【コラム】毎年1兆5000億ウォン、働いても報酬を受けられない国=韓国(中央日報)
パクさん(48)は生計が脅かされる状況に直面した。酷寒や酷暑の中でも建設現場で熱心に働いてきたにもかかわらずだ。社長(59)が突然、会社のお金をすべて持って潜伏した。勤労者74人の賃金、退職金4億5000万ウォン(約4500万円)も受ける方法が見えない。
実際、この社長は賃金未払いで365回以上も申告された履歴があった。工事現場が全国に散在しているため、パクさん以外にも賃金を受けていない勤労者がどれほどいるのか、その規模さえも把握しにくい状況だ。パクさんは「行政当局はこれまで何をしてきたのか、悔しさを感じる」と語った。
賃金の未払いは業種を問わず見られる。ある病院のL代表(45、女子)は退職または在職中の勤労者39人の賃金と退職金1億3800万ウォンを支払わなかった。L代表は特に高齢者や単純労務職への待遇がひどかった。病院の運営に必須の要員でないとし、他の勤労者より長い期間(6-11カ月分)賃金を支払わないことが多かった。開業以降、賃金未払いだけで98回にのぼった。病院の収益金は隠した。勤労者の陳情で雇用労働部が特別勤労監督を実施し、こうした事実を明らかにした。L代表は逮捕された。あるサービス業者のJ代表(43)は勤労者4人の賃金1億7000万ウォンを支払わず、自身は月2000万ウォンの最高級ホテルで豪華生活をし、逮捕された。
会社の経営事情が悪化し、一時的に月給が支払われないこともある。このような場合、勤労者も経営陣と共に苦痛に耐えて回復に努力するものだ。しかしこうした勤労者の心理を利用して政府の支援金を着服する経営陣も少なくない。
インテリア会社を経営するY代表(51)は経営上の困難から下請け会社に6億ウォンほど支払えない状況に直面した。Y代表は「代支給金」を狙った。勤労者に支払えない賃金を国が代わりに支給する制度だ。Y代表は下請け会社の勤労者を自身が直接雇用したように見せかけ、112人の代支給金から4億8900万ウォンを着服した。このお金の一部は生活費に使った。
「包括賃金」の乱用も賃金未払いにあたる。雇用部の匿名申告センターに入った現場の声だ。「固定延長勤労(OT)手当を月48時間として包括賃金約定をした。ところが延長勤労の1.5倍加算はなく支払われる」「勤労時間を測定しにくい業務でもないが、包括賃金制を適用する。法定延長勤労限度超過分には追加の手当がない」「超過勤務をしても8時間しか認められない。あまりにも忙しく休暇も使えないが、精算もしてくれない」。
包括賃金とは、延長・夜間・休日勤労などが予定される場合、計算の便宜のために労使が合意して該当手当をあらかじめ決めて毎月給与と共に支払われる賃金算定方式だ。しかし産業現場で巧妙に活用される。制度を悪用する賃金未払い行為だ。
こうした賃金未払いは勤労者には静かにくる痛みだ。十分に知らせられることも、社会問題として扱われることもない慢性的な生計型苦痛であり、一人に苦しむ孤独な苦痛だ。直接的な未払い金額だけ年間1兆5000億ウォン前後にのぼる。2011年には1兆ウォンだったが、大幅に増えた。その間の賃金上昇率を考慮しても増加額は大きい。包括賃金まで合わせるとその倍以上になると予想される。
こうした状況であっても勤労者が受けられなかった賃金を受けるのは極めて難しい問題として放置されている。賃金未払いは迅速な処理が重要だが、その期間が平均40日だ。その間、勤労者は生存の危機に直面する。未払い事業主に対する処罰や制裁も軽い。刑事処罰をしても少額の罰金刑がほとんどだ。2021年に検察が未払いで起訴した1万3044件のうち懲役刑は3.5%の461件にすぎない。
罰金刑も未払い額に対して50%以下の場合が91%だ。賃金を支払わず逃げてしまえば事業主に利益となる状況だ。行政手段で名簿を公開しているが、逃走後に廃業する場合が多く、実効性は低い。代支給金を拡大するのも問題だ。弁済金の未納に対する制裁が弱いためモラルハザードが発生し、誠実な事業主に対する逆差別となる。財政の負担も問題だ。
(引用ここまで)
日本では「残業代未払い」の問題はそれなりにあるのですが。
韓国のそれは「賃金未払い」であるところに大きな差があります。
2016年の段階で日本と韓国では年間に直接的な金額で10倍近い差があり、人口規模を考慮に入れると30倍もの差があるなんて記事があったほどです。
韓国賃金滞納世界最悪水準・・・日本の10倍(京郷新聞・朝鮮語)
ある勤労監督官は聯合ニュースに「相当数の事業主が景気が悪くなれば職員の月給は払わなくても良いという誤った認識をしている」とし、「しかも会社事情がそれほど悪くないにもかかわらず故意に賃金を未払いする事業主もたびたび見られる」と話した。
(引用ここまで)
そうした例が以下続いています。冒頭記事にも大量にありますね。
まさに「文化がちがーう」ってヤツ。
「我、社長様(サジャンニム)ぞ?」ってのが韓国での基本意識。
朝、夕と課長以上の管理職が
社長の出勤、退勤時には列を作って出迎え、見送りをする企業なんて例が以前もありましたが。
あれが普通でした。一応、過去形。
韓国では財閥の子女が理不尽な暴力を振るうことは多々ありますね。
日本でも大きく報じられた
ナッツリターンもそのひとつ。
ハンファの会長は「息子が殴られた」とのことで、自分のボディガード(知り合いの反社ともされる)を引き連れて報復に走ったなんてことをやって、地裁では実刑判決を受けてそのまま収監。
後に「病気だ」として執行猶予判決を受けてます。
上に立つ人間が下を圧迫するのは韓国では当然の所業。
記事中にある単純労働者への蔑視もまんま両班気分ですね。
「おまえの代わりなんていくらでもいる」のだから、賃金を支払わない。
両班である自分のために働けること自体を光栄に思え、といった考えかたです。
……いや、本当の話ですよ。考えかたとしてはそういう話なのです。
でなかったら「賃金未払いが1兆5000億ウォンを超える」なんて事態にはならないでしょ。
「上に立つもの」の根本的な考えかた、文化が日本とは異なることが理解できる事柄といえるのではないでしょうか。
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