日本政府が半導体の主要材料3品目の韓国向け輸出規制を緩和し、韓国政府は世界貿易機関(WTO)への提訴を取り下げることにした。だが、3品目の輸出規制解除が、日本が規制を発表した2019年7月以前に完全に回復するものではないことから、韓国政府のWTO提訴取り下げは早すぎるとの批判が出ている。 (中略)
日本の輸出規制解除が原状回復を意味するわけではない。以前は3品目とも輸出手続きが簡単な一般包括許可を受けてきたためだ。戦略物資管理院(KOTRA)によると、日本の包括許可には3種類あり、一般包括許可はグループA(輸出管理優遇措置対象国、8月2日より「ホワイト国」から名称変更)を対象に、輸出内部統制管理システムを備えた企業は特別な手続きなしに簡単に輸出できるようにする。一方、特別一般包括許可はグループAでない国を対象に、毎年自己チェックリスト・点検票を提出する企業に付与され、特定包括許可はこれよりさらに厳格な手続きが適用される。
産業部の関係者は「過去に回復するためにはグループAの措置に戻らなければならないため、まず特別一般包括許可を受けた」と説明した。これに対して大邱大学のキム・ヤンヒ教授(経済金融学)は「日本が(韓国に対し)一般包括許可を受けていた3品目を個別許可にして強化していたが、今回の措置は完璧に戻したものではなく、やや緩和したに過ぎない」とし「3品目を『一般包括許可』に戻す前にWTOへの提訴を撤回してはならない」と述べた。
(引用ここまで)
韓国国内でも「あれ、思ってたのと違う」って話が出てますね。
一気に「グループA(旧ホワイト国)に復帰できる」くらいの勢いだったのですが。
フッ化水素、フッ化ポリイミド、フォトレジストの3品目について運用の見直しを図る、というだけ。
しかも、見直しの措置も即日発効するのかと思ったら別にそういうわけでもなさそう。
ハンギョレは比較的正確に記述していますね。
これまで輸出の1回ごとに申請と許可が必要だったものが、それなりに包括で許可されるようになった。
西村経産相も「解除ではなく緩和」と言ってます。
グループA復帰については「韓国に厳格な管理を求めていく」としています。
ハンギョレ以外のメディアも「完全解除ではないのにWTOというカードを手放してしまった」とユン政権批判に転じています。
首脳会談翌日に「ホワイトリスト復旧、韓国の対応次第」(JTBC・朝鮮語)
というかまあ……なんですべてが解除されるとか思ったんでしょうかね。
とりあえずはユン大統領にお土産を持たせたけども、それほど実効性のあるものではなかった。
そのお土産を作るためには「二国間対話」の条件となるWTO提訴取り下げをするしかなかった……という構造ですかね。
考えてみると、全部ムン・ジェイン政権の尻ぬぐいをさせられているんだよな、これ。
ひとつ前の対アメリカでもそうですけども。
真に偉大な大統領だったわ。
ノ・ムヒョン以上はあり得ないって思ってたけども、それよりも上のムンがいて、それを超える可能性のあるイ・ジェミョンが控えている……か。
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