2019年に始まった「素材・部品・装備(素部装)産業競争力強化」政策にもかかわらず、素部装品目の対日本輸入額がむしろ増えたことが分かった。中国・台湾など中華圏国家からは輸入額だけでなく依存度までともに高まった。政府が素部装産業競争力を強化し、特定国依存度を下げると毎年数兆ウォンの予算を投入したが、まともな成果を上げることはできなかったとの批判が出ている。
クォン・ミョンホ国民の力議員が5日産業通商資源部から提出された資料によると、素部装100大品目の対日輸入額は2019年113億ドルから2021年134億ドルに21億ドル(18.6%)増加したことが分かった。 (中略)
政府は日本が2019年、半導体・ディスプレイなどの生産に不可欠な品目の韓国輸出規制を強化すると、これに対応するために素部装100大品目を指定して需給多様化と技術自立を推進してきた。2020年には需給管理品目を既存の100個から338個に拡大した。
この過程で投入された政府予算は5兆8000億ウォンに達する。政府は2019年の素部装産業に1兆1000億ウォンを投資したのに続き、2020年には別途の素部装競争力強化特別会計を造成し、2兆1000億ウォンの予算を編成した。昨年には2兆6000億ウォンが特別会計に編成された。今年の予算は2兆5000億ウォンほどだ。 (中略)
政府はこれまで素部装100大品目の日本依存度が2019年30.9%から2021年24.9%に6%ポイント減ったと大々的に広報してきた。だが、同じ期間100大品目の中華圏依存度は23.5%から25.1%に増加した。日本依存度を減らし、中華圏依存度を高めた。
自動車分野の品目でこのような傾向が目立った。2019年11億2800万ドル(依存度15.0%)水準だった対日輸入額は、2021年8億2100万ドル(7.4%)に減った。一方、この期間の大衆輸入額は14億2300万ドル(18.9%)から24億1600万ドル(21.9%)に増加し、台湾からの輸入額も14億400万ドル(18.7%)から30億3400万ドル(27.5%) %)に増やした。中華圏と貿易紛争が生じれば、2019年の日本の韓国輸出規制措置と似ているか、それ以上のレベルで打撃を受けることができるという意味だ。
(引用ここまで)
今日昼の「サムスン電子が横浜に半導体試作ラインを作る」とのエントリで300億円が投資される、とのニュースを見て「後工程でしょうね」との話をしました。
後工程とは半導体のシリコン上に回路を焼きつけた後の工程。
シリコンから半導体を切り出し、検品を行い、パッケージングまで行う部分。
このあたりは日本企業が強みを持っている部分です。ディスコとかアドバンテストとか。
今回のサムスン電子による試作ラインは「日本側の素材、製造装置関連ですぐにメンテ、改良ができるような場所にいたかったのだろうな」と考えられます。
そういえばムン・ジェインが「もう日本には負けない」と大見得を切って、素材や部品を国内で製造できるように政府の予算をアホほど投入していたのですが。
その結果についてピックアップしていなかったな、と。
というわけで、去年10月に出た結論がこちらの記事。
2021年までで5兆8000億ウォンを公的資金として出している。
にも関わらず、日本からの100大品目の輸入額は2019年の113億ドルから、2021年の134億ドル19%増。
ちなみに投入額は以下の通り。
2019年 1兆1000億ウォン
2020年 2兆1000億ウォン
2021年 2兆6000億ウォン
2022年 2兆5000億ウォン
ただ、対日依存率は30.9%から24.9%に低くなったそうですわ。
その分、中国・台湾への依存率が23.5%から25.1%に上昇。
日本から中国・台湾へ依存が移っただけという。しかも絶対額でも依存率上がってたってオチ。
日経の記事でも「汎用素材ではどうにかなっても、先端技術向けの素材・製造装置を使い続けていた」って記述がありました。
純度がそれほどでもないディスプレイ用のフッ化水素あたりはできたっぽいですけどね。
まあ、最初から予想されたオチではありました。
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