「60歳まで働けるかどうかも分からないのに、国民年金を68歳から受けなさいって?」
政府諮問機構である国民年金財政計算委員会が年金を受け取る年齢を満65歳から68歳に遅らせる方案を政府に勧告したことに対して20〜30代の会社員が見せる反応だ。年金受給開始年齢は現在の63歳から2033年まで段階的に65歳に高くなる。財政計算委はさらに、2033年以降5年ごとに1歳ずつ増やすやり方で、2048年から68歳まで需給開始年齢を遅らせることを提案した。保険料率も現行の9%から12〜18%に上げなければならないと勧告した。そうしてこそ年金枯渇時期を最大限遅らせることができるという理由からだ。
国民年金を受け取る年齢を遅らせれば、基金枯渇問題を緩和するのに相当な効果があるのは事実だ。受給開始年齢が68歳になると、基金枯渇が2059年に延期される。さらに保険料率まで15%に引き上げれば、基金枯渇は2082年に延期される。基金収益率まで国民年金財政計算期間(2023~2093年)中に年平均1%ポイント高めれば70年後にも年金枯渇を防ぐことができるというのが財政計算委の分析だ。
問題は年金を受け取る年齢を遅らせれば引退後年金を受け取るまで期間が長くなりかねないという点だ。すなわち「所得絶壁(所得クレバス)」問題が少なくない。7日、統計庁の「高齢層(55〜79歳)経済活動人口調査」によると、彼らが最も長く勤めた職場を辞める年齢は平均49.4歳だ。現在の法定定年(60歳)より10年も早い。名誉退職などで50歳前に職場を出る場合が多いのだ。
高齢層引退者の相当数は退職後、低賃金の働き口に依存している。雇用労働部によると、昨年55歳以上の就業人口のうち37.1%は自営業者や非賃金労働者(無給従事者)、27.8%は日雇い労働者だった。引退後、国民年金を受け取る期間まで長くなれば、高齢者の貧困が深刻になりかねない。
(引用ここまで)
韓国政府によると、現状のままであれば韓国の国民年金は2055年には枯渇するとされています。
現在、韓国の年金受け取り年齢は63歳。
絶賛後ろ倒し中で、1969年生まれから65歳受け取りが完成するそうです。2034年以降からか。
で、それをやっても2055年には枯渇。今年1月の発表で2年、前倒しされました。
韓国政府の想定よりもあまりにも早く高齢化社会となっているため、だそうです。
現在、韓国での平均退職年齢は49.3歳。
これ、実際の平均よりもかなり高めの年齢になっていると考えられます。
公務員や自営業なんかも入っていると思われる統計なので。
つまり、年金を受け取るまでの15年間、場合によっては20年間をなんとかして生きなければならないのですが。
金のスプーン以上であれば不動産収入があったりなんだりで困ることはないのですけどね。
一般人にはそれほど選択肢はありません。
下手したら給料が1/3とか1/4になる中小企業にパートタイマーとして入るか。
チキン屋になるか。
カフェを開店するかコンビニオーナーになるか。
というわけで、今度は68歳にまで後ろ倒ししようという案が出ているのですが。
20〜30代からは「65歳の年金だって受け取れるかどうか分からないのに」とブーイングが飛んでいるっていう。
で、さらに高齢者と若者の分断が進むっていう。
いまの高齢者でかつ年金を受け取れる人々は「枯渇前に間に合った世代」ですからね。
63歳だとしても、国民年金が枯渇する2055年までは32年。95歳まで生きて年金を受け取り続けることができたら勝ち組ですわな。
ま、実は年金を受け取れている人はだいたい半分しかいないのですが。
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