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2023年02月

アメリカのCHIPS法で韓国のサムスン電子、SKハイニックスが板挟みに……「ちゅ……中国工場は中国内需用だからセーフでは?」……なわけあるか

バイデン「アメリカに来て作れ」と圧力…… サムスン半導体「超緊急」(韓国経済新聞・朝鮮語)
米国商務省は28日(現地時間)公開した半導体支援法( CHIPS Act )ガイドラインに、2030年末までに必ず達成すべき4つの目標を提示した。「高容量メモリ主導」「最先端パッケージング先導」「伝統工程強化」「大規模クラスター組成」など半導体製造技術に関する内容だ。 (中略)

三星電子、SKハイニックスなど韓国メモリー半導体企業の悩みは大きくなっている。現在、三星電子は京畿道華城と平沢、中国の西安でDRAMとNAND型フラッシュの最先端生産ラインを運営している。SKハイニックスのメモリ半導体工場も京畿道利川市、忠清北道清州市、中国無錫市と大連市で米国政府の圧迫が続けば、国内半導体メーカーが米国に工場を建てなければならない状況に直面するものとみられる。

米国が自国企業であるマイクロンに巨額の補助金を支給し、競争力強化を支援するだろうという懸念も出ている。マイクロンは最近、ニューヨーク州北部のクレイに1000億ドル(約132兆ウォン)を投資し、大規模なメモリー半導体生産施設を建設すると発表した。米国政府支援を念頭に置いた「太っ腹の賭け」という評価が出ている。

国内半導体業界関係者は「米国の自国メモリー半導体企業育成が本格化すれば韓国企業が難しい戦いをしなければならないこともありうる」として「半導体生産地戦略を精巧に整える必要性が大きくなっている」と話した。
(引用ここまで)


 意外と好評な半導体ネタ。
 ひとつ大きな前提を書くのを忘れていたこともあって、またまたピックアップ。
 なんでアメリカ政府の支援を受ける前提になっていて、かつ中国への規制を受け容れなければならないのか、という話。

 簡単にいうと、半導体への投資はどれだけお金を使えるかにかかっているのです。
 なので、例えばサムスン電子が「アメリカに工場を建設せず、支援金をもらわない」という判断をした場合、それ以外の半導体製造企業に大きく差をつけられてしまう可能性が出てくる……というか、間違いなく出る。
 アイディアでどうこうなるような状況ではなく、いかに効率的にお金を使うのかって話なのですね。
 ラピダスも同じことです。本当に5兆円投資できるのならちょっとは勝ち目があるな。なにを「勝ち」とするかにもよるけど。


 なので「アメリカの支援を受けず、中国におけるサムスン電子のNANDフラッシュ工場、SKハイニックスのNANDフラッシュ工場、DRAM工場に注力」したとしてもそれはほぼ負け戦でしかない。
 マイクロン等が抜け出してしまいますからね。
 かといって、そこそこ先端プロセスを導入している中国工場の生産クオリティを制限されるのも困る。

 ……というわけで韓国勢は追いこまれてしまっているわけです。
 アメリカ政府の半導体への注力、中国への生産規制はもはや揺るがない。たとえ共和党政権になっても受け継がれるものでしょう。
 韓国側は「これは中国の内需用だからセーフ!」って話に持ちこみたいそうですが。

韓国政府、「半導体法」関連で米国側に「中国工場への投資、現レベルを保障」「中国内需用だから問題ない」を主張か(シンシアリーのブログ)

 「中国による技術の習得を阻止したい」のが主たる目的なのに、そんな言い訳が通るとも思えないのですけどね。

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韓国外相の「台湾海峡の安定は重要だ」との発言に中国激昂、「くちばしを挟むことは許さない」と報道官……中韓関係の象徴ですね

韓国外交部長官の台湾問題発言に反発する中国…「口出し容認しない」(中央日報)
台湾海峡有事の際、韓半島(朝鮮半島)の安定を維持しなければならないという韓国外交部の朴振(パク・ジン)長官の発言に、中国外交部の毛寧報道官が「口出しは容認しない」という意味の四字熟語「不容置喙」を使って反発した。

毛報道官は前日(27日)の定例会見で朴長官の台湾問題関連のCNNのインタビューに対する立場を尋ねる中国メディアの質問に「台湾問題は中国の内政で、他人が口出しすることは許さない」と強い語調で答えた。 (中略)

毛報道官はこれに対して「不容置喙」という表現を使って反発した。「不容置喙」は清国の作家である蒲松齢の小説に登場する言葉で、相手の干渉を許さないという意志が込められた表現だ。強い語調で相手を批判する時に主に使われる。中国は香港問題や東シナ海島しょ領有権問題をはじめとする自国の核心利益に関連した外交葛藤がある時に使用してきた。
(引用ここまで)


 韓国のパク・ジン外交部長官(外相に相当)がCNNのインタビューを受けて北朝鮮情勢やアメリカの核の傘について語っています。
 現状では北朝鮮との接触はなく、キム・ジョンウンが自発的に核を放棄することはないだろう、と述べています。

Exclusive: North Korea a ‘clear and present danger,’ says South Korean Foreign Minister(CNN)

 この動画の最後の中でパク・ジン長官は「武力による現状変更に反対です。台湾海峡でなにかが起きた場合、我々は朝鮮半島の平和と安定を維持しなければならない。我々の国に直接的な影響があるからです」と語っていますね。
 それ以外にも台湾海峡の平和と安定が朝鮮半島の平和と安定につながっている、との発言をしています。


 これが中国側の逆鱗に触れたということでしょう。
 実際にはかなりおまけ、といった感じの発言でしかないのですが。

 韓国にそんな発言を許すことはない、という厳しい姿勢が見えていますね。
 「不容置喙」は「横からの口出しを許さない」といった意味。喙はくちばしですから「くちばしをはさむことを許容しない」、かな。かなり強い言葉です。

 中国はいわゆる戦狼外交を取り下げたとの報道があります。
 特に「新型コロナは米軍が中国に持ちこんだのだ」とか言っていた、あるいはオーストラリアに向けてフェイク写真であざ笑うなどしていた趙立堅副報道局長が左遷ともされたことで戦狼外交を取り下げた象徴としているメディアがいくつかありましたね。

コラム:中国「戦狼外交」修正か、西側敵視の強硬派退場(ロイター)

 中国は最後の最後まで「大国意識」を捨てはしませんよ。
 特に小国との間では。「黙れ、小国のくせに」は中国の基本方針で、変わるわけがないんですよね。
 韓国に対しての態度はいつまで経ってもこうしたものなのです。
 日本はそうした関係から離脱してだいぶになるのですけどね。韓国はそうではない、ってことです。

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サムスン電子、メモリ事業で大打撃を受ける……2月だけで2兆ウォンの赤字を計上。在庫は50兆ウォンを突破

「サムスンのメモリー事業、2月だけで2兆ウォンの赤字」…最悪の「半導体寒波」(中央日報)
中央日報の取材を総合すると、サムスン電子メモリー事業部は今年1、2月に3兆ウォンほどの営業赤字が出ていると推定される。匿名を求めた複数の業界関係者は「サムスン電子の内部で1-3月期にメモリー事業で最大4兆ウォンの損失が出るという報告があったと聞いている」と話した。関係者らは「ファウンドリー(半導体委託生産)で収益が出ているが、まだ規模は小さく、メモリー事業の大規模な赤字をカバーするレベルでない。半導体(DS)部門で1-3月期に2兆ウォン以上の営業損失が避けられないという声が出ている」と伝えた。

業績の大半をメモリーに依存するSKハイニックスはさらに厳しい冬を送っている。市場ではSKハイニックスが今年1-3月期に4兆ウォン台の赤字になるという見方もある。昨年10-12月期、サムスン電子半導体部門の営業利益は前年同期比97%減の2700億ウォンだった。SKハイニックスは1兆7012億ウォンの営業赤字を出した。1月の半導体輸出はメモリー半導体の価格下落と需要減少が重なり、前年同期比で44.5%急減した。 (中略)

目の前には暗雲が垂れ込めている。市場調査会社トレンドフォースによると、DRAMの価格はさらに今年1-3月期に20%、4-6月期に11%下落すると予想される。NAND型フラッシュメモリーも同じ期間にそれぞれ10%、3%落ちる見込みだ。DRAM価格は昨年下半期に34%急落した。

さらに米国がサムスン電子とSKハイニックスの中国内メモリー生産・投資に規制を強化するという見方があり、状況は最悪に向かっている。サムスン電子は中国でNAND型フラッシュメモリーの40%を、SKハイニックスはDRAMの50%、NANDの20%を生産している。工程転換のタイミングを逃す場合、莫大な損失が避けられない。

サムスン電子では今年1-3月期、20年来の最悪「アーニングショック(業績衝撃)」が現実化している。サムスン電子がメモリー事業で年間赤字となったのは1990年代を除いて2001年と2008年だけだ。2001年10-12月期には情報技術(IT)バブル崩壊後に半導体で2120億ウォンの赤字を出した。グローバル金融危機当時の2008年10-12月期には6900億ウォンの営業赤字となった。 (中略)

ただ、サムスン電子は明確な人為的減産なく正面突破するという戦略だ。中長期の需要に備えて半導体技術競争力と市場支配力を維持するために当面の損失は覚悟するということだ。サムスン電子は今年の設備投資と研究開発投資額を例年水準に維持するという。最近は子会社のサムスンディスプレイから20兆ウォンを借り入れた。

半導体サイクルが過去より短くなり、人工知能・ビッグデータ・クラウドなど新産業で需要が急増するというのが期待の要素だ。依然としてメモリー半導体は半導体製品別の市場規模でロジック半導体を抑えて最大の比率を占める。
(引用ここまで)


 ここ何日か東京はかなり暖かくなってきましたが、「DRAMの冬」はいつになったら終わるのかさっぱり見えてきません。
 DRAMとNANDフラッシュの市場状況が厳しいとの話は何度かに渡って話してきていますが、これほどの厳しさはちょっと記憶にないレベルで厳しい。

 記事中にもサムスンの半導体関連事業が赤字になったのはITバブル崩壊時と、リーマンショック後だけと記述があるようにこれまでサムスンは微細化で勝ち抜いてきたのですね。
 メモリ半導体需要の減少について原因は語られていませんが、どうも巣ごもり需要で圧倒的な需要の先取りをしてしまい、かつそこに供給を合わせてしまったためではないかと感じられます。
 これ、メモリにかぎらずサーバやPC全体についてもいえるのですが。


 とにかく今回の需要減はひどい。
 韓国の貿易全体に影響を及ぼすほどのひどさです。

韓国輸出、2月は5カ月連続マイナス 減少ペース鈍化(ロイター)

 「減少ペースが鈍化」とありますが、これは旧正月の時期がずれた(今年は1月、去年は2月)ので休日の数が変わったために起きたいわゆる「錯視」になります。
 そんな中、サムスン電子の在庫が50兆ウォンを超えたことが報道されています。

サムスン電子在庫50兆ウォン、原材料購入費110兆ウォンを突破した(朝鮮日報・朝鮮語)

 すべてが半導体というわけではないでしょうが、前年同期比で15%の上昇。
 記事中にあるようにサムスン電子はメモリについて減産しない方向性。
 いつかくる反転時期に攻勢をかける、という何度もやってきた危機突破の方程式を立てているのでしょうね。
 それが本当に通用するのかどうか。
 サムスン電子、SKハイニックスの中国工場への投資、あるいは生産は10月からどうなるのか。けっこう見ものではないかと感じます。

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楽韓さん、本日の動向 - 林外相がインドに行かないとかあり得んのだが……

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林外相、G20欠席 予算審議優先、省内ため息(時事通信)

 ……いや、もうね。
 クアッドにインドを引きこんだことは日本外交100年の計ともいえる功績だったのに、なにやってくれてんだ。
 インドに華を持たせろよ……。
−−−−−−
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 名作だと思います。




 それと前からおすすめしているウクライナ戦争と米中対立 帝国主義に逆襲される世界も50%ポイント還元。
 対談集ですが、かなり満足度は高いと思います。



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狼と香辛料 (電撃文庫)
支倉 凍砂
KADOKAWA
2013-11-11


 ぎりぎりでエリックサウスマサラダイナーのモダンインディアンコースに行ってきました。
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 マトンコンソメと茹でマトン、ホタテのマサラドーサ、大根と椎茸のペッパーバルバル、牡蠣と冬野菜のクトゥーチャウダー、エゾジカシンタマのロティ・エゾジカのコフタ・リンゴときんとん 小カブ石窯焼き、わんこカレー、金柑スパイスシロップのサラバン
 メインのエゾジカで大満足。シンタマは希少部位の丸いお肉。コフタもよかったな。
 コースはお安くないので毎回は行けませんが、今回はかなり満足度高かった。

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