ソウル市ブランドリニューアル作業が最終段階に入っている。前任の市長が導入した「I SEOUL U」ブランドに代わる新しい代案を出すのが目標だ。ソウル市が追求する価値とアイデンティティを圧縮して表すことができる新しいスローガンとロゴデザインの開発が核心となる。これら要素はソウル市の独自のイメージを構築し、競争力と魅力を強化する役割をする。ところがソウル市の特徴を浮き彫りにするのは容易でない。なぜか。
1つ目、都市ブランドが追求するアイデンティティは似ているものが多いからだ。 (中略)
2つ目、理想的なアイデンティティと実際(現実)を反映するアイデンティティの間には乖離がある。 (中略)
3つ目、目標集団(ターゲットオーディエンス)を内国人と外国人のどこに合わせるべきかを決めなければいけない。
(引用ここまで)
ソウル市が「I SEOUL U」に変わるキャッチフレーズを作ろうとしている、とのことですが。
……うーん。
まあ、やろうとしていることは分からないでもない。
要するにサービス収支で大きく赤字になっている現状を変えたいんですよ。
富の流出を抑えたいのだと。
韓国における唯一の観光資源がソウル市。
正直なところ、普通の観光客にとってソウル以外に行くところなんてないし、地方に向かうハードルも相当に高い。
地方じゃ英語もろくに通じないところで帰りのバスチケットとか買わないといけないですしね。
フランス人が実際に田舎旅行してみたら涙目だったなんてエピソードもあります。
というわけで「いまある観光資源」としてソウル市を使うしかない。
でも、キャッチフレーズ決めるより、他にやるべきことが山ほどあると思いますけどね。
たとえばきれいなトイレを作るとか。
……いや、真面目な話。
外国人にとってきれいなトイレあるなしは本当に大問題。
日本国内のどこかの観光地でも「トイレをきれいにしたら女性観光客が増えた」なんて話がありましたし。
TOTOのアンケートでも「きれいなトイレがあることで観光地のイメージアップが可能」との意見が出てます。
「訪日外国人旅行者アンケート調査」結果公表 〜 訪日客の7割以上が"きれいなトイレ"で観光地のイメージアップと回答(TOTO)
まずはトイレにトイレットペーパーが流せるようになる。
そして公共のトイレを安心して使えるようになるってことを目指したらいいんじゃないかな。
韓国の大問題、そこにあるから。
これは本気でのアドバイス。リピーターが少ない理由、ここにもあるよ。絶対に。
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