ソウルマンションの下落幅が4週連続で鈍化する様相だ。相次ぐ政府の不動産規制緩和で 主要団地の急売物取引が増え、価格が上がった影響という分析だ。特に大団地のマンションが多い松坡区は今年初めてアパートの価格が上昇した。
9日、韓国不動産院が発表した「2023年3月1週の全国週間アパート価格動向」によると、今週ソウルのアパート価格は0.21%下落し、先週(-0.24%)より落幅が減った。
不動産院はソウルマンション価格下落率について「急売物中心に取引が続く状況の中でも選好度の高い主要マンション中心に急売物が使い果たされ、緩やかな価格上昇傾向が現れている」としながらも「追加下落に対する期待で買収管轄税が依然維持中で買収・売り希望価格間の格差が狭まらないなど下落傾向が続いている」と説明した。
区別してみると、ソウル内で唯一松坡区のマンション価格が上昇傾向に転換した。松坡区は今週のマンション価格が0.03%上がった。 (中略)
ソウル以外にも京畿道と仁川など首都圏地域のアパート価格はそれぞれ-0.49%、-0.36%と集計された。試合は先週-0.47 %より下落幅が拡大し、仁川は全州と同じだった。
地方マンション価格は0.30%下落したことが分かったが、先週(-0.29%)より下落幅が大きくなった。全国マンション価格下落率は-0.34%で、先週下落幅が維持された。
(引用ここまで)
実に微妙なところではあるのですが、ソウル(の一部)でマンション価格が反騰したとのニュース。
実際の「ソウル全体のマンション価格」としてはまだ下落しているのですが、下落幅が縮小しつつあり、かつひとつの地域だけではあるものの反騰した地区があったと。
というのもユン・ソンニョル政権では矢継ぎ早に不動産規制を緩和しつつあるのですね。
その一方で「もう充分に下落したのではないか」ともする認識が韓国人の中に拡がりつつあります。
「ソウルの不動産は必ず上がる」という認識の下に、お買い得になったマンションを買いあさりつつある……という状況になっています。
とはいえ、政策金利は一切変わることなく、むしろウォン安気味に動きつつある。
それに伴ってここ数日、KOSPI(韓国総合株価指数)も下落気味。
まだ「キャピタルフライト」そのものまでは行かないにしても、傾向が露わになりつつあるのは間違いないところ。
いや、ホントどうするんでしょうね、これ。
ソウルの不動産価格の下落が止まらないなんて、これまでの記憶にないのですよ。
短い間の傾向であればあったのですが、数ヶ月単位ではちょっと思い出せないな……。
特にこれまで「江南不敗神話」「西から太陽が出ることがあっても江南の不動産価格は下がらない」とまでいわれていた超高級住宅街である江南地区でも下落が止まらない。
韓国の経済構造そのものが問われているのですね。
最近出たシンシアリーさんの新著でも似たようなことが語られています。
借金を前提とした経済成長の形態が「いや、これ無理でしょ」って言われようとしているわけです。
韓国全体でなんとかその崩壊に抗おうとしているのですが……今回の「ソウルの一部でだけマンション価格が上がった」っていうのもいわゆる「デッドキャットバウンス」に見えますね。
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