2022年10月、米国のジョー・バイデン政権は半導体の輸出管理規制を強化し、先端半導体の技術や製造装置、関連人材について、中国との取引を事実上禁じた。
この規制強化によりスーパーコンピューターやAIに用いられる高性能半導体の輸出に加え、先端半導体を製造するための米国製製造装置の輸出が原則禁止となった。
米国輸出管理法は、「再輸出規制」を行っている。
このため、米国産の技術等を使用して製造した製品は、他国へ輸出することができない。しかし、自国の独自の技術で製造した製品は、他国へ輸出することができる。
そして、米国は半導体製造装置に独自の技術を有する日本とオランダにも輸出規制に同調するよう求めてきた。
2023年1月27日、日米とオランダの3か国は、先端半導体製造装置の一部の対中輸出制限で合意した。
(引用ここまで)
アメリカによる対中国半導体規制についての記事。
けっこう役に立つと思うので一瞥しておいてもらってもよいかな、と思います。
んで、楽韓Webでは4ページ目の「各種半導体製造装置の企業別シェア」に注目してもらいたいかな、と。
(画像引用元・冒頭記事から画面キャプチャ)
黄色がオランダ、緑がアメリカ、青が日本。
そして赤が韓国……というかSEMSです。
このSEMS、元はスクリーンとサムスン電子の合弁会社だったのですね。
SEMSについて書いたことがなかったので書いておきましょうか。
当時のスクリーンは大日本スクリーン(DNS)という会社名で、韓国での合弁会社もK-DNSというものでした。1993年に韓国で設立されました。
ところがその後、K-DNSはサムスンにすべての株が譲渡され、SEMSに改称。
スクリーンはいまでも半導体製造における洗浄装置部門でトップシェアを誇る企業ではありますが、SEMSにむざむざとサムスン電子分のシェアを受け渡してしまったのですね。
まあ……最初からそうなるだろうなぁ、と思われていた通りのオチになったわけですが。
DRAMで東芝や日立がやられてきたことを同じようにやられたので同情の余地もないというか。
同業他社はどれほど乞われても合弁企業にはしなかったのにね。
CHIP4、CHIPS法で韓国はほとんど存在感がないのは、こうして世界の半導体製造装置のシェアのほとんどが日米蘭に握られているからというのが大きな理由。
SEMSくらいしかないのです。
そして製造面で考えてもDRAM、NANDといったメモリ半導体でしか存在感がない。
もちろん、無視できるようなものではありませんが。
ないならないでなんとか……って考えられてしまうのも実際ですよね。
サムスン電子、SKハイニックスの中国工場がああした扱いになるのもしかたがないかな、といったところではあります。
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