25〜26日(現地時間)、米デトロイトで開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)貿易相会議を契機に集まった韓国と米国、中国の通商責任者たちが韓中、米中会談をそれぞれ開き相互関心事について話し合った。彼らは半導体と国際サプライチェーン、原材料などを主要テーマに挙げたが、協力よりはお互いの立場の違いを確認するのに止まった。
25日に開かれた米中商務長官会談で、ジーナ・レモンド米商務長官は「中国で営業中の米企業を狙って最近頻発している中国の措置に対して憂慮を提起した」と米商務省が明らかにした。21日、中国当局が米国半導体企業マイクロン製品で深刻な保安問題が発見されたとし販売制限措置を取ったが、これに対する不満を示したものと見られる。 (中略)
韓国と中国通商責任者の会談では「半導体」問題に対する両国の異なる態度が現れた。26日、産業通商資源部のアン・ドクグン通商交渉本部長とワン部長の出会い以後、中国商務部は資料を出し「両側が半導体産業網とサプライチェーン領域での対話と協力を強化することに同意した」と明らかにした。半導体に関連して両国が「協力に同意した」と明らかにしたものだが、これは韓国側の発表には含まれていない内容だ。中国が韓国側との会談で半導体分野の協力を要求し、韓国は原論的な水準の答弁をした可能性が高い。
反面、韓国産業部は(中略)半導体問題の代わりに、中国から輸入する原材料と部品の安定的な需給などを前面に掲げた。
最近、中国当局が米国の半導体メーカーであるマイクロンを制裁し、米中葛藤が高まった状況で、中国は韓国側の協力を望んでおり、米国は中国の制裁そのものを批判しながら韓国側に「中国に協力するな」というメッセージを送っている状況だ。韓国政府は最近、この問題についてまだ明示的な立場を示していない。 (中略)
政府は10月まで米国から先端半導体技術・装備の対中輸出禁止について例外を認めらている一方、中国半導体工場に対する生産能力制限措置を緩和しなければならない課題を抱えている。サムスン電子とSKハイニックスが70兆ウォン程度を投資した中国半導体工場の存廃がかかった問題だが、政府は1年余り近く「緊密に協議している」という言葉だけを繰り返している。国内半導体業界では「政府がメモリー半導体強国のレバレッジをまともに活用できず顔色ばかり伺っている」という指摘が出ている
(引用ここまで)
APECの貿易相会合が行われまして。
日本からは西村経産相が出席して12もの会談を行ったそうです。なかなかに精力的。
西村経済産業大臣が米国デトロイトへ出張しました(経済産業省)
ただ、共同声明は出すことができずに主催国であるアメリカの議長声明が出たのみ。
中国とロシアが反対したことで議長声明のみ。
さて、そんな中で中国は韓国に対して「アメリカはああ言っているけど、韓国企業は中国へのメモリ半導体出荷を減らしたりはしないよね?」って話をして。
アメリカは「中国がマイクロンのメモリを禁輸したけど、まさかそこをカバーして商売伸ばそうとは思ってないよね?」と釘を刺してくる。
あー、これはあれですね。
韓国がいうところの「韓国モテモテ状態」。
パク・クネ政権時代に当時のユン・ビョンセ外交部長官が「韓国の外交手腕はハイレベル」「米中双方からラブコールを受ける韓国は祝福されている」とサンドイッチ状態の韓国の外交力を自画自賛してましたっけ。
さすがに今回はそんなマヌケなコメントは出ていません。
実際問題としてサムスン電子とSKハイニックスの中国工場への圧力を強めるアメリカと、もっとも弱い環である韓国に「アメリカを裏切れ」と圧力をかけてくる中国。
パク・クネ政権当時よりもさらに「現実の問題」感が強くなっていますからね。
んで、どっちにしても韓国の主体的な答えは出ていない。
アメリカのCHIPS法に従えば数十兆ウォンを費やしてきた中国工場で新規投資はほぼできなくなり、ウエハベースで5%の増産が認められるだけ。
従わなければASMLや日本からの最新設備導入が韓国国内、アメリカ国内の工場ですら難しくなる可能性がある。
とはいえ、サプライチェーンをしっかりと握られている中国に悪い顔はできない。
前政権では主権を一部譲り渡す(三不の誓い)までやってきましたからね。
まあ、「Show your flag!」って言われているわけです。
さて、とりあえずここまでは「アメリカに偏っている」とまで非難されているユン政権ですが。
2年目にしてもっとも難しい選択肢を迫られています。
得意の外交力とやらでなんとかしてみればよいんじゃないかなー。
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