにね?
 業界からは「半分も行ってないのでは」との噂が出ています。

 3月までになんとか手当てをして、数字を整えるのではないかともされています。
 まあ、その間にもソウルの不動産価格はじわじわと失血するかのように下がり続けているわけですが。
 江南地区は一ヶ月で5.17%下落したともされていて、かなりやばそうです。

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韓国メディア「少子化で国家的危機を迎えているのに政府も与野党もなにもしてない!」と叫ぶ

【コラム】国家的危機と言いながら緊張感も切迫さもない=韓国(中央日報)
2023年のさまざまな見通しがあるがそのうちのひとつは扶養率の急加速が始まる年という点だ。正確に言えば高齢者扶養率の急加速だ。税金を払って高齢者を扶養する経済活動人口に比べ扶養を受ける高齢者の数が増える速度が本格的な猛スピード段階に入り込むという言葉だ。児童と高齢者を合わせた総扶養率は2058年になれば100%を超えると予想される。扶養する人より扶養を受ける人が多くなる。今年から2058年まで扶養率上昇は恐ろしいスピードで疾走し、その後も当分続くだろう。韓国より高齢化時期が30年近く早かった日本の場合、このような扶養率上昇の変曲点は1990年代後半に訪れた。当時45%だった日本の扶養率がいまは72%だ。90年代後半からいままでの時期はよく言われる日本の「失われた30年」とほとんど正確に一致する。 (中略)

危機を機会にすることを可能にするなら創意的な政策が考案され長期的に一貫性を持って執行されなければならない。女性たちに出産を増やせとだけ要求するのではなく、多くても少なくても生まれた人口をどのように教育し高付加価値を創出する労働力として育て、どんな移民を受け入れ、産業構造をどのように再編し、税金をめぐる社会的正義をどのように変え、超高齢社会の「隠れた福祉国家」である既成世代の不動産と関連した政策をどのように転換するのか、高齢者の基準年齢を少しずつ上げていき彼らの経済活動期間をどのように伸ばすのか、高齢者人口が特に弱い感染症をはじめとする彼らの健康と療養と介護世の質を高め、それにかかる費用をどのように効率化するのか、最先端医療機器産業の発展を通じ老年期に集中する福祉費用をどのように削減するのかなど高齢化の危機を機会に転換するためにやるべきことのリストは終わりがなく、ほとんどすべての政策領域にまたがる。大統領が2年に1度会議に参加したり、この分野に対して深く悩んだ痕跡がない人を高位ポストに座らせて解決できることではないということだ。
(引用ここまで)


 少子高齢化が極端な形で進みつつある韓国から「国家的な危機であるはずなのに、政府から、与党から、野党からその姿勢が見れない」とするコラム。
 だいたいまあ正しいことは言っている。

 パク・クネは少子化対策委員会の会議に2回しか参加しなかった。
 現在の与党対策委員長は政策としての少子化にまったく興味がない人物。
 野党代表(イ・ジェミョン)は「超富裕層への増税」を提唱。
 誰もなにも新しいことを提唱していない、と。


 まあ、言いたいことは分からないでもない。
 というかですね、ムン・ジェイン政権の5年間ですべて終わった話なんですよね。
 一昨年の合計特殊出生率が0.81、去年は0.7台になるだろうと予想されています(今年の速報値は2月発表予定)。
 先進国のそれが1.3〜1.6くらいで下げ止まりしている。
 韓国ははるかに上(下?)を行っているわけで。

 もう少子化については方向性が定められている。ただ、ここから数年がベビーブーマーの孫たちの世代。ちょっとだけ人口が増えている世代で、最後のチャンスではあるのですけどね。
 ま、もう方向性自体は定まっているので意味がないともいえるかな。
 なぜか当局の予想では2040年で1.19人、2046年以降は1.21人に反騰するってなっているそうですが。

韓国、2055年には国民年金が底をつく…枯渇時点を2年繰り上げ(ハンギョレ)

 いまの韓国のどこをどうつついたら反騰するんですかね……。
 ちなみにこれは「中位水準ケース」として予想値の真ん中をとったものだそうです。3月には「最良のケース」「最悪のケース」も含めて詳細値が発表されるとのことで。
 これまでおおよそですが、提示された最悪のパターンをなぞってきているので「実際の予想」はそれになると思われます。

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韓国のシャインマスカット作付面積、日本の4倍にもなっていた……それに伴って価格も品質も下落の一途

墜落するシャインマスカット… 栽培面積↑品質↓(アジア経済・朝鮮語)
主婦キム・ミヒさん(34)は先日、シャインマスカットを購入して失望した。ちょっと安くなった価格に導かれてカートに入れたが家で食べてみると昔の味ではなかったからだ。キム氏は「最近シャインマスカットの甘さが少なくなったようだ」とし「これなら他の果物を購入して食べるほうがいい」と話した。

最近「高級ブドウ」と呼ばれるシャインマスキャットの人気が墜落している。数年間、栽培面積と生産量が急激に増加し、過剰生産で品質下落を経験している。

9日、ロッテマートによると昨年12月基準ブドウ(シャインマスカットを含む)はフルーツ販売で4位を記録した。これは2020年と2021年3位で一段階下落した順位だ。2021年には1~5位にイチゴ、柑橘類、ぶどう、トマト、りんごが名前を上げ、昨年はいちご、柑橘類、りんご、ぶどう、トマトの順で売り上げが高かった。

過去にはシャインマスカットが珍しい品種とされていたが、今では一般品種(キャンベルアーリー)よりも一般的になった。農家が栽培品種を変えながら生産量が急増したためだ。韓国農村経済研究院によると、昨年の国内ブドウ品種別栽培面積は、シャインマスカット(6067ha・41.4%)がキャンベルアーリー(4642ha・31.7%)を追い越した。今年はシャインマスカット(6576ha)、キャンベルアーリー(4376ha)で格差はさらに広がると見込まれる。

シャインマスカットの栽培面積が大々的に拡大されたが、品質管理はきちんと行われていないという指摘が出ている。一部の農家で高価に売るために、通常出荷よりも引き上げ、商品を市場に出したのも品質低下に一役買った。大型マート関係者は「昨年の農地栽培シャインマスカットの一部早期出荷であまり熟していない商品が存在した」とし「今後徹底した品質管理が重要とみられる」と指摘した。
(引用ここまで)


 韓国でシャインマスカットが大量に生産され、一気に全体の品質と販売金額が落ちたという話は今シーズンあたりから語られていました。
 2キロ入りの一箱が1万5000ウォンだったものが1万ウォン前後で売られるようになっているとのこと。

 この記事によると作付面積は6000ヘクタールを超えて、韓国で一般的だったぶどうのそれをはるかに上回っている。
 かつては「希少な高級ブドウ」であったものが、一般的なブドウ以下の存在になりつつあるというオチに。
 特に「以前のような品質ではなくなった」という話がこうしてメディアから伝えられるようになって、シャインマスカット自体が忌避されつつあると。


 以前のニュースで「より多くの収穫を望んでいる農家が摘果もせずに肥料をガンガン与えている」という話がありまして。
 そんなんやっていたらまあ、皮が厚くなったり甘みが落ちたりするわな……。

 ちなみに日本でも作付面積はシャインマスカットが1位になったそうですが、それでも1778ヘクタール。

ブドウ首位にシャインマスカット 22年産面積 5年で倍も高単価(日本農業新聞)

 まあ、実際に「高品質なぶどう」を作るのであればこのくらいが限度なんだろうな、という感じ。
 日本の4倍近い作付面積を「これが儲かるんじゃあぁぁぁ!」とばかりに植え続けて、結果として価格下落と品質下落の両方を招いているっていう。
 なんだろうな、寓話とかに出てきそうな教訓話ですね。

 ちなみに旬で価格下落がひどかったので、旧正月のお土産を狙って低温保存していたものを放出したそうですが、けっきょく価格は上がらなかったそうですわ。

「旧正月狙ったのに…」価格3倍の暴落に慶山シャインマスカット農民たち、泣きべそをかいて(マエイル新聞・朝鮮語)

 去年は2キロで3万3000〜5000ウォンだったものが1万1000ウォンていど。
 もはやシャインマスカットという品種自体が忌避されているんだよなぁ。

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