文前大統領は「韓半島情勢は一層悪化しており、軍事的緊張が高まる現実を懸念している」「対立が激しくなる不安定な国際情勢もあり、危機の強度がこれまで以上に高い」との見方を示した。
さらに「このような状況が続けば、平和が破壊されて軍事衝突をあおり、国民の生命も、安全も、経済も取り返しがつかない危険な状況に陥るかもしれない」「こんな時こそ忍耐を持ち続け、対話を通じて平和を見いだす努力が重要だ」とも訴えた。
文前大統領は「南と北、米国は共に対話復元の努力を傾けるべきだ」「手遅れになる前に南と北、国際社会が共に対話復元と緊張の解消、平和の道へと一日も早く進むことを願う」とも付け加えた。
(引用ここまで)
ムン・ジェイン前大統領が米韓首脳会談にあわせるかのように「朝鮮半島の非核化のためには中国、ロシアとの協力もできなければならない」と発言。
いや、すげえな。
この発言は5年前の南北首脳会談で出された板門店宣言5周年の記念式典に寄せられた書面のものとのことですが。
……いや、すげえな。
2019年にハノイでの米朝首脳会談が完全決裂して、そこからなにも進まなかった南北関係がなんとかなるといまだに思っているし。
そのためであれば中国、ロシアと手を組むことも辞さないくらいに思っている。
自分自身が国賓待遇で中国を訪問した際にこれ以下はないみたいな扱いを受けたのに、いまだにこんなことを言えるのはある意味において強いわ。
ある意味で信念の人とはいえるかもしれない。
一切現実が見えていないという意味で。
ただ、韓国人の世界観はおおまかに言ってこんな感じなので、なにもムン・ジェインだけの問題ではないのですけどね。
まあ……ムン・ジェインがこじらせすぎているというのは間違いありませんが。
「韓国は世界を動かすことができて、アメリカも中国もロシアもその立場に一目置いている」って信じこんでいる。
でなかったら、欧州歴訪時に「北朝鮮への制裁解除をまずしよう」なんて言い続けませんよね。
あれこそが「外交天才」であるムン・ジェイン真骨頂なのです。
アメリカが動かないので、ヨーロッパから説得しようと本気で思っていたのですよ。
フランス、ドイツ、イギリス、イタリア、EUの首脳にすべて「いや無理無理」って言われたっていう。
ま、その結果はあの人はちょっとおかしいのではないかとヨーロッパ某国の首脳が述べていた、という評価なのですが。
その評価もどうやら韓国人の中では「日本のロビー活動のせいだ」ということになっているそうですよ(笑)。
そうした夢想家であるムン・ジェインに比べるとユン・ソンニョル大統領の外交力はなんというか地味。
でもまあ、それだけ現実的でもあるとは評価できると思います。
今回の訪米で最大の成果として喧伝した「事実上の核共有」はわずか1日でアメリカから否定されていますが。
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