韓国の最大野党「共に民主党」が混乱に陥っている。21日の国会で李在明(イ・ジェミョン)代表の逮捕同意案に一部の所属議員が賛成し、同案は可決された。野党が過半数を握る国会での異例の事態の原因は、根深い党内抗争にある。
「国会議員が自分の党代表を売り飛ばした。卑劣な裏切り行為が起きた」。逮捕同意案可決から一夜明けた22日、民主党幹部の会議で「造反」への怒りの声があがった。
(引用ここまで)
イ・ジェミョンの逮捕同意案について、造反議員が続出したのは来年の総選挙に向けての自己アピールであるとの話をしようと思っていたのですが。
当日にもちょこっとそんな話をしていますね。
ちょうど日経新聞にそんな感じの記事が掲載されていたのでピックアップ。
非ミョン派(非イ・ジェミョン派)はこのまま座していても、来年の総選挙で公認を得ることは難しい。
韓国の選挙は基本的に党代表や執行部から見ての「ウリか、ウリでないか」で公認が決められます。ウリとは「我々」の意味で、ここでは仲間意識といったような意味合いを持ちます。
前回の総選挙ではムン・ジェイン人気に乗っかって180議席という異常な数の議席数を得てしまったわけです(以降、離党等で現在は168議席)。
次回はどうしたって揺り戻しがある。
そんな中で「イ・ジェミョンが選挙の顔でいいのか」という葛藤は常にあるわけです。
今回、イ・ジェミョン本人が「逮捕同意案を否決してほしい」等と述べて「党を自分の司法リスクを軽減するために利用した」(ように見えた)ことが最大の失敗なのも選挙がらみです。
「イ・ジェミョンが司法リスク軽減のために使われた党の候補者」ってレッテルを貼られて総選挙を戦えるのかとの恐れがあったわけです。
非ミョン派は「イ・ジェミョンを代表から降ろせばまだ戦える」と考えている。
ミョン派は「イ・ジェミョン以外に選挙に顔になる知名度を持つ政治家がいない」と考えている。
与党の国民の力は「分裂するか、イ・ジェミョンが党代表ままであれ」と願っているってところですかね。
与党の立場では最悪なのは「イ・ジェミョンが代表をやめてクリーンになったと受け取られること」なので、なにかが起きたほうがいいわけです。
ちなみにイ・ジェミョンは「代表を辞めることはない」と宣言しています。
「屈することなく精進する」…韓国野党代表、辞任論を一蹴(中央日報)
まあ、すでに逮捕同意案は可決されてしまったので、なんらかの動きを見せざるをえない。
一番ありそうなシナリオは分裂かな、という感じです。
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