▷G7は米国、英国、フランス、ドイツ、イタリア、カナダ、日本を加盟国とする非公式国家協議体だ。自由民主主義、人権などの価値を共有する「先進国クラブ」として国際経済および外交規範を議論するリーダーグループという点で加入時のその象徴性は大きい。新興経済国が含まれたG20に主導権を奪われるように見えた時期もあった。しかし、G20は規模が肥大化しているという指摘と共に、加盟国であるロシア、中国との葛藤で限界に直面している。国連まで無力化した状態で、結局西欧先進国は再びG7中心に団結する雰囲気だ。
▷急変するグローバル地形を反映し、G7構成を多様化すべきだという要求は高まっている。ブラジルまで含めてG12にしようという風に多様な組み合わせと候補国が取り上げられている。民主主義国家10ヶ国を集めた「D10(Democracy10)」創設が代案として議論されたりもした。ただ、少数結束で国際社会の主導権を維持しようとする既存加盟国の壁は依然として強固だ。韓国のG7加盟をめぐっては、特に日本の牽制が激しかったという。アジア唯一の加盟国としての影響力が弱まるだろうという日本の懸念が働いただろう。
▷韓国は19~21日、広島G7首脳会議にオブザーバー国家として招待された。韓国首脳としては歴代4回目の出席であるうえ、韓日関係の薫風まで加わり、G8への拡大期待が高まったのも事実だ。しかし米国務省は「加盟国の変化と関連したいかなる議論についても知らない」と線を引いた。まだ高い国際社会の敷居を痛感する瞬間だ。より長い呼吸で準備戦略を見直さなければならない時でもある。単独ドリブルよりは他の候補国と連帯して「Gメンバー」加入の扉を広げる方式で戦略を多様化することも方法だろう。
(引用ここまで)
広島サミットが開幕しまして。
今回の日本の存在感はかなりのものになっていますね。
まず、半導体各社との意見交換会。これもまずすごいんですよ。
西村経済産業大臣は、グローバル半導体企業トップとの意見交換会に出席しました(経産省)
マーク・リュウ TSMC会長
パット・ゲルシンガー インテルCEO
サンジェイ・メロトラ マイクロンCEO
ケ・ヒュン・キュン サムスン電子CEO
プラブ・ラジャ アプライドマテリアルズ・プレジデント
ダリオ・ギル IBMシニアバイスプレジデント兼IBMリサーチ・ディレクター
マックス・マスー・ミルゴリ IMECエグゼクティブバイスプレジデント
……いやいやいや。
なにこのオールスター。下のふたつはラピダス関連企業ね。
この意見交換会が昨日。
で、開幕した今日はG7首脳らによる広島平和公園での慰霊碑への献花。これにも正直、度肝を抜かれました。
G7各国の首脳とEU大統領、欧州委員長が「世界で初めて核戦争が起きた地」である広島で献花を行う。
旧枢軸国と連合国が一緒になって献花している風景はまさに「戦後の終わり」を象徴しています。
新たな陣営分けが行われた、という話でもあるわけですけどね。
で、さらに今日飛びこんできたニュースが「最終日のゼレンスキー大統領の訪日」でして……。
いや……もうね。
後の時代から見たときの歴史の転換点、少なくともそのひとつとして広島G7は挙げられることになるでしょうね。
あ、ユン・ソンニョル大統領他のゲスト国も明日から参加しますが。
冒頭記事のように韓国国内では相変わらずG8待望論が出ています。
もう象徴的なセレモニーやっちゃったんでだいぶ影は薄いなぁ。
ここにG7拡大なりの議論が行われる?
いや、ないわな。というか、そんな時間すらないでしょ。
Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→Follow @rakukan_vortex