「日本産だ」、「私たち自生植物だ」をめぐって長い間議論を呼んできたワンボンナム(王桜)の起源を明らかにする研究が推進されます。
先立って数年前、山林庁国立樹木院が街路樹として広く使われる「ワンボンナム」が日本産であるかのように解釈できる内容を発表し自ら招いた論難を正すための後続研究です。
28日、山林庁国立樹木園によりますと、今年から3年間、ワンボンナム(Prunus x yedoensis)(訳注・日本のソメイヨシノのこと)の起源と自生有無などを確認するための研究を進めます。
研究課題名は「ワンボンナム(Prunus x yedoensis)の分類学的検討のための現地調査および人文・歴史学的研究」。今回の研究は国立樹木園が「済州ワンボンナム」と「ワンボンナム」の種を区分し、済州ワンボンナムは韓国の自生植物ですが、ワンボンナムは日本産であるかのように解釈できるように発表したことを正すための後続研究と見ることができます。 (中略)
国立樹木院は今回の研究を通じて2018年に韓国特産植物であることが国際的に認められた済州ワンボンナム(Prunus x nudiflora)に続き、ワンボンナム(Prunus x yedoensis)の起源を明らかにする計画です。
それと共に国立樹木院は韓国山林科学会、韓国植物分類学会など学界で街路樹などとして広く植えられているワンボンナムの韓国起源有無を明らかにする研究が必要だという立場を持っていると伝えました。 (中略)
政界からも関連した苦言が出てきました。
昨年10月、国会農林畜産食品海洋水産委員会所属のウィ・ソンゴン議員(民主党、済州西帰浦)は「山林庁がワンボンナムが日本種だという誤った認識拡大に責任がある」と指摘しました。
それと共に「今後、全数調査をはじめとする徹底した研究を通じて皆が認めるワンボンナムに対する研究結果を導き出さなければならない」と話しました。
(引用ここまで)
記事中のワンボンナムは王桜の朝鮮語読み。
すべてワンボンナムと記されていて、ソメイヨシノではないのですね。
この(あえて)名称の混乱が種としてのソメイヨシノ韓国起源説につながっている部分があると思われます。
ま、それはともかく。
2018年に山林庁国立樹木園が、済州島の「ソメイヨシノの原木」とされている桜の木と日本のソメイヨシノの遺伝子を比較したところ、両者は異なる種であることが判明しました。
……まあ、日本ではずっと前に判明していた話ではありますが。
この論文はgenome biologyという権威ある学術雑誌に掲載されて、研究の場ではソメイヨシノと王桜は別物であるとされて論争は終結したのです。
以降、韓国では毎年のように春になると出てくる「日本人がありがたがっているソメイヨシノの原木は済州島にある」という話がめっきり少なくなって、往年の韓国ウォッチャーからしてみると一抹の寂しさを感じさせられたものです。
今年にいたってはほぼ絶滅。
しかし、山林庁国立樹木園が今度はソメイヨシノの起源を究明する研究を3年かけて行うと発表したことから、済州島のメディアからは「2018年の研究結果が覆されるのではないか」という期待込みの記事が出てきた、というわけです。
まあ、実際には日本でもアメリカでも韓国でも「別種である」という結論が出ているので、相当にアクロバティックな話をしなければ無理だと思いますけどね。
研究結果を発表した国立樹木園は済州島の市民団体からは「遺伝子調査のやり直しを要求する!」と言い出されたことがありました。
一部の韓国人研究者は「あの研究は不十分なものだ」とか言い出していました。まあ、反論の論文は出ておらず、言っているだけなのですけども。
今回の記事では政界からすら「ワンボンナムが日本産であるという誤った認識拡大に責任がある」と糾弾されていたそうですわ。
政界からもねぇ。
自分たちの自尊心の源であった「日本人がありがたがっているソメイヨシノの起源は韓国だ」という話をいまさら否定できなくなっているだけに見えますけどね。
2018年時点で楽韓さんは「なにより『日本人が愛でているソメイヨシノは韓国起源である』という精神勝利を彼らが手放すことができないから」都市伝説的にいつまででも残り続けると述べていました。
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