初の韓国型超音速戦闘機KF-21ポラメの初期生産数を半分程度に減らさなければならないという研究結果と関連し、軍当局が難色を示しています。
チョン・ハギュ国防部報道官は今日(2日)の定例ブリーフィングで、「研究機関(韓国国防研究院)から研究結果が出ており、その結果を否定するわけではないが、量産事業の妥当性調査も進行中なので、国会の議論過程で軍当局が(40機が妥当だという)判断根拠を国会と企画財政部によく説明する」と述べました。
事業妥当性調査をやり直すことができるかどうかについて、防衛事業庁のチェ・ギョンホ報道官は「事業開始前は7回近く事業妥当性調査をするほど一定の余裕があったが、現在は量産を進めなければならない段階なので、事業妥当性判断をやり直すというのはかなり悩むべき部分」と難色を示しました。
それと共に「もし日程がさらに遅れるならば、より多くの日程と費用が幾何級数的に増える状況が発生することになる」とチェ報道官は付け加えました。 (中略)
初年度量産分である40機に対する労務費と間接費、材料費など着手金2,387億ウォンが予算に反映されてこそ、2026年下半期からKF-21を戦力化することができます。
しかし、これに先立ち、韓国国防研究院は先月30日、空軍や防衛事業庁の関係者などが出席したKF-21事業妥当性に関する非公開最終討論会で、KF-21の初期生産数を40機から20機に減らすべきだという事業妥当性調査の暫定結論を共有したということです。 (中略)
軍高官は「物量縮小は老朽化したF-4とF-5戦闘機の早い代替を待っている空軍に冷水を浴びせる格好で、戦力の空白が懸念される」と説明しました。
また「対内外的にKF21の安定的な開発と輸出の可能性が注目されている状況で、政府機関が成功可能性に対する不確実性を理由に物量を縮小するということは国家レベルの信頼度を落とすことになるだろう」と付け加えた。
(引用ここまで)
韓国政府から「KF-21の初期生産数を半減して20機にすべき」との事業妥当性判断が行われたことで韓国空軍が困惑している、との話。
まあ、そもそもKF-21を開発する理由っていうのがF-4、F-5のリプレイスが大きな理由。
あと戦闘機の開発実績を作っておきたいっていうのもあるでしょうが、なによりいまだにF-4、F-5を使っているっていうのがね。もうほんとにきつい。
なんなら年に1〜2機のペースで事故を起こして落ちてますし。
F-4を現役で使っているのは韓国以外だとギリシャ、トルコ、エジプトくらい。
F-5を現役で使っているのは韓国以外では台湾、スイスくらい。
それぞれを飛ばしている国は他にもあるかもしれませんが、両方を使っているのは韓国くらいじゃないですかね。
WorldAirforces 2023によるとF-4Eが69機、F-5Eが156機……え、これマジ?
他の国だと20機とか30機だぞ。
World Air Forces 2023(英語)
F-35Aを20機追加導入することは決まっているので多少はリプレイスできるでしょうが。FA-50を追加導入するにしてもポーランド向けでフル生産中、あとKF-21の生産もあって工場はフル稼働中でしょうしね。
あれ、これで初期生産数を20機に減らされるとかなり詰んでいるのでは。
F-5Eを一気に退役させようとしているようですが、あてがないんだよなぁ……。
そうそう、なんかインドネシアはKF-21の1兆ウォンに及ぶ不払い分の開発分担費を払うことに前向きだって話も出てましたが。
どうもそうではない、との話も。
「言葉と行動が違うね」……インドネシアのKF-21開発費用1兆ウォンの支払い方針は?(韓国経済新聞・朝鮮語)
インドネシアはすでにラファールとF-15EXで66機を揃えようとする状況。
この上にKF-21が48機必要か、との問題。
あとインドネシアで現在の国防相であるプラボウォ・スビアントが来年の大統領選に出馬するにあたって「インドネシアで開発する戦闘機」であるIF-X(KF-21のインドネシア呼称)をより有利な条件で契約し直して、自分の実力を天下に示したいのではないか、との推測も。
いつの日かF-35すら凌駕するらしいKF-21はモテモテなんでしょうから、共同開発国をいまから募っても殺到するんじゃないですか。知らんけど。
Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→Follow @rakukan_vortex