協定により、計7つの探査ボーリングと2Dと3D物理探査が行われた。両国の調光権者指定と運営は1993年まで続き、2002年には3D物理探査が追加された。共同研究と技術会議も続いた。しかし、そこまでだった。韓国が2009年と2019年に第2訴区と第4訴区に造光権者を指定し、日本の参加を要請したが、返事はなかった。日本の意志に変化が生じたのだ。本音はわからない。専門家たちは1985年、国際司法裁判所の「リビアとマルタ大陸棚境界画定事件」が発端だという。大陸棚境界画定で自然延長に基づいた地質あるいは地球物理的要因の役割を非常に縮小解釈した判例だ。1969年の判例に変化が生じたのだ。
しかし、この判例によって自然延長の概念が距離概念に代替されたと解釈されるのは無理がある。判例が影響を与えたのかも不明だ。日本は1985年の判決後も共同開発区域の小区域を調整し、鉱権者を指定するなど協力的だった。日本の立場変化はむしろ2000年代半ばのことだ。日本と中国が東シナ海資源開発合意を試みた04年から08年頃だ。中日は2008年に韓日共同開発区域から約925m離れたところに約2697平方キロの合意区域を設定した経緯がある。
2028年になれば、韓国の7鉱区は安全だろうか。断言することはできない。ただ、マスコミに報じられるいくつかの事実は確認する必要がある。①JDZのガス埋蔵量はサウジアラビアの10倍、原油埋蔵量は米国の4.5倍程度か。根拠のない主張だ。1968年のECAFE調査は資源を評価できない地質調査だ。マスコミで報道されるガスと原油埋蔵量の規模は、米研究所を出処にしているが、同研究所は外交と安保、冷戦史を研究する機関だ。科学的根拠もない。②第7鉱区は我々のものか。そうだ。国際法上、大陸棚の権利は排他的経済水域(EEZ)のように必ずしも宣言しなくてもよい。ただ、日本もこの地域を自国の鉱区に設定した。両国の主張が重なる。③--2028年のJDZ協定は終了するのか。50年規定の罠だ。もちろん、どちらかが協定終了を通知すれば終了する。そうでなければ、2028年以降も協定は続く。④協定終了でJDZは日本領土に編入されるのか。そうではない。JDZは国際法から見て暫定約定に過ぎない。協定が終了すれば、JDZは管理体系が解除され、両国は再び海洋境界画定を進めなければならない。1974年以前の状況への回帰だ。
交渉の負担はそのまま政府にある。協定維持の努力とともに破棄による紛争状況も着実に準備すれば良い。省庁間の協業と国民の信頼は絶対的な動力だ。政府担当者は、交渉の結果が国益に及ぼす影響を誰よりもよく知っている。日本も地域海の状況を誤判してはならない。JDZ協定の破棄は第3勢力の進入を意味する。法的安定性の毀損であり、21世紀北東アジア海洋安保の破綻だ。(中略)JDZ協定は1974年の資源協力から21世紀の安保協力へと拡大できることを日本は自覚しなければならない。世の中に意味のない隣人はいない。
(引用ここまで)
韓国ではけっこう大きな問題とされている、いわゆる「第7鉱区」についての記事。
第7鉱区、というのは韓国側からの呼称です。
有望なガス田、油田があるとされています。
日本では日韓大陸棚協定、日韓共同開発区域とされている東シナ海の大陸棚部分。
日韓間で「この区域は共同開発区域(Joint Development Zone)としよう」として、1978年に50年の区切りで協定を結んだものとなっています。
そして、5年後の2028年にJDZの協定が終わります。
この記事にちょうどいい画像があったので、翻訳してピックアップしておきましょう。
(画像元・冒頭記事)
韓国は現在の中間域で設定されるEEZではなく、だいぶ前の大陸棚をすべて占有できるという方式で「ここはすべて韓国のEEZだ」と主張しているわけです。
ま、国際的に認められるかどうかでいったら認められないでしょうね。
実際問題、JDZのほとんど9割以上が日本のEEZとして認められることになるでしょう。
あ、それと地図中には離於島とありますが。
暗礁なのでさすがに韓国はここを起点にEEZや了解を主張してはいませんが。
それでもこの地図にぶちこんでくるのだなぁ……と思ったのでちょっと関心しました。
さて、JDZについては韓国側から何度か「ガス田、油田についての共同調査をしよう」との申し出はあります。20世紀には何度か調査をしたこともあるのですが。
21世紀になってからこっち、日本政府は2028年の協定切れを狙ってか首を縦に振らない状況が続いています。
黙ってればJDZの9割以上は日本のEEZとなるので、韓国と共同開発なんてやるわけもないというのが実際。
共同調査をすれば共同開発ってことになってしまいますから、無視しているわけですよ。
日本海や東シナ海の資源権益には韓国もかなり神経を尖らせています。
以前、日本海でINPEXが見つけたガス田の座標を教えろなんて言ってきたこともありましたね。
でもまぁ……韓国と共同開発なんてしたところで日本側には利点なんてひとつもないですしね。
日本側にはINPEXのように調査ができる企業もあるわけで。
まあ、がんばって「第7鉱区は韓国のものだ!」とか言い続けてみればいいんじゃないでしょうかね?
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