最近、路上と公園を飾る桜は「ワンボンナム」だ。木の名前を案内する立て札に大体そのように書かれている。木に詳しい人に聞くと、「日本で改良したソメイヨシノという品種であり、その起源は済州漢拏山に自生するワンボンナム」という答えが返ってくるだろう。実際、天然記念物に指定された済州道の韓国特産桜の自生地には「ワンボンナム自生地」という立て札が立っている。しかし、山林庁国家標準植物目録には日本産ワンボンナム桜の名称を「ワンボンナム」とし、自生ソメイヨシノの名前を「済州ワンボンナム」と記している。 (中略)
一連の研究結果、韓国と日本のワンボンナムが違うという事実が明らかになり、自生種を普及しようという運動が起きた。昨年結成された社団法人「ワンボンナムプロジェクト2050」(会長シン・ジュンファン東洋大学教授)は、全国の公園や公共施設、街路樹などにワンボンナムの代わりに済州産ワンボンナムに植え替えようという運動を展開している。 (中略)
しかし、国立樹木園の研究が議論を終わらせることはできなかった。むしろ国政監査などで「ワンボンナムが日本原産だという主張を受け入れ、結果的に生物主権を渡した」という批判の声が出てきた。済州島の反発も大きかった。国立樹木院の研究で遺伝体を分析した済州ワンボンナムは5本だったが、その一つである観音寺ワンボンナムが日本ワンボンナムと遺伝体が同じだという特異な結果が出たことも議論を呼んだ。樹齢130~140年の観音寺ワンボンナムは代表的な済州自生のワンボンナムで済州郷土遺産3号に指定されており、国立山林科学院が後継木を育成普及している木でもある。これに対して学界の一部では「ワンボンナムの自生地は済州が唯一で、日本ワンボンナムは栽培種なので多様な要素が混ざって入ったはずなので済州起源の桜が材料として使われた可能性もある」として済州起源説を主張している。
論難が続くと国立樹木園は23日「ワンボンナムの起源に関する研究を3年間追加で行う」と明らかにした。国会と済州道はもちろん、韓国山林科学会と韓国植物分類学会など学界で追加研究が必要だと要求したことに伴う措置だ。国立樹木院のチェ・ギョン山林生物多様性研究課長は「今回の研究では済州はもちろん日本現地調査と人文・歴史学的研究も行う予定」とし「済州起源、日本起源、第3国起源などすべての可能性を開いておいてワンボンナム起源を巡る疑問を解消する」と話した。彼は「済州だけでなく海南など全羅南道のワンボンナム自生地も調査する」と付け加えた。
(引用ここまで)
先日話した「国立樹木院が『韓国の王桜と日本のソメイヨシノは別種』との判断を糾弾されて3年間、追試を行わされることになった」という話の再録なのですが。
これまでの「ソメイヨシノ韓国起源説」を追いかけながら、アメリカ、韓国で遺伝子研究で王桜とソメイヨシノが別種であると判明した……というこれまでの経緯を語っています。
でも最後には「国立樹木院の遺伝子研究でも議論を終わらせることはできなかった」ってなって、3年間の追試が行われるってニュースにつながっている。
担当者の「済州起源、日本起源、第3国起源などすべての可能性を開いておいてワンボンナム起源を巡る疑問を解消する」ってセリフが悲しさを演出していますね。
ありとあらゆる可能性をつぶさないとダメなんだ……って話ですから。
2018年に韓国政府の担当当局である国立樹木院が「王桜とソメイヨシノは別種である」と発表してからこっち、本当に韓国メディアがしょぼくれていました。
唯一、済州島のメディアだけは「それでも、それでもまだ可能性はある!」って言い続けていたのが草生えたものでしたが。
あ、先日もちょっと話をした国会議員の「王桜とソメイヨシノが別物だとは何事だ!」って国政監査で山林庁(国立樹木院の上部組織)糾弾した話も置いておきましょう。
去年の10月の記事。
「ソメイヨシノが栽培種という山林庁、植物主権は誰が守るのか?」(ニュース1・朝鮮語)
国会議員のやることじゃないと思うのですが、済州島選出議員としてはやらざるを得ないのでしょう。
前も語ったように「日本人が愛でているソメイヨシノは韓国起源であるという精神勝利を彼らが手放すことができない」のですよ。
ソメイヨシノ韓国起源説で韓国メディアが嬉々としてるのは本当に久々のことなので、鬱屈したものがあったのでしょうね。
3年後にどんな結果が出るか楽しみでしかないですね。
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