新年の始まりから貿易に暗雲が立ちこめている。グローバルに景気鈍化が持続し、半導体業況が低迷し、輸出が4カ月連続マイナスを記録した。特に貿易収支は25年ぶりに11ヶ月連続赤字を続けた。赤字幅も歴代初めて100億ドルを超えて最悪の実績を見せた。
1日、産業通商資源部が発表した「2023年1月の輸出入動向」によると、先月の輸出と輸入は前年比それぞれ16.6%、2.6%%減少した462億7000万ドル、589億5000万ドルと集計された。
輸出減少は、高物価・高金利などグローバル景気鈍化持続と半導体の業況悪化などに影響を受けた。 (中略)
品目別に見ると、半導体輸出は前年同月比44.5%急減し、1月の輸出減少分の約52%を占めた。これは半導体のうち輸出比重が大きいDRAM・NANDなどメモリ半導体製品価格が需要弱税、在庫累積などの影響で急落したためだ。
特に半導体最大輸出市場である対中半導体輸出は46.6%減少した。 (中略)
これによって貿易収支は126億9000万ドルで史上最大の赤字を記録した。 月基準貿易赤字が100億ドル以上を記録したのは今回が初めてだ。 月間基準で、従来の赤字、過去最大値だった昨年8月(94億3500万ドル)の記録を上回ったのだ。
これで貿易収支は11ヵ月連続赤字が続いた。 貿易赤字が11ヵ月以上続いたのは1995年1月∼1997年5月連続で赤字を出した後、25年ぶりのことだ。
(引用ここまで)
韓国経済がいよいよもってやばいことになりつつある、と。
これまではなんかしらで救われてきたのですよ。IMF管理下に置かれた時以外は。
半導体がダメならスマホ、スマホがダメなら自動車、自動車がダメなら船舶等々。
いや、今回も自動車と船舶は売上が増えているのですが。
でも、それを救えないほどに半導体がダメ。
半導体というかメモリですが。
とにかくメモリ半導体の市況が悪い。
先日もDRAM、SSDが下落していていてどうにもならないとお伝えしていますが。
いや、ホントにやばいレベル。
去年の第4四半期、サムスン電子は「ぎりぎり赤字ではなかった」、SKハイニックスは10年ぶりの四半期赤字。
サムスン電子の半導体部門、10-12月営業利益は衝撃の97%減(朝鮮日報)
SKハイニックス 約10年ぶりに赤字転落=半導体メモリー価格下落で(聯合ニュース)
サムスン電子は「それでも減産はしない」と言い張っていたのですが「市場の問題があってゴニョゴニョ」みたいに態度が変わってきた模様。
「パフォーマンスショック」サムスン半導体、事実上の減産へ(毎日経済・朝鮮語)
メモリの減産はともかく、設備投資の手は緩めないともしていますが。
ここに加えて内需は不動産爆弾がアレ。
これまで「未分譲のマンションが5万戸を超えたらレッドライン」とされていたのですが。
現状は6万8000戸が未分譲。
全国未分譲6万8000世帯… 「リスクライン」を超えた(朝鮮日報・朝鮮語)
オワタ。
特に地方だけで5万7000戸と絶望的な数字になっています。
この地方はいわゆる首都圏の他の地域を指します。ソウル特別市、京畿道、仁川市以外。
パク・クネ政権後期からムン・ジェイン政権にかけて不動産ローンの規制を弱めたり強めたりでなんだかんだ不動産(だけ)は右肩上がりを続けていたのですが。
そのツケを払う時がきてしまったかな、といったところ。
楽韓Webでは2012年くらいから「このままだと不動産価格が経済システム全体を巻きこんで崩壊するのでは?」という話を何度かしてきました。
長々と延命措置が取られてきたのです。
ついにそれが「日経が報じるレベル」にまできたわけで。
若干、感慨深いかな。
Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→Follow @rakukan_vortex