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2023年02月

韓国メディア「日本の3品目は解除ではなく緩和ていどなのに、なぜWTOの提訴を取り下げたのだ!」……二国間対話の条件がWTO提訴の取り下げだったからですね

日本は輸出規制を緩和したというが…「完全回復ではないのにWTO提訴取下げは性急」(ハンギョレ)
 日本政府が半導体の主要材料3品目の韓国向け輸出規制を緩和し、韓国政府は世界貿易機関(WTO)への提訴を取り下げることにした。だが、3品目の輸出規制解除が、日本が規制を発表した2019年7月以前に完全に回復するものではないことから、韓国政府のWTO提訴取り下げは早すぎるとの批判が出ている。 (中略)

 日本の輸出規制解除が原状回復を意味するわけではない。以前は3品目とも輸出手続きが簡単な一般包括許可を受けてきたためだ。戦略物資管理院(KOTRA)によると、日本の包括許可には3種類あり、一般包括許可はグループA(輸出管理優遇措置対象国、8月2日より「ホワイト国」から名称変更)を対象に、輸出内部統制管理システムを備えた企業は特別な手続きなしに簡単に輸出できるようにする。一方、特別一般包括許可はグループAでない国を対象に、毎年自己チェックリスト・点検票を提出する企業に付与され、特定包括許可はこれよりさらに厳格な手続きが適用される。

 産業部の関係者は「過去に回復するためにはグループAの措置に戻らなければならないため、まず特別一般包括許可を受けた」と説明した。これに対して大邱大学のキム・ヤンヒ教授(経済金融学)は「日本が(韓国に対し)一般包括許可を受けていた3品目を個別許可にして強化していたが、今回の措置は完璧に戻したものではなく、やや緩和したに過ぎない」とし「3品目を『一般包括許可』に戻す前にWTOへの提訴を撤回してはならない」と述べた。
(引用ここまで)


 韓国国内でも「あれ、思ってたのと違う」って話が出てますね。
 一気に「グループA(旧ホワイト国)に復帰できる」くらいの勢いだったのですが。
 フッ化水素、フッ化ポリイミド、フォトレジストの3品目について運用の見直しを図る、というだけ。
 しかも、見直しの措置も即日発効するのかと思ったら別にそういうわけでもなさそう。

 ハンギョレは比較的正確に記述していますね。
 これまで輸出の1回ごとに申請と許可が必要だったものが、それなりに包括で許可されるようになった。
 西村経産相も「解除ではなく緩和」と言ってます。



 グループA復帰については「韓国に厳格な管理を求めていく」としています。


 ハンギョレ以外のメディアも「完全解除ではないのにWTOというカードを手放してしまった」とユン政権批判に転じています。

首脳会談翌日に「ホワイトリスト復旧、韓国の対応次第」(JTBC・朝鮮語)

 というかまあ……なんですべてが解除されるとか思ったんでしょうかね。

 とりあえずはユン大統領にお土産を持たせたけども、それほど実効性のあるものではなかった。
 そのお土産を作るためには「二国間対話」の条件となるWTO提訴取り下げをするしかなかった……という構造ですかね。

 考えてみると、全部ムン・ジェイン政権の尻ぬぐいをさせられているんだよな、これ。
 ひとつ前の対アメリカでもそうですけども。
 真に偉大な大統領だったわ。
 ノ・ムヒョン以上はあり得ないって思ってたけども、それよりも上のムンがいて、それを超える可能性のあるイ・ジェミョンが控えている……か。

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アメリカ、韓国の大統領任期が「まだ4年残っている」ことに賭けたか、日米韓安保協力体制の構築を急ぐ模様

米国、韓国「黄金の4年」に望み 日米韓協力で実績狙う(日経新聞)
「日韓の新たな和解を持続的な関係進展につなげるため支援していく」。16日の日韓首脳会談を受けた米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官の発言は米国の期待と不安を映す。 (中略)

米国の不安は韓国の内政に向く。(中略)韓国は政権交代が起きると前政権の方針が覆る「moving the goalpost(ゴールポストを動かす)」と批判されてきた経緯がある。

前米NSC東アジア担当部長で米戦略国際問題研究所(CSIS)日本部長のクリストファー・ジョンストン氏は「重要なのはやり遂げることだ」とクギを刺す。 (中略)

ジョンストン氏は「朴氏の任期終了間際だった慰◎婦合意と対照的に、今回は韓国の次期大統領選までに時間がある」と指摘する。日本との安保協力に積極的な尹政権のもとで腰を据えて成果づくりを進める余裕がある、との見立てだ。
(引用ここまで)


 ユン・ソンニョル大統領の残り任期は4年ちょっと。
 この「黄金の4年間」であるていどの道筋を立ててしまおうというのがアメリカの目論見である、との記事。
 だいたい言いたいことは理解できますね。
 今回の解決策についてもアメリカからの圧力がなかったと見るのはかなり無理がある。
 同じく日経新聞にこちらも興味深い記事が掲載されていました。

岸田首相の悪夢払った米バイデン政権、日韓8年前の教訓(日経新聞)

 個人的にわりと信頼している記者(役職は論説委員)の峯岸博氏による記事。
 韓国政府の「解決策」提示後、バイデン大統領は即座に歓迎の意を表明しています。
 さらにブリンケン国務長官、エマニュエル駐日アメリカ大使らが相次いで歓迎の意を表明し、そしてホワイトハウスは国賓としてユン大統領をアメリカに招くと表明しています。

 アメリカとしては「ようやくか」といったところなのでしょう。


 ご存じのように日本側も「評価する」と声明を出して、基本的には歓迎する方向性を見せている。

 ただまあ、著名シンクタンクであるCSISのジョンストン氏が述べているように「重要なのはやり遂げること」なのですね。
 以前、同じくCSISの重鎮であるマイケル・グリーン氏が「オーストラリアからシンガポールまでアジア国家の多くが日韓関係の悪化の原因が韓国にあると見ている」とムン・ジェイン政権時代に述べたように。
 政権交代してしまえどうなるか分からないというのは日米に共通した意識。

 実際、左派紙であるハンギョレは「合同演習に日本を引きこんではならない」とするコラムを掲載しています。

韓米合同演習、少なくとも日本を引き込んではならない(ハンギョレ)

 先日、イ・ジェミョンが「日米韓合同軍事演習で自衛隊の軍靴が朝鮮半島にやってきかねない」との話を出したように、左派は日本との安保協力にアレルギーを持っています。
 いまだに国会では少数与党で政権運営は難航を極めています。
 まあ、協力体制をどれだけ構築したところで、次の大統領選挙で左派が選ばれたら「ご破算で願いまして」のやり直し。
 4年ちょいあるからまだマシ……なのかねぇ。

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韓国人に聞きました「人生に意味を与えてくれるものは?」→「○○○○!」……だからこそマンションを買おうと無理をするのか

「『日本のせいで発展が遅れた』という言い訳に似ている」格差社会の“絶望のシンボル”「スプーン階級論」が韓国で大ヒットする理由(文春オンライン)
 ピュー・リサーチ・センター(Pew research center)が2021年11月18日に公開した「人生に意味を与えてくれるのはなにか(What makes life meaningful)」というレポートがあります。 (中略)

 その調査結果、圧倒的に「家族と子供」が各国で1位に選ばれました。特に日本の場合、複数選択できるのに、多くの人が「家族と子供」一択で答えています。この項目には、家族と過ごす充足感はもちろん、もっと良い社会を子供に与えたい熱望なども含まれます。17カ国のうち、14カ国で1位となりました。

 他の項目が1位だった国はスペイン(健康)、台湾(社会)、韓国(物質的な豊かさ)だけです。 (中略)

韓国だけ、物質的な豊かさが1位になっています。2位は健康、3位が家族と子供でした。しかし、同時に、他の国では「家族と子供(38%)」の次に多く選ばれた職業的成就(25%)が、韓国では6%に過ぎませんでした。すなわち、物質的な豊かさは重要だけど、職業的成就についてはこれといって重要だと思っていない、という意味です。

 それに、韓国もまた、1択だけ(複数選択せずに「物質的な豊かさ」だけを選ぶ人)が多く、これは日本(家族と子供)と韓国(物質的な豊かさ)だけで見られる現象だと、レポートは紹介しています。
(引用ここまで)


 シンシアリーさんの新著からの抜粋記事。
 今度の新著は「韓国人はなぜ多大な借金をしてまでマンションを買うのか」との部分に迫ったもので、タイミング的にものすごくマッチしたものとなっています。
 というわけで、各サイトでこうして抜粋されているのでしょう。
 マンション価格下落がなぜ起きているのか、そして韓国でなぜそれが大問題になるのかを解説したものになっているので、興味がある方は是非。

 そして、なぜマンションを買い求めるのかという土台になっているのがここの記述。
 韓国でもっとも重要に思われているのが「物質的豊かさ」なのですね。
 事業等で成功した結果として「物質的豊かさ」を得るというわけではなく。
 即座に「物質的豊かさ」が必要となるのが韓国社会なのです。


 そりゃまあ、宝くじ(ロト)の売上は上がるしかないし、「どこかでうまくやっているはずの連中がいる」という気分になって「ロトの当て方」ってサイトに2万人が有料で加入しますわな。

 そうした「物質的豊かさ」の究極の形が「ソウルにマンションを持つ」ことなのです。
 ソウルのマンションを買うことが階級を登ることの象徴であり、男であれば結婚する資格が生じるというもの。

 昨今の韓国の合計特殊出生率の低さ、婚姻率の低さは目を覆わんばかりのものがありますが。
 こうした「通過儀礼」を通過できなかったのですから当然ともいえるわけですよ。
 社会的に成人していない、成人と認められていない人々が懸命になって階層を上がるために借金してまでビットコインや雑コインに投資し、物質的豊かさを求める背景はここに集約されるのですね。

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韓国の借金経済 (扶桑社BOOKS新書)
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扶桑社
2023-03-01

楽韓さん、本日の動向 - いらないと思ったコメントはさくさく切ってますよ

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 コオロギ連呼している意味不明な人とかさくさくコメント削除します。
 罵倒したいだけなら他にいくらでも受け容れてくれるところはあるだろうに。
 コメントのNGIPにもどんどん登録してます。

 この国のかたちはわりと自分の中で根本になっている本のひとつ。
 そのものじゃなくて、ここからの拡がりでいろいろなものが得られた感じです。

合本 この国のかたち【文春e-Books】
司馬遼太郎
文藝春秋
2016-12-09

この国のかたち(一) (文春文庫)
司馬遼太郎
文藝春秋
2016-12-09


 トランプ政権にもいたピーター・ナヴァロの米中もし戦わばも50%ポイント還元対象。
 2010年代のお話なので実際に戦争になったらアメリカが中国を圧倒するのは当然なのですが。実際にアメリカが中国のなにに対して怒りを抱いている(抱いてきた)のかが分かる本ですね。

米中もし戦わば 戦争の地政学 (文春文庫)
ピーター・ナヴァロ
文藝春秋
2019-04-10


 コミックスでは妻、小学生になるが5巻までブラウザ上で読めるアレをやっていて、さらに1巻は98円。コメディかと思っているとだんだんやばめな方向に向かうのですよ。
 完結したそうです。読み直してみるか。



 今日のKindle日替りセールからのピックアップこちら。

まんがでわかる自律神経の整え方
一色美穂
イースト・プレス
2017-07-13