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2023年10月

ソウルの不動産に積み上がる売り物、その間にも市中金利は上昇基調……あれ、これやばいヤツなのでは

カテゴリ:韓国不動産爆弾 コメント:(30)
ソウルの売り物が8万件増えた……買う人と売る人の間の「同床異夢」(JTBC・朝鮮語)
最近、家を売ると出しても買うという人が多くなく、ソウルのマンションの物件が8万件以上積もったそうです。高い金利に貸出負担が大きくなり不動産取引も大きく減ったのですが、住宅価格にも影響を及ぼすものと見られます。 (中略)

新築の大団地が集まっているソウル江東区です。
新都市ブームに一時人気地域でしたが、今は取引が途絶えています。

公認仲介士「秋夕(訳注:韓国のお盆休み)が過ぎてから、 こうやって取引が途切れてしまっています。お客さんはいなくて、物は少し溜まる今のような状況です。金利がかなり上がって需要者たちが少し心理的に負担感も感じているようです」

この地域のマンションの物件は1ヵ月間で1300軒余りの売り物件が重なり、前月比で20%急増しました。
ソウルの他の地域も状況は同じです。
先月、ソウルで売れなかった物件は8万件を超えましたが、3年前に統計集計が始まって以来、最大値です。

売ろうとする人は増えたのに買うという人はあまり現れないので売り物だけが積もっているのです。
特に政府の貸出引き締めの流れに合わせて、銀行が住宅担保貸出金利を引き上げ続け、住宅を買おうとする需要はさらに減っています。
(引用ここまで)


 ソウルにプチバブルが来ていたのですがぽしゃりました。
 プチバブル発生したって状況からすぐに市中金利を上げるように指令が出た模様。
 市中金利が上がると、当然ですが変動金利も上昇します。

 下のKBSの記事によると銀行圏(都市銀行等のいわゆる第1金融圏。貸出対象は公務員や大企業の社員などで比較的金利が低い)の不動産ローンはすでに7%を突破しているとのこと。
 これが固定金利でのこれからの貸出なのか、変動金利の変動なのかはちょっと不明。

米国の基準金利凍結にも「金利上昇深化の可能性」···なぜ?(KBS・朝鮮語)

 固定金利であるとしても、これはかなりお得な金利である都市銀行の金利。
 多くの人が利用している第2金融圏(地方銀行、貯蓄銀行など、貸出対象は広いが金利は高い)での住宅ローンはもうちょっと厳しい状況になっているはずです。
 いまちらっととある貯蓄銀行の不動産ローンを見てみたら8〜15%になっていましたわ。
 他の貯蓄銀行では4.5〜9.7%とかもあるんですけどね。


 んで、冒頭のJTBCの記事ですが、ソウルの不動産市場でも売り物が積み上がりつつあるとのニュースなのです。
 これ、高金利に耐えかねて手放したものである可能性が高いですね。
 この場合はしばらくは売り物が積み上がるだけで、不動産価格は下がらない時期が続きます。なんなら成約したもの自体はわずかに上昇したりもします。

 株なんかもそうなんですが、とりあえず売りが続いても価格が下がらないことがあるんですよ。誰も買わなければ。
 で、均衡がしばらく続いた後に本当に絶えられなくなった人がディスカウントをはじめて雪崩が起きるのです。

 さて、ここで不動産価格を押し留めることができるのか。
 プチバブルの崩壊が本チャンのバブル崩壊を招くなんて事態はけっこうあることですからね。
 蟻の一穴ってヤツです。

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「夢の常温超伝導物質」だったはずのLK-99、韓国で10月末に出る予定だった白書がいまだに出ていない理由とは?

カテゴリ:LK-99 コメント:(55)
タグ: LK-99
10月末に出ると言っていたLK99検証結果、なぜ出ないのかと思ったら…···R&D予算削減が「流れ弾」に(朝鮮BIZ・朝鮮語)
国内研究者たちが開発したと主張したLK99の常温·常圧超伝導性を検証している学界検証委員会の活動終了が遅れている。当初、検証委は先月末、これまでの検証結果を総合して白書を出版し、公式的な立場を明らかにするとしていたが、結論は何の意味もない。研究者たちが自発的に集まって検証に乗り出したのがその始まりだっただけに強制性はないが、国内外ではLK99に依然として関心を持っている。

検証委員長を務めたソウル大学物理天文学部のキム・チャンヨン教授(IBS鋼相関係物質研究団長)は先月18日、朝鮮ビズとの通話で「検証委活動の仕上げを準備している」とし「10月末白書を出版し結論を下す予定」と明らかにした。海外でもLK99を検証しようとする様々な試みがあったが、国内では唯一の試みであるだけに検証委が下す結論に関心が集中した。

3日、科学界によると、検証委の活動終了予告時点を過ぎても白書が出ていないことが確認された。検証委側にその理由を尋ねると、政府が突然研究開発(R&D)予算を削減し、検証委に参加した主要研究者たちが白書発刊に集中しにくくなったという答えが返ってきた。しかし、白書の発刊が取り消されたわけではなく、準備が遅れているという説明だ。白書に責任を持って決着をつけるという立場も付け加えた。 (中略)

科学界が慌ただしい状況で、LK99検証だけに集中するのは難しかったという声も出ている。ある研究者は、「引き続き課題予算が削減され、来年度の新規事業公募も不透明だが、研究実績として捉えられないLK99検証に時間を費やすのは難しい」と説明した。政府の予算削減で研究事業選定が難しくなる状況で、研究者たちは一つの論文でも多く発表しなければならない立場だ。

しかし、検証委の活動終了が遅れる理由を研究費削減のせいにすることはできない。当初、検証委は十分な時間をかけてLK99を検証し、大衆の好奇心を科学的に解消すると宣言した。検証委の活動が8月初めに始まったので、ちょうど3ヶ月が過ぎた時点であまりにも早い活動終了宣言ではないかという指摘も出ている。 (中略)

LK99に関心を持つ人々を苛立たせるのは検証委だけではない。LK99を開発したクォンタムエネルギー研究所の立場発表も遅れている。クォンタムエネルギー研究所は国内にLK99報道が本格的に始まって以来、列先明確な立場を発表していない。

彼らは論文事前公開サイト「アーカイブ(arXiv)」ではなく公式的な国際学術誌に論文が発表されれば、これまでの疑問を解決する場を用意すると話した。しかし、依然として論文は発表されていない。クォンタムエネルギー研究所は学術誌で論文を検討し、必要な部分を補完する段階だという説明だけを出している。
(引用ここまで)


 「夢の常温超伝導物質」としてこの夏に発表されたLK-99。
 科学界は「(本物だったら)ノーベル賞確実」「(本物だったら)ノーベル賞を超えた存在になる」ともされて(ちょっとだけ)騒がれていました。
 Twitter上でも「本物だ」「偽物だ」とかしましく騒がれていましたね。


 さて、そこから4ヶ月ほどが経過しました。
 LK-99について、もはや海外から検証はもうなにも出ていません。
 もうね、びっくりするくらいなにも出ていません。

 そりゃまあ、ネイチャー誌サイエンス誌にそれぞれ完膚なきほどに否定記事が出されて。
 かつ欧米の大学からは「反磁性はちょっとあるかも。でも不純物に」「超伝導っていうか絶縁体。不純物が超伝導みたいな動きをしてただけ」「磁石」とレポートされて終了。

アメリカ著名大学「LK-99は超伝導物質ではない。ゲームオーバーだ」と発表、韓国では一気に関連企業の株価が下落(楽韓Web過去エントリ)
常温超伝導物質LK-99に対してプリンストン大学、「いや、これただの磁石じゃね?」とばっさり否定してしまう(楽韓Web過去エントリ)

 その後、韓国の検証委からも「超伝導物質ではない」とされています。
 話題が出るわけがないですね。


 で、先月末に「LK-99白書」を発行して韓国の検証委はその役割を終える……とされていたのですが、その白書が発行されていない。
 なにか新発見でもあったのかと思ったら、なんのことはない研究費を削減されてそれどころじゃなくなったっていうオチ。

 先日、重イオン加速器RIONの事業そのものが終わりそうだとされていましたが、それと同じで韓国政府からの科学関連の予算削減。
 というわけで検証に参加した教授らがその対応に奔走しているとのことです。

 いや、それにしてもX(Twitter)上での騒ぎは個人的にちょっと面白かったです。
 割と昔から超伝導関連については関連書籍も読んでいましたし、温度上昇がどのように行われてきたかの知識がありまして。
 こんな雑な発表でそんなもんがあるわけないって分かりきっていたのですが。

 「韓国が新時代の扉を開けた」みたいなことを言っている人とかいて、けっこう楽しめました。
 真夏の夜の夢の魔法が解けてめでたしめでたしと。
 あとは大元のクオンタムエネルギーセンターがどんな話を出すか、くらいですかね。

 あとどうでもいい話なんですが、「榴弾」と「流れ弾」がハングル表記でまったく同じ「유탄」なんですがこれ文脈で見分けられるんですかね……。

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韓国野党議員「来年の総選挙で200議席獲得も可能だ!」と豪語……200議席獲得でなにが起きるかというと

「大統領拒否権も無力化可能」……早くも総選挙200議席を取り上げる野党(朝鮮日報・朝鮮語)
共に民主党関係者たちが来年4月の総選挙目標として「200席」を話している。前回の総選挙で大勝した180議席より20議席多い。ソウル江西区庁長補欠選挙で大きく勝った余勢を追い詰めるということだが、党内では「20年執権云々して5年ぶりに奪われたことを忘れたのか」、「勝利に酔って何でも言う」という批判が出た。

民主党のチョン・ドンヨン常任顧問は1日、KBC光州放送に出演し、「首都圏を席巻すれば、200議席を獲得できないという法律もない」とし、「首都圏も準備されていることを江西で示したもの」と話した。民主党で選挙制改編論議を主導するイ・タンヒ議員も同日、MBCラジオで「わが党の最大目標は(国民の力を)100議席以下に最大限下げること」と述べた。民主党をはじめとする野党陣営が200議席以上を獲得するということだ。チョ·グク前法務部長官も先月22日フェイスブックに「多様な汎民主進歩勢力、そして国力離脱保守勢力まで合わせて200席になることを希望する」と書いた。

200議席は法案通過はもちろん、改憲と大統領弾劾訴追までその気になればできる「絶対議席」だ。チョン常任顧問は200席確保を仮定し「大統領の職権乱用、こういうのは明白な法律違反なので疎明されれば直ちに弾劾」とし「足かせがしっかり埋まるので身動きが取れない」と話した。大統領拒否権も意味がなくなる。憲法上、大統領が特定法案に拒否権を行使しても、国会議員3分の2(200人)以上が賛成して再議決すれば、法律として確定するからだ。李議員は「尹大統領は国民の力110席が支えているため、無条件拒否権を行使している」と述べた。

民主党が200議席を獲得するためには、前回の総選挙のように首都圏(121議席中103議席確保)と全羅道(28議席中27議席)、忠清道(28議席中20議席)をほぼ席巻するとしても、国民の力の票田である慶尚道をはじめ、江原道と済州道、比例などで今よりはるかに多くの議席を確保しなければならない。政界内外の視線は「実現可能性がない」として懐疑的だ。だが、イ・タンヒ議員は「千載一遇の機会が来ている」として「合理的保守勢力の出現自体が難しいことであり、進歩野党との協力も難しいが、次の総選挙ではそれが可能な状況が起きている」と話した。正義党など汎野党圏はもちろん、与党で議論されているユ・スンミン、イ・ジュンソク新党とも団結して候補を出せば可能だという話だ。民主党ではいわゆる「チョ・グク比例党」を取り上げ、「比例数席は確保できるのではないか」という話も出ている。
(引用ここまで)


 あまり需要のない韓国政治ネタ。
 来年に4月に総選挙を控えて、与野党の駆け引きがはじまっています。
 一部の野党議員は「200議席を確保する」と鼻息荒く宣言。
 韓国は一院制で議員定数は300議席。つまり、2/3を占めるとの宣言になるのですね。

 前回の総選挙ではムン・ジェインの「K防疫で韓国は先進国に!」という幻想で共に民主党が雪崩的勝利を得て180議席を獲得(その後、党からの離脱や除名処分もあり現有は167議席)。
 180議席あると国会先進化法で定められた「与野党で意見の差異がある法律は委員会で3/5の賛成がなければ国会に提出できない」という枷を無視することができたのですね。
 というわけでここ3年ほどは無茶だと思われる立法も好きなだけ行われてきました。
 ユン政権になってからは大統領拒否権が発動していますけどね。


 ところが200議席、2/3を占めることができれば改憲も大統領弾劾も可能。
 パク・クネ弾劾時には当時の与党であったセヌリ党(現在の国民の力)内の非パク派が造反したことで弾劾裁判が決定しましたが。
 200議席あればいつでも弾劾が可能。

 もうひとつ大きいのは大統領が拒否権を発動して国会に戻ってきた法案でも、200議席あれば再可決可能。
 ユン大統領の持つ最後の武器を取り上げたい。野党として戦うには200議席が必要だ、ということでもあるのでしょうけどね。
 ま、数字遊びの類いかな。

 ただ、気をつけたいのがこうした言葉ひとつでけっこう選挙の行方が決まってしまうこと。
 ノ・ムヒョンが弾劾にかけられたことがありましたが、結果としてそれが「野党は傲慢だ」と受け止められて総選挙で大敗となったことがあります。
 大勝してイ・ジェミョン大統領へのレッドカーペットが敷かれることになるのか。
 負けて次の大統領選挙まで臥薪嘗胆を強いられるのか。
 ま、一応はこうして定期的にお伝えすることになると思います。

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楽韓さん、本日の動向 - インスタグラムとかもやってはいるのです

 instagramをはじめてます。いろいろ分散しておくべきかと思って。
 ちょこちょこ画像を載せていくと思います。フォローしてくれたらありがたいです。
 https://www.instagram.com/rakukanweb

 MetaのThreadsにもIDはあります。更新してないな。Twitterでどうにかなってるので。

 さて、昨日の豊島晋作のワールドポリティクスには続編がありました。マイケル・グリーン氏を呼んだ割には尺が短いなとは思っていたのですが。



 後半のほうが密度が高いですね。トランプ再選にはアメリカでも「さてどうしたもんかな」と思っている様子が見てとれます。



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 10月に買ってよかったなと思ったコミックス一覧などを書いてみますか。

 メダリスト 9巻(3A惜しかった)、新九郎、奔る 14巻(嫁さんきた)、となりのフィギュア原型師 5巻(えにぐまちゃんの新アバター?)、ニセ聖女クソオブザイヤー 2巻(まだ先が楽しみ)、ダイヤモンドの功罪 3巻







 ダイヤモンドの功罪はまだ紹介してなかったかな。スポーツでなにをやってもうまくできて嫌われてしまう主人公が一気に野球の年代別代表になってしまう、若干のなろう感を抱えつつも周囲から浮くことにトラウマを持っている部分が面白い。
 1巻が213円とかになっているので試してみてもよいかもしれない。まだ絵は荒削りだけど3巻くらいから安定してくる感。
 あ、それとドラフトキングの1、2巻が188円+45%ポイントバック。3、4、16、17巻(予約)は45%ポイントバックだけ。これもおすすめなので1巻だけでも。
 個人的にはかなりおすすめ。




 あと片田舎のおっさん、剣聖になるが1巻半額、2〜4巻は45%ポイントバック。



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脳が老化している人に見えている世界
米山 公啓
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2023-05-31