今回のハンストが成功したか失敗したかを一言では判断できません。ただし、ハンストが長引くにつれ、党内結集には成功したとみられていました。ところが(結果的に)票を計算してみると、民主党議員167人のうち30人前後が(逮捕同意案の)賛成に回ったことになります。棄権と無効まで含めると40人に達するものとみられます。 (中略)
ハンストが長引くにつれ、イ代表の健康が悪化し、逮捕同意案を否決すべきというムードが広がったのは事実です。しかし、20日、予期せぬことが起こりました。イ代表が自ら逮捕同意案の否決を訴えるメッセージを出したのです。
この反作用で非イ・ジェミョン派(イ代表に対抗・反対する勢力)を中心に、むしろ可決票が結集したものとみられます。否決の訴えが非イ・ジェミョン派の議員の間で「防弾(何が何でも逮捕を阻止する)政党はだめだ」という共感をより広め、固める結果をもたらしたのです。 (中略)
イ代表の指導力は大きく傷ついており、民主党は混乱が避けられないものとみられます。早い収拾に向けた努力が行われると思いますが、容易ではないでしょう。(中略)最悪の状況は、裁判所で拘束令状が発行されることです。イ代表の政治生命は危うくなり、憲政史上初めて最大野党代表が令状審査を経て拘束される不名誉も抱えることになるでしょう。 (中略)
他の可能性もあります。逮捕状が棄却されれば、イ代表は政治的リーダーシップの復元はもちろん、反撃のチャンスをつかめるでしょう。(中略)もちろん令状が棄却されたとしても、イ代表がリーダーシップを一気に回復するには、今回の逮捕同意案可決で負った傷が非常に深いという意見もあります。
(引用ここまで)
検察から逮捕状申請された裁判所がイ・ジェミョンに対してどのような判断をするのか待っていたのですが、どうやら26日中の判断はないと見ました。明日の午前中に決定は先述べされた模様です。
全体的にスケジュールが遅延しているようですね。
イ・ジェミョンは朝の8時から拘束前被疑者尋問(実質的には取り調べ)を受けていたのですが、それが9時間20分にも及んだそうです。
イ・ジェミョン9時間以上令状審査… 歴代2番目の記録(聯合ニュース・朝鮮語)
裁判所もこの事件を重視していることが分かるのではないでしょうか。
ちなみに最長なのは北朝鮮に公務員が射撃された事件で隠蔽工作をしたと見られているソ・フンで10時間6分。こちらは起訴済。
それ以外だとパク・クネ大統領(当時)が8時間40分、サムスン電子副会長(当時)のイ・ジェヨンが8時間30分で、どちらも起訴されました。
時間的に見るとイ・ジェミョンの拘束、起訴も充分にあり得るかな。
で、冒頭のハンギョレの記事は「いかにしてイ・ジェミョンはハンストに敗れたのか」の解説。
ハンストで世間の同情を買うまでは成功したものの、最後の最後で私欲を出してしまってなにもかもが終わりになったっていう。
これまで解説してきた話と同様。
ハンストを成功させるには徹底的に弱者である必要があるのですね。
なにしろハンストは「巨悪と戦う最後の手段」ですから。
それなのに最後の最後で欲をかいて「逮捕同意案を否決してくれ」って言い出しちゃってすべてを終わりにしてしまった。
最後の最後まで無私(のふり)を貫いてりゃよかったのに。
「もう一押ししておこう」ってやっちゃった。
まあ、イ・ジェミョンの小物たる所以ですね。
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